ルブロ / ロブロとは?北欧で愛されるライ麦パンの魅力とスモーブロのレシピ紹介

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こんにちは!パン部門のレシピ著書を担当している海野綾子です。

2025年のトレンドパンとしても注目されている「ルブロ/ロブロ」をご存知ですか?
デンマークの伝統的国民食であり、デンマーク語で「ライ麦パン」を意味するパンのですが、では皆さんはライ麦パンというと、どんなイメージをお持ちでしょうか?

ボソボソしていて、酸っぱくて硬くて食べにくい…

もしこのような印象をお持ちでしたら是非ルブロを食べていただきたい!
ルブロを知れば、ライ麦パンのイメージも変わるはず。今回はそんなルブロの魅力をお伝えします。

ルブロ / ロブロとは?

ルブロ/ロブロ

ルブロとは、伝統的にはライ麦100%で作られるパンのことです。そのため発酵種もライ麦から起こすサワー種を使用します。
デンマークは寒冷地なので小麦栽培が難しく、ライ麦栽培が主軸であったからこそ、ライ麦パンを主食とするために、美味しく食べる工夫がなされてきました。

そんな中で生まれたルブロは、いまやデンマークの食卓に欠かせない国民食となっています。「ロブロ」と表記した方が発音に近いかもしれませんが、ここではあえて「ルブロ」と表記します。
ドイツの「プンパニッケル」とよく似た特徴を持ちますが、デンマークのルブロは1000年の歴史があるともいわれております。

なぜルブロは注目されているの?

ルブロの原料はライ麦粉。ライ麦粉といえば、前回のコラムでもご紹介しましたが、食物繊維、ビタミンB群、ミネラルが豊富に含まれている優秀食材でしたよね。

また、ミネラルや栄養素が体内に吸収するのを阻害するといわれている「フィチン酸」は発酵によって分解されますので、サワー種で作ったルブロは、まさに栄養価豊富なパンなのです。
そして豊富な食物繊維が腹持ちをよくし、食べ過ぎを防ぐ効果もありますし、血糖値の上昇をゆるやかにする効果もあります。
また、白い小麦粉で作ったパンに比べてルブロは低グルテンなのも注目される理由の一つです。

今注目の「ルブロ」を焼きましょう

さて、いよいよパン作りです。
ライ麦粉が30%くらいまでの配合であれば、ふんわり感のあるパンが焼けますが、それ以上の配合になると、膨らまない、つまり硬いパンとなってしまいます。
つまり、ライ麦の配合の高いパンは、一般的なパンとは違う製法で作らないと美味しくできません。

難しそう!と拒否反応を示されそうですが、実はその逆。
とても手軽で簡単なのです!!
道具も保存容器とゴムベラ、焼成に使う型があればOK!
生地作りは保存容器の中で材料を混ぜるだけ。捏ねる必要もなく、成型時も型へ移すだけなので作業スペースを確保したりする必要もないのです。

ライ麦配合率は約70%、こちらは伝統的なルブロではありませんが、サワー種を使用せず、もっと手軽にできるようにアレンジしました。
どうです?本当に簡単でしょ?
ここで使用している「フォルサワー」は、サワー種を粉末にしたもので、そのまま生地に加えるだけでライ麦特有の酸味と風味が増し、生地のベタつきを抑える効果が得られます。

まるでサワー種を加えたような、本格的な味わいのパンを焼いてみたい人には、お勧めの材料です。

▼フォルサワーを使ったおすすめレシピ

もっと本格的に!サワー種を使用した「ルブロ」を焼きましょう

レシピのアレンジでサワー種に置き換えたものをご紹介します。
サワー種の作り方は前編のコラムをご覧ください。

1.生地作り
材料を計量する。蓋付き保存容器にサワー種、蜂蜜、塩を入れる。

2.水を全て注ぎ入れ、蜂蜜、塩を溶かしながら、サワー種をほぐすようにして全体を混ぜ合わせる。

3.粉を全て入れて全体をよく混ぜ合わせる。

4.1次発酵
ゴムベラで特に底部分や側面をよく混ぜ合わせ、粉気がなくなるまで水分をいきわたらせたら、側面についた生地を落とし、表面を平らにして乾燥させないように蓋をして発酵させる。(室温27℃前後で約2時間+冷蔵庫野菜室で一晩)

5.発酵後

6.1次発酵終了
底面や側面に無数の気泡が出てくれば一次発酵完了。

7.成型準備
型の大きさに合わせてベーキングペーパーをカットし、型の内側に敷く。

8.成型
型に半量(1個約260g)ずつ入れて、平らにならす。

9.二次発酵
乾燥させないように発酵させる。(28℃前後で約60分)型の高さより1cm下くらいまで上がってくれば良い。

10.焼成
バットなどにタルトストーンを入れ、バットと天板を190℃に予熱する。バットへ1カップの熱湯を注いで蒸気を作り、170℃に下げて60分焼成する。予熱で10分ほど放置する。

11.焼成後
型から外し(ペーパーは外しても外さなくてもOK)、布巾などに包んだ状態で、完全に冷ます。

サワー種を作る手間はありますが、工程は同様にシンプルなので、是非チャレンジして欲しいです。こちらもライ麦100%ではないのでモダンタイプとなりますが、いずれ100%のルブロをご紹介予定です。

美味しく食べるには?

一般的なパンは、焼き立てで粗熱がとれたくらいに食べると格別ですが、ルブロは中の水分が非常に多いため、無理に切ろうとすると団子のようにボロボロなってしまいます。そのため焼いた翌日以降が食べ頃となります。
またルブロは食パンのようにふんわりとした食感ではないため、厚く切ってしまうとやはり食べにくさを感じます。理想は1cm以内の薄切りがお勧め。つまり一般的なパンの食べ方とは随分と違うということですね。

ルブロは焼成後も熟成を続け、3~4日くらいは美味しくいただけます。
フレッシュなうちはバターを塗るだけでも美味しく、水分が抜けてきたら、それを補うようにサワークリームやタルタルソースなどを塗ってサーモンや野菜などをのせていただく「スモーブロ」に仕立てて食べるのがデンマーク流。
またフライパンで表面をカリカリに焼いてディップなどをつけておつまみ感覚で食べるのも美味しいです。
日持ちの良いルブロですが、湿度の多い日本ではカビが生えやすいので、食べきれない分は新鮮なうちに冷凍保存しておくことをお勧めします。

スモーブロとは?食事としてのルブロの楽しみ方

デンマークの伝統料理の一つで、スモーはバター、ブローはパンを意味し、バターを塗ったパンということになります。
シンプルにバターを一塗りしたルブロがスモーブロの起源なのですね。
デンマークではその上に、卵や海老、サーモン、野菜などをのせてオープンサンドにし、ナイフ、フォークでいただくのが一般的です。
ルブロを美味しく食べるために、スモーブロは今も尚、進化し続けているようです。

簡単なスモーブロの作り方

全てのスモーブロに共通する材料
  • ルブロ 5mmスライス数枚
  • ベビーリーフなどの葉野菜、ナッツ類

<サーモンのスモーブロ>

サーモンのスモーブロ
材料
  • サワークリーム・・・適量
  • スモークサーモン・・・4枚
  • レモン・・・1個
  • ケイパー・・・少々
  • ディル・・・少々
  • ピンクペッパー・・・少々

作り方

  1. ルブロにサワークリームを塗る。
  2. 葉野菜とスモークサーモンをのせ、ケイパー、レモンのカット、ピンクペッパー、ディルを散らす。
  3. 食べる直前にレモンを軽く絞る。

<海老のスモーブロ>

海老のスモーブロ
材料
  • マヨネーズ・・・大さじ1
  • サワークリーム・・・大さじ1
  • 玉ねぎ(みじん切り)・・・適量
  • ディル・・・少々
  • むき海老・・・100g
  • キャロットラペ(別途レシピ参照)
  • セルフィーユ・・・少々

作り方

  1. マヨネーズとサワークリームを同量ずつ混ぜ合わせ、玉ねぎの刻みとディルの刻みを適量加えて混ぜたものを粗く刻んだむき海老と和える。
  2. ルブロに葉野菜、キャロットラペを敷き、①をのせて、セルフィーユをのせる。

<卵とアボカドのスモーブロ>

アボカドのスモーブロ
材料
  • 濃厚タルタルソース(別途レシピ参照)
  • アボカド 薄切り・・・適量
  • ゆで卵 輪切り・・・1個
  • プチトマト、ナッツ類・・・適量
  1. ルブロにタルタルソースをのせ、薄切りしたアボカド、ゆで卵、プチトマトをのせる。
  2. ナッツを散らす。

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もっと手軽にルブロを楽しもう

5mmくらいの薄切りにし、そのままでも美味しいのですが、フライパンでカリッと焼いてみるとラスクのような食感が香ばしく美味しいです。
最近ハマっているのは、有塩バターを一塗りし、発酵あんこをつけた餡バター。バターがパンの酸味をマイルドにし、とっても美味しいんです!
また、かぼちゃやさつまいもの発酵あんこともよく合いますよ。酒粕フルーツバターをのせても良いですね。
また、混ぜるだけで簡単 本格ライ麦パン 赤い果実とナッツとチョコのルブロのように、中にナッツやドライフルーツなどたくさん混ぜ込めば、何もつけずにそれだけで美味しいルブロになりますよ。

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さいごに

スモーブロ

ルブロの魅力、感じていただけたでしょうか。
コラム執筆にあたり、サワー種がいつでも冷蔵庫にある生活が実現し、なによりお腹の調子が改善されたような気がしてます。
一旦ルーティンができてしまえば、特別なことではなく、日常の中に取り入れやすいので、
是非チャレンジしてみてください。
今後もサワー種を使ったレシピをたくさんご紹介していきたいと思っておりますので、レシピがアップされたらチェックしてくださいね。

コラム執筆:海野 綾子 先生

海野 綾子 先生
海野 綾子 先生

海野綾子先生 横浜「ミモザクッキング」主宰
1998年の開校当初よりパン講師を勤める。国産小麦のしっかりとした粉の旨味、酵母が醸し出す優しい味わい、
シンプルこそ感じることができる素材の美味しさに感動し、以降自然酵母や世界のパンを独学で研究。ル・コルドン・ブルー卒業。

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