こんにちは。
富澤商店クオカスタジオで洋菓子講師をしている舘野です。
皆さん「チャイ」はお好きですか?カフェやインド料理店で注文したり、ドリンクミックスを購入して自宅で飲まれる方もいらっしゃるかもしれません。
紅茶葉とホールスパイスを入手すれば自宅でも簡単に、香り豊かな本格的なチャイを作ることができます。スパイスや砂糖の種類にこだわれば他所で飲むよりも自分好みの味を作れるようになるかもしれません。
今回のコラムではチャイの本格的な作り方をお伝えします。「ウンチクはいいので美味しいチャイを手軽に飲みたい!」という方向けのレシピや、チャイのシロップの作り方、チャイにまつわるお菓子のレシピもご紹介しますので、ぜひご一読ください。
チャイとは?
「チャイ」はインド発祥のミルクティー
日本でチャイとして提供されている飲み物のほとんどは「スパイスの入ったミルクティー」ですが、発祥の地インドで「Chai=チャイ」と言うと単にミルクティーのことを意味します。
スパイスの入ったミルクティーはスパイスを意味する「マサラ」という言葉が加わって「Masala Chai=マサラチャイ」と呼ばれています。
このコラムではスパイスの入ったチャイについてご紹介していきます。
こちらはインドの砂漠を旅した際に振る舞ってもらった「チャイ」。現地のチャイミックスに更にお砂糖をたっぷり加えて作ってくれました。
本格的なチャイを作るポイント
チャイは「紅茶葉」+「スパイス」+「ミルク」+「甘さ」
以上の4つの要素で作ります。それぞれの要素について材料の選び方や作り方のポイントをご紹介します。
1.ミルクと相性のよい紅茶葉を使う
チャイにはミルクなどの副材料がたくさん入るのでそれに負けない力強い味の紅茶葉として「アッサム」や「セイロン」がおすすめです。濃い色・深みのある味わいでミルクと相性の良い茶葉です。茶葉が大きいと力強い味が出にくいので、あらかじめすり潰して細かくした方が濃く抽出できます。
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2.ホールスパイスを使う
スパイスにはパウダー(粉状)とホール(原型)があります。パウダーは使いやすい反面、香りが飛びやすく、飲み物に使うと粉っぽさが気になることも。ホールは使う直前に粉砕できるので芳醇な香りが長く楽しめます。
チャイに使うスパイスの定番は「シナモン」「カルダモン」「クローブ」です。好みで「生姜」や「ペッパー」など他のスパイスが加わることもあります。
シナモンは甘く爽やかな香り。カルダモンはスパイスの女王とも呼ばれる清涼感のある華やかな香り。クローブは少しビターで刺激的な香りと、役割が分かれています。
ただし「このスパイスを入れないとチャイではない!」ということはないので「シナモン+生姜」「カルダモン+ブラックペッパー」など、気になる組み合わせやお家にあるスパイスでまずはトライするのも良いと思います。
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3.はじめの抽出は水だけで行う
水を使わずミルクだけで抽出すれば濃厚なチャイが出来上がりそうですが、それは間違い。ミルクの乳タンパクが紅茶葉やスパイスの邪魔をして味や香りが出にくくなります。はじめに少なめの水で紅茶葉とスパイスを十分に抽出してからミルクを加えましょう。
4.甘さはお好みで。でも控えすぎないで!
甘さの種類はその時の気分でお好きなものを選んでください。ベーシックなグラニュー糖、コクの出るきび砂糖、すっきり飲めるてんさい糖もおすすめです。練乳を使うとミルクの濃厚さを楽しめます。
チャイはある程度甘さがある方が全体の味がはっきり感じられます。もしも「味が薄い」と感じたら甘さを足してみることもおすすめです。
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本格的なチャイの作り方
いよいよここからが本番、前項でご紹介したポイントを取り入れた「本格的なチャイの作り方」をご紹介します。スパイスの風味がエキゾチックに香ります。
お好みでブラックペッパー2粒・生姜5g(1/2かけ)を他のスパイスと一緒に潰して加えていただくのもおすすめです。
- シナモンスティック 1/2本
- カルダモンシード 2個
- クローブ(ホール) 2個
- 水 80ml
- TOMIZアッサムティー 2袋
- 牛乳 120ml
- 好みの砂糖 10g(又は、練乳 20g)
<作り方>
- スパイスの下処理を行う。シナモンを手で細かく裂く。
カルダモンは先端を裂いて中の黒い粒が見えるようにし、緑色のさやごと包丁の腹でつぶす。クローブは包丁の腹で潰す。小鍋に分量の水と共にスパイスを入れておく。(スパイスは厚手のポリ袋などの中に入れてめん棒や瓶の底で叩いてつぶしてもよい。) - 紅茶葉の下処理を行う。
今回使用する紅茶葉は大きめなのでティーバッグの上でめん棒を転がして潰し、細かくする。すり鉢ですりつぶしてもよい。 - 1.の鍋を中火にかける。
沸いたら弱火にし、水がスパイスの色で茶色くなってくるまで3分ほど煮出す。 - 火を止め、2.のティーバッグを破いて中身だけを入れる。
蓋をして極弱火にかけて2分ほど蒸らし煮にする。
(あえて紅茶の渋みを出して濃く抽出します。スッキリ飲みたい場合は火は止めたままで蒸らしてもよいです。)
※蒸らし煮が終わった状態 - 蓋を取り、牛乳と砂糖(又は練乳)を加え沸騰直前まで温める。
- 茶こしで濾してカップに入れる。茶こしに残った茶葉やスパイスはスプーンの背などでギュッと押すと濃く出ます。これで出来上がり。
手軽なチャイの作り方
ここまでコラムを読んで「うーんなんだか大変そう…お店に飲みに行こうかな」なんて思われた方にはチャイのティーバッグを使った手軽な作り方をご紹介します。
本物のスパイス片が入ったティーバッグは手軽ながらも味わいは本格的。マグカップ1つで手軽にできます。
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チャイシロップの作り方
頻繁に本格的なチャイを飲みたい方には「チャイシロップ」を作るのもおすすめです。
- シナモンスティック 2本
- カルダモンシード 6個
- クローブ(ホール) 6個
- 水 200ml
- TOMIZアッサムティー 6袋
- 好みの砂糖 30g
作り方は<本格的なチャイの作り方>とほとんど同じです。
牛乳が入らないので、はじめに分量の水を全部入れて作ってください。
出来上がったら瓶などに入れて冷蔵庫で保存してください。(※紅茶の性質上、冷えるとオレンジ色に濁ります。)
飲む際は、シロップ大さじ2に牛乳130ml〜が目安です。
温めた牛乳でホットチャイ、冷たい牛乳と氷を浮かべてアイスチャイにしてもとてもおいしいです。ラム酒など好みの洋酒を少し加えても美味しいです。
チャイにまつわるお菓子のレシピ
ご紹介したチャイのレシピに使用するスパイスや紅茶葉を使用したお菓子のレシピをご紹介します。
焼き菓子にはパウダースパイスを使用することが多いので、いくつかお好きな味を揃えたり、スパイスミックスを使用するのもおすすめです。
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まとめ
いかがでしたか?
以前インドを旅した際、何度となく口にした「マサラ・チャイ」。電車の中や市場、あらゆる場所で「チャイ〜チャイ〜」とおじさんが売り歩いています。にぎやかなインドの街角でスパイスの効いた濃く甘いチャイを飲むと体が温まって元気が湧いてきたことを思い出しました。
皆さまもぜひ、チャイを手作りしてスパイスで元気をチャージしてみてくださいね。
コラム執筆:舘野真里さん
製菓学校を卒業後、食品メーカーでの企画開発を経て、富澤商店×クオカスタジオをはじめ各地で洋菓子講師・レシピ開発をしています。