こんにちは。富澤商店クオカスタジオで洋菓子講師をしている舘野です。
今回のテーマは「ナッツパウダー」。
アーモンドプードル以外のナッツパウダーを使用したことはありますか?代表的な「アーモンドプードル」は皮付き・皮無しが選べ、くるみやピスタチオなど他のナッツパウダーもあります。
種類や効果、保存方法などを詳しくご紹介しますので、ナッツパウダーのことを深く知って、お菓子作りをワンランクアップさせてみましょう♪
アーモンドプードルとは?〇〇プードルって何?
アーモンドプードルとは、アーモンドを粉砕して粉末状にしたものです。
プードルはフランス語で「粉」という意味。
日本語にすると「アーモンド粉」、アーモンドを粉末状にしたものです。「アーモンドパウダー」という英語表記もよく見かけます。
タルトの土台となるアーモンドクリーム=クレームダマンドや、焼き菓子の生地の練り込み、粉砂糖と合わせてマジパン作りにも使われます。
どんな種類がある?
ナッツのパウダーにはたくさんの種類があります。
ナッツの種類で言えば、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、くるみなど。
中でもアーモンドのパウダーが一番よく使われており、バリエーションに富んでいます。
クセがなく他の素材とも調和する皮無しタイプ、見た目にも味わいにも存在感が出てくる皮付きタイプ、特に香ばしさが際立ったローストタイプがあります。
おすすめ商品
アーモンドとピスタチオは産地も選べて、ベーシックなアメリカ産と、より芳醇な風味のヨーロッパ産があります。
イタリア・シシリー産のピスタチオパウダーはグリーンが鮮やかなのでプレゼント用のお菓子におすすめ。
アメリカ産は比較すると容量が多く気軽に使えます。こちらでも十分に風味豊かで美味しいお菓子に仕上がりますので、使う量や用途に合わせて選んでみてください。
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なぜ使うの?
ナッツパウダーを使う理由は風味、食感、見た目などたくさんあります。効果を活かしたおすすめのレシピと共にご紹介していきます。
リッチな風味、香ばしい風味に
焼き菓子に練り込むと「コク」「ナッツの風味」が出て、小麦粉だけのお菓子には出せない芳醇な風味が出ます。特にヨーロッパでは古くからお菓子作りに重宝され、伝統菓子には欠かせません。
皮付きタイプを使うと風味に力強さが加わり、ローストタイプでは香ばしさが強調されます。
しっとりした生地に
ナッツパウダーは油脂分が豊富なことから、生地がしっとりと仕上がります。
焼き菓子は水分が多ければしっとり感は出ますが、日持ちが短かったり、オーブンで焼けにくく食感が悪くなることもあります。
含有量にもよりますが、ナッツパウダーを使うと歯切れ良くソフトなしっとり感を長く楽しめます。
ホロッとした食感に
小麦粉と違ってグルテンを含まないので、ホロっと崩れるような食感に仕上がります。
含有量にもよりますが、油脂分があるのでホロっとしつつもソフトに仕上がりやすく、柔らかなクリームやフルーツとも口の中で調和しやすくなります。
見た目に変化を
ナッツパウダーの中でも皮付きのもの、色の鮮やかなピスタチオパウダーは生地に混ぜたときに存在感・高級感がぐんと高まるので、ギフトにぴったりです。
多様なお菓子作りに
ナッツパウダーはグルテンを含まないので、グルテンフリーのお菓子に使われることも。また、プラントベース(植物性)のお菓子は風味がさっぱりとしやすいので、ナッツを加えることがあります。
代用はできる?
ナッツパウダーの種類の変更は、風味や見た目は変わるものの、形状や食感はあまり問題なく仕上がる場合が多いと思います。
皮付きのタイプ(アーモンド、くるみ、ヘーゼルナッツ)は風味が力強く、皮特有の渋みも多少感じますので、含有量が多いレシピは少し注意してみてください。
また、ローストタイプは吸水量などが異なり生地の状態が変わる場合があるので、こちらも注意が必要です。
ナッツパウダーを別の材料で代用したい場合は、小麦粉など粉状の材料に置き換えることになります。しかし、あまりオススメはできません。先にご紹介した効果がなくなり、全く別のお菓子になってしまったり、場合によっては形にならない場合があります。
保存方法は?
ナッツパウダーは脂質を多く含み、粉状で空気に触れる面積が多い為、酸化・劣化に注意したい食品です。風味も変わりやすいので保存方法に注意しておいしさをキープしましょう。
開封前は直射日光に当たらない場所で高温・多湿を避ける。開封後は密封して冷蔵庫に保存するのがおすすめです。
私は、季節やスペースに応じて冷蔵庫や野菜室に入れたり、冬場は暖房・日光の届かない部屋に保存することもあります。
できるだけ使う見通しの立つ量だけを購入していますが、多めに購入した時は、半量ほどを密封して冷凍庫に入れておくこともあります。
生活に合った、ナッツパウダーの購入・保存方法を見つけてみてくださいね。
いかがでしたか?ナッツパウダーはお菓子の基本材料の中では比較的高価なものですが、入れた時の効果もその分大きなもので、洋菓子には欠かせない存在です。
入れることでどんな効果を生んでいるのかを知り、保存方法にも気をつけて、色々な種類のナッツパウダーを使って、お菓子作りをより一層楽しんでみてくださいね。
コラム執筆:舘野真里さん
製菓学校を卒業後、食品メーカーでの企画開発を経て、富澤商店×クオカスタジオをはじめ各地で洋菓子講師・レシピ開発をしています。