レシピID 20250822172855
サワードゥとは、「酸っぱい生地」という意味。古くから生地のことを「タネ」ともいうので、日本では「サワー種」という方が馴染みがよいかもしれません。
粉と水のみから作る天然酵母の一つで、パンを膨らませるための原動力でもあり、独特の風味や爽やかな香りをプラスしてくれる調味料的な役割も果たす発酵種のこと。小麦粉で起こすサンフランシスコサワーもありますが、今回はライ麦粉のみで起こすサワードゥのご紹介です。使う粉は国産ライ麦全粒粉がお勧め。ほかのライ麦粉を使う場合でも全粒粉は発酵が早く、力強い酵母ができます。
完成までに4~7日かかりますし、順調なのか失敗なのか視覚や嗅覚で判断するので、ちょっと難易度は上がりますが、ポイントさえ押さえれば意外と簡単!あとは時間が作ってくれますよ。
ポイントは
①容器、器具などは清潔にし、雑菌を混入させないこと。
②適切な温度帯を維持すること。
③良質な菌は底部分にいるのでそれを培養すること。黒っぽくなった部分は捨てること。
容器は同じ大きさのものが二つあると便利です。あと必要なのは「気力」のみです!
※レシピや画像の無断転載、営利目的利用はご遠慮ください。
※終売商品が含まれている可能性がありますので、ご了承ください。
※アレルギーに関しましては、各自ご使用の材料の表記をご参照ください。
準備
・容器は500mlくらいの大きさの耐熱ガラス製が望ましい。
・ゴムベラ、容器を煮沸消毒しておく。
・温度計はその場の室温を計るために使用。
サワードゥ(サワー種)の起こし方<1回目> 1
【ライ麦粉50g+水50g】
保存容器にライ麦粉50gを入れ、水50gを加えたら、底の部分からしっかりと混ぜる。
2
ライ麦に水分をいきわたらせたら、側面についた粉を下に落とし、表面を平らにする。
3
横から見た時に生地の膨張具合が一目でわかるよう、テープなどで現在の高さに印をつけておくとよい。
27~30℃くらいの温度帯に24時間前後置く。
※冬場などはホームベーカリーの発酵機能やヨーグルトメーカーの発酵機能を使うとよい。
27℃~30℃ 23時間後
2倍以上の高さまで膨らんだ後、1cmほど種が沈むまで発酵させたら、1回目終了。大きな気泡がある。
※作る環境に滞在する浮遊菌の多さに比例するので1回目はそれほど膨らまないこともあるが、24時間を目安に次のステップへ進むとよい。
観察する
上部から見ると表面が乾燥して、ひび割れが確認できる。
臭いは干し草のような穀物臭がある。
<2回目> 1
【元種50g+水50g+ライ麦粉50g】
表面の黒っぽい部分は乾燥してしまっているので、取り除いて捨てる。判断が難しい場合は捨てること。底に近い内側の、気泡がたくさん含まれた部分の50gを「元種」とする。もう一つの容器へ元種を移す。
残った良質な種は捨てるにはもったいないので「2番種」として別の保存容器などで冷蔵庫野菜室に保管する。
※「2番種」の有効活用について今後紹介予定。
2
元種50gに水50gを加えて混ぜる。
たくさん泡が出るのは発酵している証拠。
3
②ライ麦粉を50gを加え混ぜ、1回目と同じ要領でよく混ぜる。側面についた粉を落とし、表面を平らにする。
4
現在の高さの位置に印をつけ直し、27~30℃くらいの温度帯で発酵させる。
6時間後
6時間後には、画像の高さぐらいまで発酵。
パン作りをよくしている環境下では発酵が早いが、熟成させたいので24時間置くのがベター。
24時間後
ピークから1cmほど種が沈むまで発酵させたら、2回目終了。3回目の元種となる。
大小の気泡がたくさんある。
観察する
上から見るとややドロッとした感じ。上部へ上がってきた気泡も見られる。
穀物臭が少し和らぐ。
<3回目> 1
【元種50g+水50g+ライ麦粉50g】
2回目と同様に表面の黒っぽい部分取りを除いて捨てる。判断が難しい場合は捨てること。内側はベージュっぽい色になっており、気泡がたくさん含まれた部分の50gを「元種」とする。
※余った良質な種は捨てるにはもったいないので「2番種」として別の保存容器などで冷蔵庫野菜室に保管する。
※画像は元種。
2
元種50gに水50gを加えて混ぜた後、ライ麦粉を50gを加え混ぜる。
これまでと同様に混ぜ、表面を平らにする。
24時間後
ピークから1cmほど種が沈むまで発酵させたら、3回目終了。4回目の元種となる。
更に多くの気泡が見受けられ、柔らかな酸臭がある。
<4回目> 1
【元種50g+水50g+ライ麦粉50g】
3回目と同様に表面の黒っぽい部分取りを除いて捨てる。判断が難しい場合は捨てること。内側はベージュっぽい色になっており、気泡がたくさん含まれた部分の50gを「元種」とする。
余った良質な種は捨てるにはもったいないので「捨て種」として別の保存容器などで冷蔵庫野菜室に保管する。画像は元種。
2
元種50gに水50gを加えて混ぜた後、ライ麦粉を50gを加え混ぜる。これまでと同様に混ぜ、表面を平らにする。
22時間後
ピークから1cmほど種が沈むまで発酵させたら完成。
※更に多くの気泡が見受けられ、前日よりも爽やかな酸臭となる。すぐにパン作りに使える。
完成の見極め
・今回は4回で完成としているが、発酵がうまくいかない場合も、培養を繰り返せば7日目くらいまでには徐々に発酵力が上がってくる。その後も適切な温度帯の中で繰り返すことによって乳酸菌が多く、発酵力も安定したサワー種ができる。
・完成後は冷蔵庫野菜室で保管する。3~4日保管できるが、低温保管が続くと酢酸菌が増えすぎて、セメダイン臭がすることもある。
・pH試験紙などあれば種をつけてみてpH5くらいであれば発酵力はピークとなっている。一般的にpH3.8が完成の目安といわれているが、酸味はパンの味に影響するので、ここでは発酵力を重視する。
その後
パン作りに100g使用したら、残りの種50gに水とライ麦粉を混ぜて発酵させ、サワー種を継いでいく。
冷蔵庫野菜室で1週間くらいは保存可能だが、その間、発酵力は日に日に落ち、酢酸菌が増えるので、復活させるために「リフレッシュ」を行う。
リフレッシュ方法
【元種50g+水50g+ライ麦粉50g】
元種50gに水50gを加えて混ぜた後、ライ麦粉を50gを加え混ぜる。これまでと同様に表面を平らにし、発酵させる。
高さがピークになり、1cm下がったところで完成となる。完成後は24時間待たなくて良い。画像は完成時の状態。
「2番種」の管理
2番種は冷蔵庫で保管しているうちに水が浮いてきたり、表面が黒っぽくなるので、使用する際は、表面を取り除き、内側のベージュ色の生地を使う。
低温保管から酢酸菌がかなり増えるので、酸味を加えたいパンに調味料的に入れてもよい。
※「2番種」の有効活用についてコラムにて紹介予定。
※作業時間のみ。発酵時間は含まない。
海野綾子先生 横浜「ミモザクッキング」主宰
1998年の開校当初よりパン講師を勤める。国産小麦のしっかりとした粉の旨味、酵母が醸し出す優しい味わい、
シンプルこそ感じることができる素材の美味しさに感動し、以降自然酵母や世界のパンを独学で研究。ル・コルドン・ブルー卒業。
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