バターミルクパウダーとは?スキムミルク(脱脂粉乳)との違いは?

パン・お菓子作り

こんにちは!オフィシャルクリエイターのけいちょんです。
最近パン作りのお仕事をさせていただく中で「バターミルクパウダーはスキムミルクと違いますか?」「何が違いますか?」「置き換えはできますか?」というような、バターミルクパウダーに関してのご質問をいただきます。
一般的によく使われ、入手しやすいのはスキムミルクだと思いますが、バターミルクパウダーとは似て非なるもので、中に含まれるものやパン生地に与える影響も違っています。
今回はこの2つの違いについてご紹介していきます。

スキムミルクとは?

パンのレシピでよく見かける「スキムミルク(脱脂粉乳) 」。これは生乳から脂肪分を取り除き粉末にしたものです。成分表をみてもほとんど脂質は含まれていません。生乳をそのまま乾燥させた全脂粉乳の場合は約25%の脂質が含まれています。スキムミルクは脂質がほとんど含まれていないため、パン生地に入れたときに発酵を阻害しにくくパン作り初心者の方が使う場合はスキムミルクを使うと失敗も少なくなります。
また脂質は低い反面、タンパク質やカルシウムが多く含まれています。

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バターミルクパウダーとは?

スキムミルクは生乳が元になっていますが、バターミルクパウダー はクリームからバターを製造する工程でクリームから分離した液体(バターミルク)を乾燥させたものになります。そのため、スキムミルクには脂質がほとんど含まれていない一方、バターミルクパウダーには脂質が約7%含まれています。とはいえ、全脂粉乳に比べると脂質も少なく、含まれる脂質に関してもリン脂質が高いため乳化力があります。パン生地に加えると、バターなどの油脂が乳化しやすく、そのため生地が柔らかくなり膨らみも良くなります。

一般的にはパン生地の場合5〜10%のバターミルクパウダーを加えます。

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バターミルクパウダーとスキムミルクの違い

バターミルクパウダーとスキムミルクを比べてみると、まず見た目から違いを感じることができます。

スキムミルクは粒がやや大きめでさらりとした印象。色もバターミルクパウダーに比べると白っぽいです。香りはほんのりとミルクの香りがあり、比較すると弱く感じます。
舌に乗せるとミルクの香り・味ともにしっかり感じますが、あえてバターミルクパウダーと比較をすると弱い印象です。
甘みもバターミルクパウダーはしっかりと感じましたが、スキムミルクは甘さよりもミルク感を感じるといったところです。

バターミルクパウダーはやや黄色味がかった色をしていて、ほろほろとしています。
コクのある甘いミルクの香り、味は舌に乗せるとやや溶けにくいですが溶かすほどにミルキー感があり、思った以上に甘みのある味です。

個人的にはどちらをパンに入れてもミルク感をうまく足すことができるなと思いますが、よりしっかりミルク感を出したかったり乳化作用などを考慮すると特にリッチな生地に関しては油脂も多く入れることが多いのでバターミルクパウダーの方がより良いかなと感じます。

バターミルクパウダー・スキムミルクの置き換えは可能?

どちらもパウダー状になっていますので、パンやお菓子の水分量を増やすことなくミルクの風味や甘みを足すことができるのが強みです。どうしても水分で入れようとすると限界がありますので、粉乳はパンやお菓子にとって使いやすい材料といえます。

どちらもレシピに合わせて加えたり置き換えたりすることができます。ただし、先述の通り同じパウダー状ではありますが含まれる脂質や成分の違いがありますので置き換えには注意が必要です。

乳化作用を狙ってレシピでバターミルクパウダーが使われている場合はスキムミルクで代用してしまうとうまく油脂が乳化できない可能性があり代用ができませんが、ミルクの風味を足したいという目的でバターミルクパウダーが配合されている場合はスキムミルクに置き換えてもいいでしょう。リッチな香りではないかもしれませんがスキムミルクでもミルクの風味を足すことは充分に可能です。

逆にスキムミルクをレシピで使っている場合は、主にミルク感を足すという目的で加えられている場合がほとんどですのでバターミルクパウダーで代用しても問題ないでしょう。

バターミルクパウダーはパンやお菓子だけでなく料理にも!

日本ではあまり馴染みがないバターミルクパウダーですが、欧米ではふんわりさせたいパンケーキやスコーンなどにも良く使われておリ、スープやお料理のソースとしても活用されているようです。

私自身はパンケーキやマフィン、などを作る際に入れていますがふんわり仕上がりとても美味しいです。クッキーに加えても美味しいですよ。また、グラタンやクリームシチューなどのミルクベースのメニューやアイスクリームなど冷たいお菓子に入れてもコクがアップし美味しくなりますのでおすすめです。

写真は左から、アメリカンビスケット・グラタンパン・パンケーキですが、どれもバターミルクパウダーを使っています。グラタンパンはホワイトソースにバターミルクパウダーを加えパンに負けないクリーミーなソースに仕上げています。

スキムミルクもまた同様に、お料理に加えて栄養価をアップさせることができますのでお子様やごご年配の方のカルシウム補給にお料理にプラスすることができますね。

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まとめ

いかがでしたか?
一見同じようなバターミルクパウダーとスキムミルクですが、作られている元の材料や含まれる成分に大きな違いがあります。そのため、置き換えた場合は全く同じにはなりませんが状況に応じてそのまま置き換えることも可能だということがわかりました!また色々な料理やお菓子にも加えることができますので、余らせがちな方はぜひ使ってみてください。

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コラム執筆:けいちょんさん

けいちょんさん
けいちょんさん

イーストだけでなく数種類の自家製酵母を使い、完全独学ながらお家で作れる「簡単だけど本当に美味しい家族が喜ぶパン」を日々研究中です。