こんにちは、富澤商店スタッフです。
今回のコラムでは「クロテッドクリーム」を2通りの方法で作り、食べ比べてみたことをご紹介したいと思います。
そもそもクロテッドクリームって?豆知識から簡単な作り方、おすすめの食べ方をご紹介していきます!
クロテッドクリームとは

クロテッドクリームは、脂肪分の高い牛乳を弱火でゆっくりと加熱し、表面に浮かんだ乳脂肪を取り出し、その乳脂肪分を練り上げて作られるクリームです。
「クロテッド」とは凝縮されたという意味しています。凝縮されたクリームということですね。
乳脂肪分は約60%前後で、バターと生クリームの中間くらいのクリームと思っていただくと想像がつくでしょうか。バターほど濃厚ではなく、生クリームよりもクリーミーな味わいを持ち、口に入れるとス~っと溶けるテクスチャーのクリームです。
今回は牛乳を加熱するよりも簡易にできる、生クリームを加熱してクロテッドクリームを作ってみました。
失敗しにくいよう、湯せんで加熱する方法と、オーブンを使って加熱する方法をとりました。
実際の作り方をご紹介します。
クロテッドクリームの作り方 ~生クリーム×湯せん式~
フレッシュクリーム45%・・・400ml
- 広い口の耐熱ガラスボウル(お湯が入らないよう、できるだけ深いもの)
- フライパン(お湯をたっぷり入れられるよう、少し深型のもの)
- スパチュラ
- フライパンでお湯を沸かす(沸騰させる)
- 耐熱のボウルに生クリームを入れる

1.生クリームを入れたボウルを湯せんで温める。
この時、お湯の温度は80℃~90℃の間で、ゆっくりと30分~1時間ほど温める。

表面に乳脂肪分が浮き出てきました。
お湯の温度が上がりすぎないよう、じっくりと加熱を続けます

30分ほど温めたのがこちら、表面に乳脂肪分の地割れが起こっていますね。
2.火を止め、湯せんにかけた状態でゆっくりと粗熱を取っていきます。
3.粗熱がしっかりと取れたことを確認し、ラップをしないで冷蔵庫で半日以上冷ましていきます。
ラップをしないことで、表層の乳脂肪分の層に水分が落ちることを防ぎます。
ゆっくり温め、ゆっくり冷ます。
こうすることで乳脂肪分の分離が穏やかに行われるため、仕上がりが滑らかになります。

1日冷やしたものがこちら
表面より下にも乳脂肪分の表層を感じとれます。

4.スパチュラなどで乳脂肪分の層を別の容器に取り出します。
取り出した乳脂肪分をつぶすように練ります。



ふんわりとしたテクスチャーになりました。
クロテッドクリームの完成です!
クロテッドクリームの作り方 ~生クリーム×オーブン加熱式~
フレッシュクリーム45%・・・400ml
- 広い口の耐熱ガラスボウル
- スパチュラ
- オーブンを一番低い設定温度で余熱する(おおよそ80~110℃)
- 耐熱のボウルに生クリームを入れる

1.余熱したオーブンに生クリームを入れたボウルを入れ、1時間程度加熱する。
大体の家庭用オーブンの最低温度は80~110℃なので、ご自宅のオーブンに合わせて低い温度でゆっくりと温めてください

1時間温めたものがこちら
湯せん式と大きく異なるのは、オーブンは送風もされるため、表面の乳脂肪分が乾いていますね。
2.粗熱がしっかりとれたことを確認し、こちらも冷蔵庫で半日~1日以上冷やします。

1日冷やしたものがこちら
湯せん式より加熱時間と温度が高くなったためか、浮き出た乳脂肪分がより多く、少し固めなことが分かります。

ここまでの工程の仕上がりの違い。
3.スパチュラなどで乳脂肪分を別の容器に取り出し、練ります。



湯せん式で作ったものよりバターのテクスチャーに近い仕上がりになりました。

仕上がりの違い
クロテッドクリーム作りにおすすめな生クリームはこちら
食べ比べてみた

シンプルなスコーンにフィリングし、食べ比べてみました!
湯せん式
ホイップクリームよりもったりとしていて、バターより軽くふんわりしたテクスチャーです。
スコーン特有のモソッとした感じがクロテッドクリームと一緒に食べることで、口の中でスコーンがほどけやすくなりました。
砂糖などを加えていないから味気ないかなと思っていましたが、後から生クリームの香りがして優しい甘さを感じられました。
オーブン加熱式
空気を含んだバターといったテクスチャーで、湯せん式よりもねっとりしていて、おやつよりおつまみ系のフィリングに向いている仕上がりになりました。
味わいはあっさりしたバター、といった感じで、スコーンと食べるのであればジャムやメイプルシロップとの相性がよいと感じました。

クロテッドクリームをより楽しめるレシピのご紹介
クロテッドクリームと相性のいいレシピを集めました♪スコーンはもちろん、他のお菓子や料理も合わせて作ってみてくださいね。
スコーンのレシピ
あんバターレシピのバターの代わりに
ふんわりとしたテクスチャーなので、バターより軽い食感を楽しめそうです。
生ハムやオリーブ、パストラミ、クラッカーなどのおつまみと一緒に
塩っ気の強い食材と合わせれば、クロテッドクリームがほどよくまろやかにしてくれそうです。食べ過ぎには注意ですね。相性のよさそうなおつまみレシピはこちら
オムレツやマッシュポテトに混ぜ込んで
洋風の料理との相性がいいクロテッドクリーム。お料理の材料の一つとして加えるだけで、いつもよりコクのある仕上がりになりますね。
~余った生クリームの使い道~
一度加熱してクロテッドクリームを取り残った生クリームもたくさんの使い道があります♪
もう一度加熱してクロテッドクリームを作るもよし、他の料理に使うもよしです。
一例を挙げますと…
クロテッドクリームを手作りしてお菓子・パン・お料理作りのお供に
いかがでしたか?材料は1つだけ、作り方も簡単なクロテッドクリーム。
スコーンのフィリングとしての使い道以外にも、いろいろなお料理とお召し上がりいただけますね。
是非手作りして、自分好みのテクスチャーや食べ方を発見してみてくださいね♪