日本でも人気 パネトーネとは?| イースト使用のレシピを丁寧に解説

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こんにちは!オフィシャルクリエイターのけいちょんです。
年末が近づくと、大掃除や新年を迎える準備などバタバタ忙しなくなりますね。そんな中、子供達にとっても大人にとっても大イベント「クリスマス」がやってきます。チキンやクリスマスケーキはもはや日本のクリスマスの定番ですが、近年注目されている「パネトーネ(パネットーネ)」をご存知ですか?
今回はこの「パネトーネ」についてご紹介したいと思います。

イタリアの伝統的な大型発酵菓子、日本のお餅と意外な共通点も?

パネトーネ

パネトーネ( パネットーネ / panettone )とは、クリスマスを祝うイタリアの伝統的な大型の発酵菓子です。
パネトーネ種を用いて発酵させて作られるパンで、一般的にブリオッシュをよりリッチにした生地にドライフルーツを混ぜ込んで焼き上げられます。甘く柔らかで、しっとりした口溶けの良さが特徴です。卵の乳化作用や蜂蜜の保湿性などが独特のしっとり感を生み出しています。
また保存期間が長いのも特徴で、イタリアでは手作りのもので1か月、メーカー品の場合は賞味期限が3か月前後にもなります。
これは砂糖などの糖類とバターや卵黄が多く使われることで水分活性が低くなり元種の作用でpH値が下がり生地が酸性になるため雑菌が繁殖しにくいことにも起因しています。
また、同じような大型の発酵菓子に「パンドーロ(pandoro)」があります。こちらは八角形の独特な型で焼き上げられること、パネトーネはミラノ発祥であるのに対しパンドーロはヴェローナが発祥という違いもあります。
元々はクリスマス前の4週間に各家庭で焼かれ、近しい人に配る習慣があったそうですが最近では販売されているものを購入する方が多く11月に入るとイタリアでは菓子店やスーパーマーケットなどのショーウィンドウにパネトーネがディスプレイされるそう。

日本でも昔は年末にはお餅をついて新年を迎える準備をしていましたが、最近では買って済ませる家庭が多くなっている所がなんだかちょっと似てるなと思ってしまいました。
パネトーネは朝食やデザートなど様々な時に楽しまれるお菓子で、そんなところもお餅みたいだな、、、と感じるのはきっと私だけではないはず!


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パネトーネの元種?

パネトーネを作るときに使う発酵種にリエヴィト・マードレと呼ばれるものがあります。これは、自家培養した発酵種を何度も強力粉と水を加えてリフレッシュさせ強い発酵力を持たせたものです。温度管理など、環境を整え何日も手間をかけて作られるリエヴィト・マードレは一般家庭で作ったり管理するのはなかなか難しく、私の周りでも富澤商店でも販売されているパネトーネ種パウダーなどを使って作る方が多い印象です。

私も、今年はイーストを使って作るパネトーネのレシピを作りました。
なるべく手間を省き、できるだけ簡単に作れるようにしたレシピなので、ぜひ作ってみてください。

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チョコとオレンジのパネトーネの材料

本捏ね

準備

オレンジピールにグランマルニエ(またはお好みのリキュール)を合わせて半日ほど置いておきます。

1 中種

中種の材料を計量します。バター・卵・牛乳は冷たいまま使用します。

2
強力粉・上白糖・パネトーネ種パウダーをボウルで合わせてホイッパーで撹拌します。

3
イーストは分量内の水を少量(大さじ1ほど)使い溶かします。

4
卵黄は残りの分量の水と合わせて溶きます。

5
バターは指先で叩き、温度をなるべく上げずに柔らかくします。

6
パンケースに中種の材料を全て入れます。

7
速さ調節ができる機械の場合は低速でしっかりグルテンが繋がるまで捏ねます。

8
伸びのいいグルテン膜ができたら捏ね上がりです。

9 中種発酵
丸めてボウルに入れ、ラップをかけて乾燥しないように室温(約25度)で2時間ほど発酵させます。

10
中種が約2倍の大きさになったら次の工程に進みます。室温や捏ね上げ温度が低い場合は発酵時間は長く、逆に温度が高い場合は発酵時間が短くなります。

11 本捏ね
本捏ねの材料を計量します。本捏ねも卵黄・バターは冷たいまま使用します。砂糖にバニラオイルを4滴ほど合わせておきます。

12 フィリングの準備

オレンジピールは水気を拭き取ります。チョコレートは計量し、粒が大きいものを使用する場合は1cm角程度に砕いて使用してください。

13
10の発酵が終わった中種を台に取り出します。本捏ねの砂糖と強力粉を合わせてカードで切るように混ぜ込んでいきます。

14
粉っぽさがなくなってきたら、パンケースに移して捏ね始めます。

15
粉が馴染んだら卵黄を4回に分けて少しずつ加えて捏ねます。粉が残った状態で卵黄を加えるとダマになるので注意してください。

16
卵黄を全て加えてから塩と蜂蜜を加えます。塩と蜂蜜を加えたことで一旦生地がほぐれますのでここからゆっくり(できれば低速で)10分ほどじっくり捏ねます。

17
グルテンが繋がったらバターを3〜4回に分けて加えます。この時も、冷たいバターを指先で叩いて冷たいまま柔らかくして加えていきます。冷たい塊のまま加えるとバターが生地に入っていかず粒で残ってしまう恐れがあるので注意してください。

18
バターを全て加えたらしっかりグルテンが繋がるまで捏ねます。

19
よく伸び滑らかで艶のあるグルテンができてから12で準備したフィリングを加えて捏ね上げます。捏ね時間は本捏ねの工程で25分ほどかかります。

20
台に取り出して叩き捏ねをする要領で丸めます。柔らかい生地なので手早く丸め、もし手にくっつきそうな場合はバターを手に薄く塗ると扱いやすくなります。

21
2000mlほどの容量のタッパーかボウルに生地を移します。蓋またはラップをかけて30分室温で休ませます。

22
生地を3〜4回折りたたみパンチを入れて同じように30分休ませます。パンチは新しい空気を生地に取り込み、グルテン1を強くする意味もあります。

23
同じように2回目のパンチを入れた後、生地の大きさを確認しておきましょう。

24
そのまま室温(24度程度)に置き、約2倍に膨らんだら冷蔵庫に入れて10〜15時間ほど発酵させます。

25
冷蔵庫発酵完了は、2回目のパンチ終了の時から約3倍の大きさになります。

26
冷蔵庫から生地を取り出し、生地温度が20度程度に戻るまで約1〜1.5時間復温します。

27
粉を振った台に生地を取り出して二等分にします。くっつきやすい場合はカードにも粉をつけると扱いやすいです。

28
生地のガスはあまり抜きすぎないように注意しながら丸めます。そのままラップや濡れ布巾はかけずに5分程度休ませます。

29
もう一度丸直したらパネトーネカップに入れます。ベタついて丸めにくい場合は手にバターを薄く塗るといいです。

30
二次発酵に入ります。そのまま室温で1時間ほど取りましょう。少し表面を乾燥させることでうまくクープが入り、焼いた時に綺麗な窯伸びになります。

31

二次発酵中にトッピング用のバターを細長く、各1gで8本準備して冷やしておきます。

32

発酵完了は型の6割程度です。発酵させすぎに注意してください。発酵させすぎると焼いた時に型から溢れることがあります。発酵完了に合わせてオーブンを180度に予熱しておきます。

33

ハサミでトップに十字に切り込みを入れます。クープナイフではクープが入りにくいのでハサミがベストです。その切り込みに沿ってバターを乗せます。

34
180度のオーブンで5分、その後170度に下げて25分(合計30分)焼いて完成です。

今年のクリスマスを祝うレパートリーに

いかがでしたか?
今回は、近年日本でも人気のパネトーネについてご紹介しました。
お店で買って楽しんだり、家庭でパネトーネ作りに挑戦したり、ぜひ今年のクリスマスはチキンとクリスマスケーキにプラスしてパネトーネも楽しんでみてくださいね!
またクリスマスレシピにはシュトーレンもありますので、こちらもぜひお試しください。
けいちょん。

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コラム執筆:けいちょんさん

けいちょんさん
けいちょんさん

イーストだけでなく数種類の自家製酵母を使い、完全独学ながらお家で作れる「簡単だけど本当に美味しい家族が喜ぶパン」を日々研究中です。

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