失敗しない!自家製酵母の起こし方~種起こし&パン作り|お悩み解決

パン作り

こんにちは。TOMIZスタッフの馬渡です。

自由が丘スタジオで製パン・製菓の講師を務める中で、さまざなご質問やお悩みごとのご相談をいただきます。前回、よくあるご質問のひとつである「自家製酵母の起こし方」のうち、「酵母作り」についてご紹介しましたが、今回はその続編として、「種起こし」と「パン作り」のステップをご紹介していきます。

酵母作りからからパンにするまでは、大きく分けて3STEP!

それでは、前回のおさらいです。「レーズン酵母」のパン作りは、大きく分けて以下の3STEP、とご説明しました。

●STEP1 酵母作り

●STEP2 種起こし

●STEP3 パン作り

今回は、STEP2の「種起こし」とSTEP3の「パン作り」を、合わせてご紹介していきます。

前回ご説明した「レーズン酵母」ができたら、小麦粉と合わせて「種起こし」という作業を行います。「レーズン酵母」だけじゃパン作りはできないの?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、結論としては「レーズン酵母」だけではパン作りはできません。

「レーズン酵母」だけを入れても発酵力が足らず、パンを膨らませるだけのパワーがないため、小麦粉と合わせることで酵母を培養します。この作業が「種起こし」。レーズン酵母と小麦粉を合わせて酵母を育て培養することで、パンを膨らませることができるだけの発酵力をつけることができます。

それでは、種起こしからパン作りまでの流れを見て行きましょう。

「自家製酵母」の種起こしに挑戦してみよう

前回ご説明した「レーズン酵母」を使ったパン作りは、そこからさらにゆっくりと時間をかけて、種を育てていくところから始まります。焦ることなく、種の成長を見守ってあげてくださいね。

種起こしのレシピ(1日め)

レーズン酵母 50g
全粒粉 35g
強力粉(今回は春よ恋を使用) 35g

1.全ての材料を清潔な容器に入れて、スプーンなどで粉けがなくなるまで混ぜ合わせます。

2.表面が乾燥しないようにラップをして、暖かい場所(25~30℃程度)で12~18時間ほど発酵させます。

ここで1日めは終了。種起こしの工程のほとんどは、ゆっくりと種の成長を待ってあげること。種が気持ちよく成長できるように、暖かい環境を整えてあげてください。

種起こしのレシピ(2日め)

1日目の種 50g
強力粉 100g
レーズン酵母 70g

3.全ての材料を同じボウルに入れてパンをこねるのと同じ要領で混ぜ合わせます。

4.粉けがなくなって、ムラやダマがなくなればこね上がり。

5.清潔な容器に入れて、表面が乾燥しないようにラップをかけ、暖かい場所(25~30℃程度)で12~18時間ほど発酵させます。

2日めはここで終了。実際に手を動かす作業は多くありません。待っている間に、種がゆっくりと育っていきます。

種起こしのレシピ(3日め)

2日目の種 50g
強力粉 100g
レーズン酵母 70g

6.2日目と同じレシピ、同じ工程を繰り返します。

3日めもここで終了。同じことの繰り返しですが、種は着実に育って行っています。

左から、1日め、2日め、3日めの種の様子。だんだんと酵母が培養され、種として成長しているのがわかります。

種起こし(4日め)から、パン作りへ

4日め、種の完成です。

レーズン酵母に小麦粉を継ぎ足し、待つことでここまでしっかりと成長しました。

自家製酵母のパン作りに挑戦してみよう

それでは、さっそくこの種をパン作りに使ってみましょう。今回はシンプルなプチパンを作ってみたいと思います。

自家製酵母のパンレシピ(プチパン6個分)

●材料
強力粉(春よ恋) 200g
きび砂糖 10g
塩(シママース) 4g
種 100g
バター(食塩不使用) 12g
水 145g

自家製酵母のパンを作る

1.強力粉、きび砂糖、塩、種を同じボウルで混ぜ合わせます

2.水を加えてこねます

3.なめらかになったら、バターを加えて混ぜ合わせます

4.伸びがあり、しっかりと弾力が出たらこね上がりです

5.ボウルに入れて、乾燥しない30℃程度の環境で1次発酵をとります

6.約3時間、良い状態まで発酵したら1次発酵完了です

7.スケッパーなどで6等分(約70g)に分割します

8.ふんわりと丸め、ベンチタイムをとります

9.約10分、生地がゆるんだら、丸め直して天板に並べます

10.乾燥しない30℃程度の環境で、2次発酵をとります

11.約90分、良い状態まで発酵したら、2次発酵完了です

12.分量外の強力粉を茶こしで振りかけ、クープナイフで切込みを入れます

13.200℃に予熱したオーブンに入れて、約10分焼成して綺麗な焼き色がついたら焼き上がりです

焼き上がったパンはふわっとレーズンの芳醇な香りと、長時間発酵させたことによる小麦粉の甘みが感じられます。

自家製酵母のパン作りのまとめ

パン作りにおいてイーストは欠かせない材料ですが、自家製酵母で作るパンはまた違った格別のおいしさ。手間も時間もかかりますが、焼き上がったときの感動と達成感は何事にも代えがたい楽しさです。

今回ご紹介した酵母は初心者の方でも安心して作っていただけるとても作りやすいレシピになっています。

とは言え、ポイントを守らないと上手に膨らまないこともありますので、動画などでお伝えしたコツを覚えていただき、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

▼この記事の前編はこちら
失敗しない!自家製酵母の起こし方~酵母作り|お悩み解決

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