手作りパンが翌日固くなる原因とは?ふわふわが続く方法|お悩み解決

パン作り

こんにちは。富澤商店・自由が丘スタジオの馬渡です。

焼きたてのパンっておいしいですよね。柔らかいパンはふわふわで、ハード系のパンは外はカリっと中身はしっとり。何個でも食べられる気がしちゃいます。私がパン屋さんを目指そうと思ったきっかけも、実は焼きたてのパンの味と香りが理由なんです。

焼きたてがとってもおいしいパンですが、1日経つと固くなったり、パサついたりしておいしさが半減・・・そんな残念な気持ちを経験したことのある方もいらっしゃいますよね。今回は、手作りパンが翌日固くなってしまう原因と、その解決方法をご紹介させていただきます。

パンが翌日固くなる主な原因&すぐにできる簡単な解決方法

改めて、パンが焼いた翌日には固くなってしまう一番の原因はなんなのでしょうか?

パンが翌日固くなる主な原因

パンが焼いた翌日には固くなる原因はいくつか考えられますが、「水分の飛散」が主な理由のひとつです。焼き上げたパンから水分が抜けて固くなることを「パンの老化」と呼びます。老化してパサパサになってしまったパンを食べると口の中の水分が奪われ、団子のようになり飲みこみづらくなりますよね。

「水分の飛散」を防ぐ解決方法

焼き上がったパンの粗熱が取れたら、そのまま放置したり紙袋に入れっぱなしにするのはNG。ビニール袋に入れたり、ラップで覆ったりして、なるべく外気と触れさせない工夫をしましょう。密封することで、水分の飛散を少し防ぐことができ、パンがパサつきづらくなります。

パンを保存する場合、冷凍するのも効果的です。すぐに食べ切ることができない冷凍可能なパンは、リベイクしやすい大きさにカットした後、密着ラップをして冷凍するようにしましょう。

焼いた翌日でも固くならないパンを作るには?

パン屋さんで買ってきたパンに比べて、自分で作ったパンは特に老化しやすい(翌日固くなりやすい)ように感じませんか?


焼き上げたパンが翌日固くならない方法は最初にお伝えしましたが、実はそもそも老化しにくいパンを作るテクニックがあるのです!

プロフェッショナルのベーカリーでも、さまざまなテクニックを駆使して焼いた翌日でも柔らかいパンを提供してくれています。一例ですが、ご紹介していきますね。

解決方法①「保水性の高い材料」を多めに使う

「保水性の高い材料」とは、糖分、油分、卵などを指します。これらの材料は生地に保水性を与え、焼き上がったパンから水分の飛散を防いでくれます。みんな大好きな「生食パン」にはバターや生クリーム、砂糖や卵などがたっぷり使われているので焼いた翌日でも柔らかく食べられます。
逆にそれらの材料が入っていない「フランスパン」などは、焼いた翌日は固くなりやすい傾向にあります。

「保水性の高い材料」で作る、おすすめ生食パンレシピ

春よ恋(高加水用) で作る ミミまで柔らか生食パン(富澤商店)

生クリームやバターを贅沢に使用した、そのまま食べたい生食パンのレシピ!「春よ恋(高加水用)」を使っているのでもちもち、しっとり仕上がります。


中級レベル
所要時間:60分

水分が多く入ることで、モチっとした食感がより長持ちしておいしく召し上がれます。

解決方法② 「長時間発酵法」でパンを作る

パン作りは時間がかかります。それはお菓子作りや料理にはあまり出てこない「発酵」という時間が長いため。短い時間で発酵させるためにイーストを多めに入れて作るということもできますが、そのように作ったパンは老化が早くなります。
少ない酵母菌を使用して長時間発酵させるということは、当然それだけ長い時間、粉と水分が触れ合っているということになります。そうすることで粉がしっかり吸水し、焼き上がったパンから水分が飛散するのが遅くなるのです。

「長時間発酵法」で作る、おすすめのパンレシピ

冷蔵発酵で作る ソフトミルクフランス(富澤商店)

準強力粉と北海道産の強力粉を半分ずつ使用し、冷蔵庫でじっくり発酵させた生地を香ばしく焼き上げ、自家製の練乳クリームを挟んだパン屋さんでも大人気の定番お菓子パン。


中級レベル
所要時間:60分

基本のピザマルゲリータ(藤野 幸子 先生)

イタリアナポリのピザ。マルゲリータ。モッツァレッラ、トマトソース、バジルをのせて、高温で焼きます。生地は、こねずに冷蔵庫で1〜4日入れておき、好きな時に焼けるので、忙しい方でも気楽に作れます。


初級レベル
所要時間:30分

ゆっくり発酵させることにより、生地が熟成されておいしくなります。お好みでいろいろな具材をのせてお楽しみください。

解決方法③ 糖分や油分の多いパンは「焼き時間」に注意する

オーブンは、実は機種によって多少の誤差があります。レシピにある温度や焼き時間通りに焼いたのに、「焼けなかった」「焦げてしまった」というお声もたびたびお聞きします。メーカーや熱源などによってどうしても違いが出てしまうので、ある程度は調整が必要です。

さて、レシピにある【焼く温度】と【焼く時間】、みなさんはどちらを優先していますか?
パンの場合、私は【焼く時間】を優先することをおすすめします。

例えば「あんぱん」を、レシピ通りに200℃で10分焼いたら、少し焼きが足らなかったとします。そのままの温度で綺麗な色がつくまで焼いていたら、どんどん水分が抜けて固いパンになってしまいますよね。
この場合、次回同じレシピで焼くときには、設定温度を10~20℃上げて、レシピ通りの10分で焼けるように調整しましょう。特に糖分が多めに配合されている「菓子パン」や、油分が多めの「ブリオッシュ」などを焼く場合は注意が必要です。糖分や油分が多い場合、生地がダレないように少し水分を減らして作ることが多いので、そのぶん余計にパサつきやすくなるのです。

焼き時間に注意!リッチな配合の菓子パン&ブリオッシュレシピ

基本のクリームコロネ(富澤商店)

ふわふわの生地に自家製クリームをたっぷり絞った定番おやつパン!食感を楽しむために、焼き時間に注意して柔らかく焼き上げてくださいね。


中級レベル
所要時間:60分

基本のブリオッシュ(富澤商店)

卵とたっぷりのバターのみの水分で捏ね上げました。夏場はパンケースをよく冷やし、捏ねの間保冷剤等をパンケースの上に置いておくと生地温度が上がらず、生地もダレにくくなります。


中級レベル
所要時間:180分

解決方法④ 「中種」を使ったレシピでパンを作る

解決方法②の「長時間発酵法(冷蔵発酵)」の説明でお伝えした通り、発酵時間が長くなることでパンの老化を遅らせることができます。それは「中種法」で作ったパンにも言える現象です。
スーパーやコンビニのパンがふわふわなのも、この「中種法」を採用していることが理由の一つです。特に「液種法・ポーリッシュ法」という柔らかい中種のレシピは効果が高いので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

「中種法」を使って作るおすすめパンレシピ

クルミとイチジクのハードブレッド(富澤商店)

液種を使った生地にクルミとイチジクをたっぷりと練りこみました。噛むほどに味わいが広がります。


中級レベル
所要時間:60分

あんぱん(中種法)(完全感覚ベイカー さん)

甘いあんこと相性の良い菓子パン生地は、ふわふわで軽い食感を出すために中種法を使って作りました。イーストの使用量も抑えてあるので生地の香りもよく、時間が経ってもパサつきにくいのでプレゼントにも最適です。


初級レベル
所要時間:55分

いかがでしたか?
焼きたてパンを翌日でも柔らかく食べるための方法を、保存の仕方を見直す簡単なものと何種類かの作り方&テクニックでご紹介しました。真心込めて貴重な時間を使って一生懸命作ったパンは、なるべく長い間おいしく食べたいですよね。ポイントをおさえて、ぜひ長くおいしさを楽しめるパンを作ってください!

 

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