寒仕込みとは?おいしい手作り味噌のコツとアレンジレシピ3選

その他

こんにちは。
今日はまさに寒いこの時期に最適の寒仕込みの手作り味噌についてご紹介したいと思います。
最近はおうちで自家製のお味噌を作る方もだいぶ増えてきましたよね。特にコロナ禍になりおうち時間を過ごすことが長くなり、挑戦する方も以前よりさらに増えたように感じます。

富澤商店には毎年必ず、この時期になるとお味噌を仕込むために材料を何年もリピートして購入してくださるお客様も多くいらっしゃいます。そういったお客様にとってお味噌を仕込むことは、恒例の季節行事でもあり、その年の大豆の出来を感じ取ったり、秋口に完成するお味噌を楽しみに待つという生活の一部となっているのではないでしょうか。

先日公開された味噌の特集ページ ではそんなお1人でもあり、発酵のプロでもあるベッカライ徳多朗の徳永久美子さんに美味しい自家製味噌の作り方を詳しく教えていただきました。ぜひそちらもご覧くださいね。

寒仕込み味噌とは?

寒仕込み味噌とは、一般的に1月頃~2月頃までの「寒」の時期に仕込む味噌のことをいいます。寒い時期に仕込むことでゆっくりと無理なく発酵、熟成がすすみ、美味しいお味噌を作ることができると言われています。
とは言え、もちろんお味噌はこの時期だけではなく、1年を通して仕込むことができます。
では、なぜ寒仕込みが良いとされているのでしょうか。改めて詳しく見ていきましょう。

なぜ寒仕込みがおすすめ?

1.ゆっくりと発酵・熟成がすすむ

時間をかけてゆっくりと無理なく発酵させてつくられるお味噌は麹の甘さが引き立ち格別です。
暑い時期は発酵が早くすすむとも言えますが麹や大豆が熟成できるよう時間をかけて作るとより深みが増した美味しいお味噌が完成します。

2.雑菌が少ない

寒いこの期間は空気中の雑菌が繁殖しにくいため味噌仕込みに適していると言われています。
(納豆菌には気を付けましょう)

3.材料の鮮度

主な材料となる、大豆や糀(お米)は秋に収穫されます。大豆の新豆が出てくる冬頃に仕込むのがおすすめです。大豆は乾燥させて出荷されますが収獲して間もない新豆はひね豆よりも水分量が多くやわらかく煮るのにもおすすめです。お豆を柔らかく煮ることはお味噌づくりの大切なポイントでもあります。

富澤商店のおすすめ大豆、米麹、麦麹はこちら

北海道産の大豆の収穫 -畑の視察-

実は今回、徳永久美子さんに寒仕込みのお味噌づくりにご協力いただいたのにはきっかけがありました。

富澤商店とベッカライ徳多朗さんのお付き合いは30年以上。徳永さんが学生時代からお店に通ってくださったご縁もあり、お店のオープン以来、富澤商店から卸のお客様としても材料をお持ちしています。小麦粉などのパン材料はもちろん、徳多朗さんのあんぱんに欠かせない自家製のあんこのための北海道産小豆も長年使っていただいています。

そんな徳永さんはじめ徳多朗スタッフの皆さんと、昨年秋に北海道視察へ!
北海道産の小麦やお豆、農作物などの畑を現地で農家さんにお話しをうかがいながら見せていただきました。江別市から十勝へ、畑や製粉工場などをまわりながら直接生産者さんや工場の方のお話をきくことで原料への知識が深まり、国産材料が扱えることへの感謝の気持ちも改めて実感しました。

大豆畑の様子(2022年9月末頃)
※画像は小粒品種の「ゆきしずか」
納豆などによく使われる小粒大豆。
ゆきしずかの大豆粒
22年産新豆の小豆
粒がそろって艶がある
落花生の畑

大豆や小豆は5月中旬から下旬に種をまき、9月末頃に収獲されます。
収穫後に水分量を調整され大豆は約14%程度で出荷されてきます。日が経つにつれお豆の中の水分量は減りより乾燥したお豆になるのですね。

生産者の農家の方たちから大切に育ててきた大豆の収穫時期に貴重なお話をきくことができました。
こうして秋に収穫したばかりの新豆やお米を使って作る寒仕込み味噌は日本の風土にもあっていて守っていきたい食文化だなと改めて感じますね。

おいしい味噌の作りコツとは?

材料は3つだけ!

お味噌の材料はとってもシンプル、大豆、麹、塩のたった3つです。材料も少なく、工程も簡単。
ポイントは「大豆をたっぷりの水に浸して戻し、柔らかく煮ること。」大豆をやわらかくふっくら煮ることでなめらかなお味噌に仕上がります。
大豆の戻し方は、水で時間をかけて戻すのが一般的ですが、急いでる場合などは熱湯を使って時短で戻すことも可能です。お鍋に大豆と熱湯を入れ、蓋をして約1時間半、お豆がピンと張って大きくなればOKです。ふっくら戻ったら大豆が柔らかくなるまで煮ましょう。圧力鍋を使えばさらに時短になりますよ。
柔らかさとしては、親指と小指(1番力が入りにくい状態)でも簡単にお豆が潰れるくらいのイメージを目安にしましょう。
詳しい作り方は徳永さんのレシピ「北海道産大豆でつくる 基本の手作り味噌」のレシピページをご覧くださいね。

大豆がピンと張って2倍~3倍になる)
親指と小指でも簡単に潰れます

塩切こうじと潰した大豆をよく合わせたら味噌玉を作り空気が入らないよう隙間なく保存容器に詰めます。最後に塩を振ってから落としラップをし、その上から重石がわりにビニール袋入れたお塩を詰めて封をし半年~陽の当たらない涼しい場所で寝かせます。

徳永さんの素敵なご自宅には少しずつ仕込まれたいろいろなお豆で作ったお味噌がたくさん!保存瓶にはマスキングテープで日付と仕込んだお豆などが記されています。
かわいいナプキンで包むのもとても可愛いですね。「自分のお気に入りのナプキンを使ったりすることで気分が上がるでしょ。ちょっとした工夫でお料理っていくらでも楽しくなると思うの。」というお話もとても徳永さんの人柄が伝わってきて印象的でした。

自家製味噌を使ったアレンジレシピ

せっかく自家製でおいしいお味噌を作るならそれを使ったアレンジレシピも知りたいですよね。自分で作るお味噌って愛着もわくし出来上がったらそれをどうやって使おうかな?っていう楽しみもでてくると言う徳永さんに、今回はアレンジレシピも一緒に教えていただきました。

もう1品簡単なアレンジも教えていただきました。右の画像は、自家製の白味噌をホイップしたクリームチーズと合わせたディップ。徳多朗さんのロデブにたっぷりつけて食べるのもおすすめなんだとか。
お味噌作りは本当に材料も工程もシンプルです。徳永さんのおすすめは、初心者の方には特に、少量で気負わずに食べきれる量を仕込んで作ることだそう。圧力鍋やフードプロセッサーもあれば、さらに時短で簡単に仕込むこともできますし、特別なことと思わず四季を楽しめるといいですね。
日差しの入る素敵なキッチンでテキパキ作業をこなす徳永さんはにお味噌作りのポイントと、作ることを楽しむコツをたくさんお話いただきました。
今年はぜひ皆さんも、寒仕込みで自家製のおいしいお味噌作ってみませんか?

白味噌とクリームチーズのディップ

その他おすすめ商品

シェフ紹介:徳永 久美子さん

この著者のレシピ一覧
修行先の青山アンデルセンで知り合った夫と共に平成2年(1990年)たまプラーザに小さな店を構え、以来30年以上にわたり、地元で大人気店を続けている。富澤商店には学生時代から今でも通い続け、お店の開業当時からは卸の取引をスタート。
今も尚、日々現場に立つことを大切にしながら「パンを楽しむ生活」(主婦と生活社)をはじめとする、4冊の人気書籍を出版。
徳永さんの思いがつまった「おいしいおはなし料理Note」は春夏秋冬の4回発行されており、店頭またはInstagramから申し込みが可能。

こちらもあわせてご覧ください。

基本の味噌の作り方|はじめてでも失敗しない!