こんにちは。自宅教室Nina kitchenを運営している三谷です。
今回のコラムのテーマはドイツの定番パン「プレッツェル」について。
私自身がドイツに滞在していた頃にも、プレッツェルに触れる機会がたくさんありました。体験記も交えて、今回のコラムを綴っていこうと思います。
プレッツェルはその独特な形と香りが特徴的で、クセになる!という方も多いのでは?塩味も効いているのでビールのお供にもピッタリですよね!
茹でてから焼くというのはベーグルと似ていますが、どこが違うのでしょうか?
プレッツェルの語源や製法について深堀していきましょう!
プレッツェルとは?

プレッツェルは南ドイツ発祥のパンです。
ラウゲン液(アルカリ液)に浸してから焼くことで、赤褐色の美しい焼き色、独特の芳ばしい風味が出ます。ねじった結び目のような形、表面についた塩もアクセントとなっていますね。
ドイツのパン屋さんや、駅のスタンドには必ず並んでいる定番中の定番!パン屋さんの看板にもよく使われています。
地域によって形も様々で、ねじりの部分が細いもの、均一なもの、パカッと開いたクープがあるもの、ないものなど、いろいろあります。チーズをかけて焼いたものもよく見かけましたよ。
外側や細い部分の食感はカリッとして、太い部分はクラムがしっとり、もちっとして、両方の食感が楽しめるところも人気の秘密かもしれません。
プレッツェルの語源は?
プレッツェルの独特な形は、
「腕を組んだ」様子、また修道士が手を合わせた時の「祈り」のポーズと言われています。
その形から、ラテン語の「腕」という言葉が元となり、中世ドイツ語を経て現在のドイツ語の「Brezel=ブレーツェル」と呼ばれるようになったようです。
その後「Pretzel=プレッツェル」という名で英語に取り入れられ、広まりました。日本では「プレッツェル」の方が馴染みはありますよね。
またドイツでは、プレッツェルを「ラウゲン液」に浸してから焼くということから、甘いプレッツェルと区別するのに「Laugen Brezel=ラウゲンブレーツェル」、と言われることもあります。
プレッツェルの発祥の地、南ドイツにあるウルム博物館所蔵の絵画「最後の晩餐」には、テーブルにプレッツェルが描かれていて、語源からも分かるように、神聖なパンとして宗教とともにドイツ国民に大切にされてきたことが伺えます。
ラウゲン液とは?
「ラウゲン」とは、ドイツ語で「アルカリ性の」という意味。
茹でてから焼くというのは、ベーグルに似ていますが、ベーグルは「お湯」で茹でるのに対して、プレッツェルの場合は「ラウゲン液」で茹でる、というのが最大の違いです。
ドイツのパン屋さんでは、ラウゲン液を作る際、「苛性ソーダ」が使われていますが、強アルカリ性の劇薬のため、薬局では記名購入が必要となります。
ただ、パンを焼成することで化学反応を起こし、中性塩となるので食べる時は無害となります。 その中性塩にはナトリウムが含まれているので、独特な赤褐色や風味に焼き上がるのですね。
とは言っても、危険な苛性ソーダを使うのは大変!家庭では「重曹」で代用することができるのでご安心を。参考までに化学式で比べてみました。
元素記号 | 反応 | 反応後 | |
---|---|---|---|
苛性ソーダ (水酸化ナトリウム) | NaOH | 焼成することで 二酸化炭素と反応 → | Na₂CO₃(炭酸ナトリウム) H₂O (水) |
重曹 (炭酸水素ナトリウム) | NaHCO₃ | Na₂CO₃(炭酸ナトリウム) H₂O (水) |
ところで、なぜアルカリ液に浸して焼くことになったか?よくある話ですが、昔パン屋さんで、焼こうとしたパンを誤ってアルカリ性の掃除用の液に落としてしまったが、そのまま焼いてみたら美味しかった、という説があります。失敗談から生まれる話はよくありますが、今となっては定かではありません。
「基本のプレッツェル」を作ってみた!
一次発酵なしのシンプルな工程で、重曹さえあればすぐにできるレシピなのでおすすめです!

1.〈生地作り〉
水以外の材料をボウルに入れ、混ぜ合わせ、水を加え混ぜる。

2.まとまってきたら、台に出して力を入れて捏ねる。

3.滑らかになったらこねあがり。

4.すぐに4分割します!一次発酵はしません。

5.丸めたら、横長に広げる。

6.棒状になるように折りたたむ。

7.とじ目をしっかりとじる。
4つとも、ここまで作業したら、のばしに入ります。

8.手のひら全体で大きく転がしながら、中心が太く、端が細くなるように長くのばす。
(50cm以上はあるとよいですね)

9.とじめを下にして、細い部分を交差させる。

10.細い部分を1~2回ねじる。

11.先端を太い部分の生地にしっかりつける。
(しっかり付けないと、茹でている時に外れてしまう)

12.クッキングシートにのせ天板に。
30℃の発酵器で30~40分発酵させる。

13.重曹を溶かしたお湯に上面から入れて、片面20秒、裏返して20秒茹でる。

14.網じゃくしですくい、天板に戻す。

15.少し表面を乾燥させてから、太いところにクープを入れて、プレッツェルソルトをふり、200℃のオーブンで12~15分焼く。

16.完成!
美味しいプレッツェルを作る為のポイント
ポイントは、
①しっかりこねて発酵は控え気味にすること
②成形の時はしっかりガス抜きすること
③生地を長くのばすので休ませながら成形すること
これらを押さえれば、つやもちの美味しいプレッツェルが作れますよ!
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ラウゲンプレッツェルを楽しもう♪

日本でも既に広く知られているプレッツェルのお話、いかがでしたか?
今回ご紹介したプレッツェルの他、ドイツ在住中によく食べたものとしては、「ラウゲンブロートヒェン」(丸い形)「ラウゲンシュタンゲン」(ドッグ形)などがあります。細い部分がないので、しっとり、もっちりした部分が多く、息子も大好きでした。パン屋さんで買うと焼きたてのことが多く、本当に美味しかったです。

他にもケルン中央駅の近くのプレッツェル専門店の前で、ベルトコンベアーにのせられてラウゲン液に浸されていくプレッツェルをよく眺めていたものです。(笑)
バターだけでペロッといけちゃう、いや何もつけなくてもパクパク食べられちゃいます♪
ハムやチーズを挟んでも美味しいですよ! 大人たちは、プレッツェル、ソーセージ、ビールがあれば大満足の世界でした。
日本で焼きたてを手に入れるのは、まだなかなか難しいですが、作り方はとってもシンプル♪実は私の
自宅教室でもオリジナルレシピでレッスンしたことがありますが、大好評でした。
富澤商店のサイトには、今回ご紹介したレシピの他にもたくさん載っていますので、ぜひトライしてみてくださいね♪
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コラム執筆:Nina kitchen三谷さん

「おうちのキッチンで作るおいしいパン&スイーツ」自宅教室Nina kitchen主宰。
ロースイーツクリエイター認定校。自宅教室にて基本のパン、オリジナル創作パンのレッスン開講中。