こんにちは! お菓子教室主催の熊谷裕子です。
今回は「ガナッシュの作り方のポイント」ついて詳しくご紹介します。バレンタイン前にしっかり予習してぜひ美味しいガナッシュを作ってみてくださいね。
ガナッシュとは?
「ガナッシュ」は主に生クリームとチョコレートを溶かし合わせ、なめらかに混ぜたものをさします。「ガナッシュ」の語源は「まぬけ」「のろま」。ちょっと酷い意味ですが、昔菓子屋の見習い職人が溶かしたチョコレートの上に生クリームをこぼしてしまい、それを親方が「こののろま(ganache)!」と怒鳴ったのが始まりだとか。でもなめらかに混ざったチョコレートと生クリームを食べてみたら美味しかった…ということです。
チョコレート(ビターやミルク、ホワイト)を使い分けたり、生クリームの代わりにフルーツピュレをプラスしたりすることでガナッシュにバリエーションが生まれ、レシピによってはバターで濃厚さを出したり、リキュールで香りをつけることもあります。
失敗しないガナッシュ作り方とポイント
ガナッシュ作りで乳化はとても大切なポイントになります。ではどうしたら失敗せず上手に出来るかをご紹介しましょう。まずは基本的なガナッシュの作り方です。
■材料
- スイートチョコレート(カカオ分65%) 60g
- ミルクチョコレート(カカオ分44%) 28g
- 生クリーム(36%) 52g
- グランマルニエなどのリキュール 4g
1.生クリームを軽く沸騰させる。細かく刻んだチョコレートに注ぎ、1分ほどおく。
2.泡だて器で中心からぐるぐると混ぜる。気泡が入らないように混ぜるように。真ん中から混ざってくる。
3.徐々に中心から外側に向かって大きく混ぜるようにし、全体が均等になるまで混ぜる。
4.乳化完了。つやともったりとした粘度が出てくる。レシピによりバターやリキュールを少量加える。
※配合は使用するお菓子によって変わります。これはガナッシュレシピの一例です。
ガナッシュを使ったおすすめレシピ
レンジを使う方法もご紹介します。
①刻んだチョコレートと生クリームを容器に入れ、レンジにかける。生クリームが一部プクプクッと沸騰し始めたら取り出す(チョコレートは高温に弱いので、レンジにかけすぎ注意)。
②以降の混ぜ方は上記と同じです。
ガナッシュと生チョコ・トリュフ・ボンボンショコラの違いとは?
よく生チョコやトリュフ、ボンボンショコラの違いは?そもそもガナッシュとの違いがわからないという方がいらっしゃいますが、これらは「ガナッシュを使って作るチョコレート菓子」となります。では改めて、それぞれの違いはなんでしょう。簡単にまとめると以下のようになります。
生チョコ
ガナッシュそのものを固めたもの。多くは四角にカットし、ココアパウダーや粉糖などをまぶして仕上げます。コーティングがないためすぐに風味が抜けやすく乾燥してしまうので、まさに「生」扱いで早めに食べ切るようにします。
トリュフ
球状にしたガナッシュをチョコレートでコーティングしたボンボンショコラのひとつ。中のガナッシュのなめらかさと外側のパリッとしたチョコレートの食感とのコントラストを楽しめます。名前の由来は、キノコの「トリュフ」を模した形に作られているから。
ボンボンショコラ
ひとくちサイズのチョコレートの総称です。主にガナッシュやクリーム、リキュールボンボンなどをチョコレートでコーティングしたものを指します。その代表的なひとつがトリュフです。
生チョコ・トリュフ・ボンボンショコラのおすすめレシピ
最後に
次のコラムではガナッシュ作りに欠かせない乳化と分離について詳しく解説していますのでぜひそちらもご覧くださいね。
コラム執筆:熊谷裕子(くまがいゆうこ)先生
葉山「サンルイ島」横浜「レジオン」世田谷「ル・パティシェ・タカギ」を経て、神奈川・中央林間でお菓子教室「クレーヴスイーツキッチン」主催。 文京区 にて「アトリエルカド」 も開講。著作に「デコレーションテクニック」「チョコレート菓子のテクニック」など多数。