こんにちは。富澤商店クオカスタジオで洋菓子講師をしている舘野 です。
今回も前回に引き続き「米粉」がテーマ。
前回はクッキーとパウンドケーキで2種類の米粉と小麦粉で作ったお菓子を比較し、「ほろほろ」とした米粉の特徴を実感しました。
今回は米粉を使ったお菓子の中でも特に人気の「シフォンケーキ」をピックアップ。2種類の米粉と小麦粉で作り比較してみました。
前回とは異なる「もちっと」した米粉の特徴が感じられ、翌日もおいしいのでギフトにもおすすめだと実感しました。詳しくご紹介します。
使った材料
熊本県産米（ミズホチカラ）製菓用米粉
製菓用米粉
スーパーバイオレット（薄力小麦粉）
米粉と小麦粉でシフォンケーキを作って徹底比較
小麦粉を使った基本のシフォンケーキのレシピで比較します。同じ分量で粉だけ置き換えて作ります。
同じ条件で焼成し、冷めたらパレットナイフで型から外しました。比較は焼いて半日ほど経ってから行いました。
＊夏場に検証を行ったので、メレンゲの安定のために乾燥卵白を卵白の3％用いました。
＊分量中のお水は60℃ほどのお湯を使用しました。
食感
小麦粉はふんわりソフトで歯切れが良いです。
米粉の２種もふんわりソフトですが、少しもちっとします。製菓用米粉の方がもちっとした感じは強いです。「もちっと」とは言っても、お餅や白玉などの「もちもち感」と比べるとその程度は遥かに少なく、ご飯を食べて少しもっちり感じる程度のもので、シフォンケーキのふんわりとした特徴を邪魔しません。
状態
手に持ってみると小麦粉はふわふわと弾力があり、指で押すと跳ね返る感じがあります。米粉の2種は水分を含んだようなしなやかさがあり、弾力は無く、指で押すと凹みが強いです。
米粉の方がやや焼き縮み・キメの粗さを感じましたが、最終的なボリュームの違いはさほど感じませんでした。
味わい
粉の風味が一番感じるのは製菓用米粉。お米の素朴な風味がして少し和のテイストです。卵の風味はあまり感じられません。ミズホチカラは米粉の甘味と卵の風味がバランスよく感じられ、洋菓子らしい味わい。
小麦粉は卵の風味が一番感じられました。
翌日の変化
カットした後にラップで包み冷蔵庫で保管。焼いた翌日も食べ比べをしました。
前回パウンドケーキで比較した際は米粉を使ったものは翌日パサつきを感じました。
今回のシフォンケーキは、少し歯切れが良くなった（もちっと感が少なくなった）ものの、ふんわりしたおいしさは十分そのままでパサつきは感じませんでした。特にミズホチカラは保水力のある米粉なので変化が特に緩やかに感じました。
さらに日にちが経つとしっとり感も次第に失われますが、小麦粉と米粉での差はあまりありませんでした。米粉を使ったお菓子をギフトにするならシフォンケーキはおすすめできます。
まとめ
| 食感 | 状態 | 味わい | 翌日の変化 | |
| 小麦粉 | ふんわりソフト | ふわふわ | 卵の風味が強い | あまり変化なし |
| ミズホチカラ | ソフト＆もちっ | しなやか | 米粉＆卵の風味 | 少し歯切れが 良くなった |
| 製菓用米粉 | ソフト＆もちっ | しなやか | 米粉の風味が強い | 少し歯切れが 良くなった |
ラッピングのご紹介
OPPシートを使ったシフォンケーキの包装はコツが要りますが、専用の袋を使えばとても簡単です。シールも貼れば「お店で買ったものみたい！」と差し上げた方に喜んでもらえるかもしれません。潰れてしまうとせっかくの魅力が半減してしまうので、箱に入れてプレゼントするのがおすすめです。
生クリームやお手製のジャムと包めばすぐにでもお茶の時間を楽しんでもらえますね。
米粉を使ったシフォンケーキのレシピはたくさんありますので、ぜひお好きなもので試してみてくださいね。
まとめ
今回は米粉と小麦粉でシフォンケーキを作って比較しました。シフォンケーキは水分が多いので「もちっ」とした米粉の特徴が出やすいです。「もちっ」とした感じは冷やすと失われやすいものの、メレンゲを使った生地は冷やしてもパサつきを感じにくいので、翌日以降もおいしさが失われにくいのだと考えています。
今回使った2種類の米粉、製菓用米粉は米粉の味わい・特徴を強く出したい時におすすめです。味わいに和の雰囲気を少し感じます。
ミズホチカラは小麦粉を使ったお菓子の魅力を持ちながら、米粉の良さが実感でき、洋菓子にピッタリです。保水力が高いので、シフォンケーキの美味さが続く期間が長い気がしました。
いかがでしたか？米粉を使ったお菓子はお米のやさしい甘さでほっとできるだけでなく、グルテンフリーなのがうれしいポイント。ギフトにした際にも喜んでいただけることが多いと思いますので、ぜひ皆さんも挑戦してみてくださいね。
コラム執筆：舘野真里さん
製菓学校を卒業後、食品メーカーでの企画開発を経て、富澤商店×クオカスタジオをはじめ各地で洋菓子講師・レシピ開発をしています。
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