こんにちは。富澤商店オンラインショップでレシピ著者をしているちょりママです。
今月は徹底追及シリーズ。古代穀物として注目され、着々と人気を上げている「スペルト小麦」について追及します。9,000年以上前にヨーロッパで栽培されたことが証明されています。
ナッツのような香ばしい香りとコクある味わいの仕上がりに私は絶賛魅了されています。
噛み締めるほどに味わい深い。そんなパンは粉を変えるだけでできるのです!!
気になるスペルト小麦の世界を掘り下げていきましょう!
スペルト小麦とは
スペルト小麦は、前述したように古くから栽培されている小麦です。
遺伝子操作以前に、人工的な品種改良がほとんど行われていないというナチュラルな小麦。
そんな貴重な小麦は品種改良の点だけでなく、一般的な小麦の半分ほどの収穫量であるため、生産者の方もなかなか手が出しにくいものと言われています。
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一般的な小麦を横に並べてみると、白さに違いがあります。
スペルト小麦は白いとは言えず、しかしながら全粒粉ほど茶色くはありません。
全粒粉よりも粒子が細かいので、置き換えやすさを感じます。
小麦は茶色の表皮に覆われ、約83%程度を占める胚乳と約2%程度の胚芽で作られています。
胚乳の部分が一般的な小麦粉になり、全粒粉は表皮、胚芽、胚乳すべてを粉にしたため、茶色くなっています。
表皮はミネラル、繊維質を多く含んでおり「ブラン」として知名度を上げました。小麦の部分と言われる胚乳は糖質(デンプン)とタンパク質を含んでいます。胚芽は脂質、タンパク質のほか、ミネラルやビタミンが含まれているため、様々な食品に加えられて有効活用されています。
スペルト小麦は表皮と胚芽に含まれる栄養素が、胚乳に多く含まれているため、製粉されても栄養素が残るのです。体内では形成されない必須アミノ酸を豊富に含み、血糖値の上昇を緩やかにする低GI値の食品でもあります。積極的に摂り入れたい食品でもあります。
スペルト小麦についてより深くはこちらのコラムへ
スペルト小麦で作るテーブルロール
スペルト小麦でテーブルパンを作ってみましょう!
スペルト小麦の特長の一つにグルテンの吸収のしやすさがあります。なので、億劫になりがちな捏ねる作業は必要なく、パンを作ることができるのです。
今回は手も汚さずに密閉袋を使って、パンを作っていきましょう!
密閉袋にスペルト小麦、砂糖、塩を入れ、一度中身を混ぜておきます。捏ねるタイミングがないので、粉類をここで均一にするのがポイント。
仕込み水、溶かしたバターを加えて空気を含ませ閉じます。
中身を均一にするコツは、手でもみもみとする感じで。台にベターっと伸ばしてからもむと、まとまりやすくなります。
密閉袋につかなくなり、全体がまとまってきたら一次発酵に進みます。
2分~3分ほどでしょうか。めちゃめちゃ楽ちんです。
密閉袋で捏ねたので、湯せん発酵もこのままの形状で進みましょう。1cmほど入口部分を残して空気穴を作って閉じます。
湯の温度は30~35℃程度を目安に。ボールで湯せんするときよりも直にあたるので、ぬるめ設定がおすすめです。
室温22~23℃程度では20分程度で一次発酵が完了になりました。
発酵時間も短縮できて助かります。
袋から取り出したすぐの状態です。
気持ち、ゆるい生地ではあるので、粉をふって軽く丸め直します。乾かないように湿らせたキッチンペーパーで覆い、15分ベンチタイムを取ります。生地の状態は粉と同様、少し茶色っぽさが感じられます。
40℃で20分ほど二次発酵。ひと回り大きくなるまでが目安です。
170℃で13~15分焼成して完成!とても香ばしい匂いが部屋中立ち込めました。
スペルト小麦のテーブルパンをいただきます!!
クラストはかりっとしたセミハードな食感がありつつ、クラムはふわっと香ばしさとやわらかさの共存。
こんなに味わい深いパンが捏ね時間もなしで出来るなんてありがたい限り。
そのまま食べてもよし、クリームチーズなどをぬっても食べてもおいしいな~~と妄想は膨らむばかりです。
全粒粉もあるので、強力粉と組み合わせて使ってみるのも良きですよー!
ぜひご自宅で古代穀物のパンの香りと話を味わってみてくださいね。
みなさんの富澤商店ライフのお役に立てるとうれしいです。
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コラム執筆:ちょりママさん
フードコーディネーター・調理師・食生活/食育アドバイザー。「子どもも大人も一緒のごはん」をコンセプトに簡単レシピを発信。
企業レシピ・メニュー開発、書籍出版のほか、フードスタイリング、食育活動も多数。