
ゼリーやプリンなどを固めるときに使用する材料のアガー、ゼラチン、寒天の違いについて解説します!
素材の違いや特性をはじめ、使い方や人気レシピも合わせてご紹介します。
それぞれの凝固剤のおすすめ商品も合わせてご覧ください。
つるんとした食感の違いがおいしさのポイントになりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
透明感が高く、プルッとした食感アガー
アガーとは、カラギーナンという海藻やローカストビーンガムというマメ科の種子の抽出物からできたものです。
ゼラチンや寒天と比べて最も透明度の高いアガーは、美しい光沢とゼラチンと寒天の間くらいのプルッとした独特な食感が特徴で、水ゼリーなど近年注目の素材です。
透明感のある、ふるふるのとろけるゼリーにはアガーがおすすめ。30~40℃で固まり、常温でも型崩れしないので、持ち運びもできます。
アガーの原材料
カラギーナンという海藻やローカストビーンガムというマメ科の種子の抽出物からできています。
アガーの特徴

- ゼラチン、寒天と比べて最も透明度が高い。また、光沢が美しく、素材の色を活かせる。
- 常温でも溶けない。寒天とゼラチンの間くらいのプルッとした独特の食感。
- 無味無臭。どんな素材でも風味の邪魔にならない。
アガーの使用上の注意点
- ダマになりやすいので気をつけてください。ダマになると加熱してもうまく溶けないことがあります。あらかじめ砂糖と混ぜておきましょう。
- 砂糖を使用しない場合は、ダマにならないよう液体を攪拌しながら徐々にアガーを加え、均一に混ぜ合わせてから加熱してください。
- 果汁など酸味の強いものは、一緒に煮立てると固まらなくなることがあります。
お好みの固さに仕上げるための
お水とアガーの目安

使い方
1
2
グラニュー糖などにしっかりと混ぜ合わせたアガーを温めた水分に加えてすぐに混ぜ合わせて溶かしてください。
おすすめのアガー
アガーを使ったレシピ
口どけがよく、プルンとやわらかい食感ゼラチン
ゼラチンとは、牛や豚の骨、皮から抽出された動物性タンパク質の「コラーゲン」から作られたものです。
アガー、寒天と比べて最も口どけがよいゼラチンは、弾力性と粘性が強く、やわらかくプルンとした食感が特徴で、ゼリー・ムース・ババロアなど幅広くお使いいただけます。
ゼラチンは、20℃以下で固まり、25℃くらいで型崩れするので、夏場は注意が必要です。
ゼラチンの原材料
牛や豚の骨や皮に含まれているコラーゲン(タンパク質の一種)からできています。
ゼラチンの特徴

- 弾力性と粘性が強いので、やわらかく、プルンとした食感。
- 体温で溶けるので、アガーや寒天と比べて一番口どけがよい。
- 泡を抱きこむ力を持っているので、ムースやマシュマロなどのふわふわした食感も可能。
ゼラチンの使用上の注意点
- 生のパイナップルやキウイ、いちじくなどに含まれるタンパク質を分解する酵素の働きにより、ゼラチンが固まりにくくなります。一緒に使う場合には、あらかじめフルーツの缶詰を使用するか、加熱しましょう。
- 常温で溶けてしまうため、冷蔵庫から出したらなるべく早めにお召し上がりください。
お好みの固さに仕上げるための
お水とゼラチンの目安


粉ゼラチン
ゼラチンを高温で乾燥させ、細かく砕いて粉末状にしたものです。
好きな量を使えるため、家庭で扱いやすいです。ムラなく溶かすことができ、初心者におすすめです。
使い方
1
2
使用するゼラチン量の3~4倍の水を加えて5分ほどおき、ふやかしてから温めた水分に加えて溶かしてください。

板ゼラチン
パティシエなど、プロが使用することが多いゼラチンです。透明感があり、口当たりが良いです。
1枚あたりの重量がほぼ決まっているので、測りやすいです。
使い方
1
2
3
4
氷水に浸して5分ほどおいて柔らかくなったら手で軽く絞ってキッチンペーパーでしっかりと水気をとったものを温めた水分に加えて溶かしてください。
おすすめのゼラチン
ゼラチンを使ったレシピ
ほろっと崩れ、なめらかな食感寒天
寒天とは、テングサやオゴノリなどの海藻が原材料のものです。
アガー、ゼラチンと比べて最も凝固力が強い寒天は、歯切れがよくほろっと崩れ、なめらかな食感が特徴です。透明感や弾力性はなく、杏仁豆腐や水ようかんなどにおすすめです。
食物繊維を多く含んでおり、ダイエットによいといわれています。
寒天の原材料
テングサやオゴノリなどの海藻からできています。
寒天の特徴

- アガー、ゼラチンと比べて最も凝固力が強く、わずかな量で多くの水分を固められる。
- 透明感や弾力はほとんどない。歯切れよくほろっと崩れ、なめらかな食感。
- 食物繊維を含んでいます。
寒天の使用上の注意点
- 果物や果汁、フルーツ缶詰など酸味のある食品を使用するものは寒天が完全に溶けてから火を止め、あら熱が取れてから入れてください。
- 砂糖、塩など調味料や牛乳で味付けする場合、水が沸騰(1~2分ほど)して寒天が完全に溶けてから加えてください。
お好みの固さに仕上げるための
お水と寒天の目安


粉末寒天
寒天液を乾燥させて粉末にしたものです。
ふやかす、裏ごしする手間がありません。お手軽で初心者の方におすすめです。
使い方
1
2
冷たい状態の水分に入れて混ぜ合わせてから火にかけて加熱しながら溶かしてください。

棒寒天(角寒天)
伝統的な製法で作られていて、風味が豊かです。
粉末寒天、糸寒天と比べると柔らかめの仕上がります。
使い方
1
2
3
たっぷりの水に浸して柔らかくなったら固く絞って小さくちぎりながら温めた水分に入れて溶かしてください。

糸寒天
粉末寒天、棒寒天(角寒天)と比べると、透明感があり、繊細な口あたりです。サラダやスープにも良いです。
使い方
1
2
3
たっぷりの水で洗い、そのまましばらく水に浸す。
柔らかくなったら固く絞って温めた水分に入れて溶かしてください。
糸寒天の形状のままサラダなどに使用する場合は水で柔らかくしたものを固く絞ってご使用ください。
おすすめの寒天
キットを使ってかんたんに作ろう
寒天を使ったレシピ
アガー・ゼラチン・寒天比較表・ポイント
アガー・ゼラチン・寒天比較表
アガー | ゼラチン | 寒天 | |
---|---|---|---|
原材料 | カラギーナン(海藻の抽出物)、ローカストビーンガム(マメ科の種子の抽出物)などを混合したゲル化剤 | 牛や豚の骨や皮に含まれるコラーゲン(タンパク質の一種) | テングサやオゴノリなどの海藻 |
食感 | やわらかくふるふる、なめらか | ぷるぷる、ふわふわ、口溶けがよい | 歯切れよくほろり |
色・透明度 | 無色透明 | 透明感のある薄い黄色 | 白濁 |
相性のよい レシピ |
ゼリー、プリン、水ようかん | ゼリー、プリン、ムース、ババロア、マシュマロ | 水ようかん、杏仁豆腐、ところてん |
凝固環境 | 常温 | 冷蔵 | 常温 |
溶ける温度 | 90℃以上 | 50~60℃ | 90℃以上 |
固まる温度 | 30~40℃※常温で固まる | 20℃以下※冷蔵庫で冷やし固める | 40~50℃※常温で固まる |
固まった後の 溶ける温度 |
60℃以上※常温でも溶けない | 25℃以上※夏場は常温でも溶ける | 70℃以上※常温でも溶けない |
使用量の目安(液体100mlに対して) | 1~2% | 1~3% (型抜きの場合1.5倍)※商品により異なります。 |
ようかんの場合:3~5% |
型からきれいに抜くポイント
アガー・寒天で固めた後の外し方
型にくっついている箇所をスプーンなどで表面を軽く押す。
外れたら一部にスプーンの柄など深く差し込み、そのまま皿の上でひっくり返して外す。
ゼラチンで固め後の外し方
40℃程度のお湯に型の側を5秒ほどつけ、皿の上でひっくり返して外す。