全粒粉事典 よくわかる!種類ごとの特徴&選び方

全粒粉事典
よくわかる!種類ごとの
特徴&選び方

小麦のおいしさ、食感をまるごと楽しめる全粒粉。
風味豊かで香ばしい全粒粉のパンやお菓子は、ヘルシーなイメージで人気上昇中です。
製品ごとの違いを知って、作りたいパンやお菓子にぴったりの素材を選びましょう。

全粒粉とは?

「全粒粉(ぜんりゅうふん)」とは、小麦の粒をまるごと挽いて粉にしたもの。

小麦の粒は大きく分けて、「胚乳」「外皮(ふすま)」「胚芽」で構成されています。小麦粒全体のうち、約84%が「胚乳」、約13.5%が外皮、約2.5%が胚芽です。通常の小麦粉(「強力粉」「薄力粉」といったもの)は「胚乳」の部分しか使わないのに対して、「外皮(ふすま)」や「胚芽」の部分も合わせた粉を「全粒粉」と言います。

粉の色はやや茶褐色で、パンや菓子に配合することで香ばしい独特の香りや味わいの深さを楽しめます。「外皮(ふすま)」にはミネラルや食物繊維が、「胚芽」にはミネラル、ビタミンB群、食物繊維が豊富に含まれており、食生活のバランスを整えたい健康志向の方に注目されています。

全粒粉比較表

富澤商店の全粒粉は10種類以上!どうやって選んだらいいかわからない、
という方のために比較表をご用意しました。
粒度(粒の細かさ)の差や、パン・お菓子向けなどで比べると違いがわかりやすくなります。

全粒粉の選び方/
おすすめレシピ

ひとくちに「全粒粉」と言っても、その食感や特性はさまざま。
メーカーによってそれぞれ特徴ある製品が作られています。この事典では大きく
「食感(粒度)の違い」「小麦の産地/品種の違い」「原料の違い」に注目して、ご紹介したいと思います。

食感(粒度の)違いで選ぶ

全粒粉は挽き方によって粒度が異なります。この粒度の違いがパンやお菓子に用いたときの食感の違いに繋がります。
粗く挽いたものはザクザクとした食感、細かく挽いたものほどなめらかな食感に仕上がるので、目指す食感に合わせたものを選ぶのがおすすめです。

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小麦の産地/品種の違いで選ぶ

富澤商店で人気の小麦粉(強力粉、薄力粉)と同様に、全粒粉でも産地や品種をお好みでお選びいただけます。
お使いになる小麦粉と組み合わせを揃えていただくのがおすすめです。全粒粉比較表も参考にしてお選びください。

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原料の違いで選ぶ

一般に手に入りやすい全粒粉と言えば小麦粉を使用したものですが、富澤商店ではライ麦、もち麦、スペルト小麦といった特殊な原料の全粒粉も揃います。いずれも特徴のあるパンやお菓子作りに使用できる製品です。

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全粒粉に関するQ&A

01「小麦粉」と「全粒粉」の違いとは?
A

「小麦粉」はその名の通り、「小麦」の一部である「胚乳(はいにゅう)」を粉末にしたものです。
小麦の粒は大きく分けて、「胚乳」「胚芽(はいが)」「外皮(ふすまと呼ばれます)」で構成されています。
小麦粒全体のうち、約84%が「胚乳」、約13.5%が外皮、約2.5%が胚芽です。
通常の小麦粉(「強力粉」「薄力粉」といったもの)は「胚乳」の部分しか使わないのに対して、「胚芽」や「外皮(ふすま)」の部分も合わせてまるごと挽いた粉を「全粒粉」と言います。
「全粒粉」は外皮や胚芽を含む粒のすべてを挽いたものを指すので、小麦以外にもライ麦やもち麦といった別の原料の全粒粉もあります。
一般には小麦を原料とした「小麦全粒粉」がもっとも広く流通している「全粒粉」です。

02「ライ麦」と「全粒粉」の違いとは?
A

ベーカリーに並ぶパンを見比べると、「ライ麦パン」と「全粒粉のパン」はどちらも「ちょっと茶色っぽいパン」という印象で違いがわかりづらいかもしれません。
ですが、「ライ麦」と一般的な「小麦全粒粉」では、もともとの原料自体が「ライ麦」と「小麦」という違いがあります。
ライ麦は小麦に比べてグルテンが弱く、小麦のパンと比較して伸びが少ないために密度が高くなる傾向です。
またパンの内層の色味はややグレーがかった仕上がりになります。
全粒粉が入ったパンは強力粉のみで作るパンと比べるとやや膨らみが弱くなりますが、内層の色味はどちらかと言えば茶色っぽく仕上がります。
どちらも食物繊維が豊富で食べ応えがあり、健康志向の方に人気があります。ドライフルーツと相性がよいのもこの2つの共通点です。

03「胚芽」と「全粒粉」の違いとは?
A

Q1で解説した通り、小麦の粒は大きく分けて、「胚乳」「胚芽(はいが)」「外皮(ふすま)」で構成されています。
「全粒粉」は「胚芽」だけでなく「外皮(ふすま)」や「胚乳」もまるごと含む粉末を言います。
これに対して「胚芽」は小麦の芽にあたる部分のみを指します。小麦の成長を支える重要な部位であるだけに、栄養素が豊富に含まれています。
「胚芽」は製菓・製パン原料としてはローストしたものが流通しています。香ばしくプチプチ、ザクザクとした食感が特徴的で、ビスケットやクラッカーの原料として好まれます。

04「ふすま」と「全粒粉」の違いとは?
A

Q1で解説した通り、小麦の粒は大きく分けて、「胚乳」「胚芽(はいが)」「外皮(ふすま)」で構成されています。
「全粒粉」は「胚芽」だけでなく「外皮(ふすま)」や「胚乳」もまるごと含む粉末を言います。
これに対して「ふすま」は小麦の外皮にあたる部分のみを指します。
「ふすま」は「小麦ブラン」といった呼び名で表現されることもあり、食物繊維が豊富であるために手軽に取り入れられるシリアルなどにも加工されています。

05「グラハム」ってどういうもの?
A

グラハムも全粒粉の一種で、小麦まるごとのおいしさ、食感が楽しめる素材です。
1937年、アメリカのシルベスター・グラハム博士が、その栄養価に注目し、全粒粉の利用をすすめたことから「グラハム粉」と呼ばれるようになりました。
全粒粉と同じように扱われていますが、製法が異なります。
小麦粒を胚乳、表皮、胚芽に分けてから、胚乳は「小麦粉」と同じように細かく挽き、表皮や胚芽は粗く挽いて混ぜ合わせる製法を取ります。

06「石臼挽き」ってどういう製法?どんなメリットがあるの?
A

小麦粉は一般に、「ロール挽き」という製粉方法で製粉されています。大型のロールで圧をかけて小麦粒を粉砕していく大量生産に欠かせない製粉方法ですが、製粉時に小麦に(瞬間的には)80度を超える熱がかかります。

一方石臼挽きの場合、文字通り石臼を使用してゆっくりと小麦を挽いていくため、小麦に熱をかけずに(40〜50度程度)製粉することができます。このため小麦が本来もつ風味や味わいが損なわれず、味わい深い仕上がりになるのです。ただし少量ずつしか生産できないため、大量生産には向きません。

07全粒粉をはじめて使うときのポイント、注意事項は?
A

全粒粉を使うと多くの場合、小麦粉のみで作るお菓子やパンに比べて食感が重くなったりふくらみにくくなりがちです。
まずは1割程度を置き換えて使い始めてみて、そのあとは上限40%くらいを目安にお好みの味わい、食感になるまでお試しください。
各メーカーで原料や製法の異なるさまざまな全粒粉が作られていて、その「粒度」もさまざまです。
作りたいパンやお菓子のイメージに合わせてお選びいただければと思います。

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