春よ恋3種類を焼き比べ!「春よ恋」「春よ恋高加水」「春よ恋タイプ65」の違いを徹底比較

比較・検証

こんにちは、富澤商店オフィシャルクリエイターのけいちょんです。
富澤商店で人気の北海道産小麦「春よ恋」シリーズに、新しく「春よ恋タイプ65」が仲間入りしました。
今回は、「春よ恋タイプ65」と、定番の「春よ恋」、そして「春よ恋高加水」の3種類を使い、同じ配合・同じ工程でクッペを焼き比べてみました。
今後の粉選びの参考になれば嬉しいです。

比較条件

今回比較したのは、粉の違いが分かりやすいリーンな配合のクッペです。
加水率はすべて70%で統一し、軽く混ぜたあと、パンチを繰り返しながらグルテンを育てる方法で生地を作りました。
できるだけ条件を揃え、「粉そのものの個性」を感じられるようにしています。

基本のクッペ(比較用)
  • 春よ恋各種・・・100g
  • 水・・・70g
  • 塩・・・1.6g
  • インスタントドライイースト(赤)・・・0.2g

混ぜ始め

一番やわらかく感じたのは、春よ恋タイプ65。
通常の春よ恋よりも生地がなめらかで、混ぜ始めから手触りの違いを感じました。
一方、春よ恋 高加水は加水70%でも生地がしっかりと締まり、「水をたくさん入れられる粉」というより、「たくさんの水をしっかり抱え込める粉」という印象です。
同じ加水率なのに、生地の表情はまるで別物。
仕込む前は「タイプ65」という名前から、最も締まった生地になるのではないかと想像してたので、この結果に驚きました。

パンチ

今回はしっかり捏ねず、パンチを繰り返してグルテンを育てました。
発酵が進むにつれて、それぞれの個性はさらに明確になります。
最もきれいなグルテンができたのは、春よ恋タイプ65でした。
生地表面はなめらかで伸びが良く、扱いやすさも抜群。
クッペの成形もとてもスムーズに行えました。
春よ恋高加水は生地の締まりが強く、成形時には少し力が必要でしたが、その分、生地の安定感を感じます。
通常の春よ恋は、その中間といった印象で、改めてバランスの良い粉だと感じました。

一次発酵後

同じ時間・同じ環境で一次発酵を終えた生地です。
比較すると、タイプ65がいちばんスムーズに膨らんだ印象があり、固かった高加水は他の2つに比べて生地が締まっており膨らみが抑えられている様子です。

成形

発酵後の生地を成形してみると、それぞれの個性がよりはっきりと感じられました。
最も成形しやすかったのは春よ恋タイプ65です。生地はなめらかで伸びが良く、スムーズに成形することができました。ただし、今回のような加水70%ではやややわらかく感じたため、パン作りに慣れていない方は加水を少し控えめにすると、さらに扱いやすくなる印象です。
春よ恋高加水は、生地がしっかりと締まっていたため、成形時には少し力が必要でした。張りが強く、生地を細長く伸ばしにくいため、成形後もやや丸みのあるシルエットになりました。その一方で、生地の安定感は高く、高加水ならではの特徴がよく表れていました。
春よ恋は、成形後のサイズは春よ恋高加水と大きく変わりませんでしたが、生地の扱いやすさは良好。無理なく成形でき、クッペらしいきれいなフォルムに仕上げることができました。

二次発酵後

成形後、同じ時間だけ二次発酵を行いましたが、この段階でもそれぞれの違いが見られました。
春よ恋高加水は、生地の締まりが強かったためか、同じ発酵時間ではまだ緩みきっておらず、もう少し発酵させても良さそうな印象でした。ボリュームも控えめで、生地に張りがしっかり残っています。
一方、春よ恋と春よ恋タイプ65は、生地がほどよく緩み二次発酵の進み具合も良好で、焼成に入るタイミングとしてちょうど良い状態になっていました。
同じ配合・同じ発酵時間でも、生地の状態にはこれほど違いが現れます。特に春よ恋高加水は、今回の条件ではもう少し発酵時間を長めに取ることが必要ですが今回は比較なので一緒に焼成を行います。

焼き上がり比較

焼き上がりを並べて比較すると、見た目にも違いが現れました。
春よ恋高加水は、ほかの2種類と比べるとややコンパクトな焼き上がりとなり、ボリュームや窯伸びも控えめな印象でした。二次発酵後も生地の締まりが残っていたことが、そのまま焼き上がりにも表れたように感じます。
一方、春よ恋と春よ恋タイプ65はどちらもしっかりと窯伸びし、ボリュームのある仕上がりになりました。クープもきれいに開き、クッペらしい立体感のある焼き上がりです。
今回の条件では、春よ恋高加水は粉に対しての水分量が少なく生地が固かったため、このような結果になっていますが、水分量を5%〜10%増やし適正量にすることで美味しく焼き上げることができます。

食べた印象とクラム

焼き上がったパンを食べ比べると、それぞれの個性がよりはっきりと分かります。
春よ恋高加水は、期待どおりのもちもち食感ではありますがやはりクラムをみると詰まった印象で膨らみも小さいことがわかります。
味に関しては噛むほどにしっとり感があり、高加水ならではの魅力を感じました。もっと水分量を増やし適正量にすることでより高加水生地の良さが際立つはずです。
一方、今回一番印象的だったのは春よ恋タイプ65。
いい意味でクセがなく食べやすい、そしてその中に小麦の甘みを最も強く感じました。
タイプ65という名前から「ハードパン向けの個性的な粉」を想像していましたが、実際はとても素直で扱いやすく、毎日のパン作りにも取り入れやすそうな印象です。
クラムを見てもわかるように、しっかりと上に膨らみ気泡も均一で軽い仕上がりです。
春よ恋はまさに定番。しっとりもっちりしたクラムが際立ちます。比較すればクラストの軽さはタイプ65が優勢。ハードパンならタイプ65がおすすめ、ソフトなパンならやはり春よ恋がおすすめです。

まとめ

今回比較してみて感じたのは、間違いなくそれぞれに違った魅力があるということでした。
春よ恋:バランスが良く、幅広いパン作りに使いやすい定番。
春よ恋高加水:しっかりと水分を抱え込み、もちもち食感を楽しみたいときに。
春よ恋タイプ65:なめらかな生地に育ちやすく、リーンなパンにおすすめ。小麦の甘みを感じやすい一品。
今回の焼き比べでは、同じ春よ恋でもそれぞれ生地の滑らかさや焼き上がりの食感・味も全く違うものになる、そんなパン作りの面白さを改めて実感しました。
ぜひ今回の結果を粉選びの参考にしてみてください。

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コラム執筆:けいちょんさん

けいちょんさん
けいちょんさん

イーストだけでなく数種類の自家製酵母を使い、完全独学ながらお家で作れる「簡単だけど本当に美味しい家族が喜ぶパン」を日々研究中です。

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