甘酒を飲んで健康に!夏こそおすすめ・元気に過ごそう!

基本・初心者

こんにちは。富澤商店にてレシピ著者をしておりますマスダアイミです。
私は主にパンのレシピ作成をしていますが発酵繋がりで麹にも興味を持ち、今では自分で麹造りをしてそこから味噌や醤油、麹調味料を手作りするなど発酵生活を楽しんでいます。今回は麹を使った飲み物、甘酒についてお話していきたいと思います。「体に良いとは聞いたことあるけど、どんな効果があるの?」と思っている方も多いはず。甘酒の事を知って、今年の夏を元気に過ごしましょう!

甘酒は2種類ある

実は甘酒は2種類あるのをご存知ですか?
甘酒には酒粕からつくるものと麹からつくるもの、2つの種類があります。
酒粕甘酒は酒造りの過程で醪(もろみ)からお酒を抽出した残りの粕、酒粕に砂糖を加え甘さを出した飲料です。酒粕由来のアルコールが含まれています。
一方、麹甘酒は米と米麹からつくる飲料。砂糖を入れていないのに甘さがありアルコールを含まないので小さなお子さんでも飲むことが出来る飲料です。両者とも栄養満点で、それぞれに違った魅力がありますが、今回は麹甘酒にクローズアップしていきたいと思います。

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なぜ麹甘酒は砂糖を入れないのに甘いの?

麹でつくる甘酒は麹と炊いたお米、水を混ぜ55~60℃に保ち、時間を置くことで甘くなります。
砂糖を入れずに甘くなるなんて、何が起こっているのでしょう。
秘密は麹の酵素の力。麹の酵素が米のデンプンを分解し、糖化され甘くなります。
面白いことに、デンプンの状態では甘さを感じる事はありませんが、分解され細かいかたちになると甘味を感じるようになります。
これは私たちがごはんをよく噛むことでも同じことが起こります。ごはんをよく噛むと甘味を感じた事はありませんか?
これは私たちの唾液中の酵素が米のデンプンを分解し甘くしているのです。
甘くなるのは単に味覚にとって良いだけでなく、細かいかたちになっているので体の消化吸収もよくしてくれます。
麹甘酒の甘さは米から引き出された自然な甘さ、ということです。

夏こそ甘酒を!お米から出来た栄養たっぷりのドリンク

甘酒というと、お正月に神社でいただく冬のイメージがあると思いますが実は甘酒は夏の季語。
エアコン等がなかった遥か昔から、過酷な暑さを乗り切るために、甘酒が盛んに飲まれていました。
栄養が豊富で「飲む点滴」と言われるほど。
米麹の甘酒には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシンなどのビタミン類、ブドウ糖必須アミノ酸、オリゴ糖などの栄養素が含まれています。
ビタミンBは元気よく過ごすために必要な栄養素で、ハツラツとした毎日を過ごすために役立ちます。
ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源であり、すみやかにエネルギーとして利用されます。
暑い夏、なかなか食欲が沸かない時にとても有効なのが分かります。
そして、米が含んでいる各種栄養素が麹の酵素により分解されることで消化吸収がよくなっているので胃腸への負担が少なく、優しい飲料ということです。
我が家では、夫が仕事で疲れた、ちょっと食欲がないな。そんな時は麹甘酒を使ったドリンク等を飲んでもらっています。

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市販の加熱殺菌された甘酒や、火入れするのは良くないの?

加熱殺菌や、火入れをすると熱に弱い一部の栄養素は壊れてしまいますが栄養はしっかり残っています。
また、加熱すると麹の酵素はもれなく失活しますが、酵素自体を生きたまま摂る必要はそもそもありません。
よく「生きて届く」「生きてはたらく」という言葉がありますが、酵素自体を生きたまま摂取したとしてもからだの中で酵素としてはたらくことは無く、強力な胃酸に溶かされアミノ酸となり体内ではたらくことはありません。
甘酒の中にある麹菌も、同じく胃酸によって溶かされてしまうので生きて腸に直接届くことはありませんが、死んでしまった菌も腸内で有用な微生物のエサになります。
そういった面で、市販の加熱殺菌された甘酒や、火入れした甘酒でも健康へのポジティブな影響があるということです。
発酵のおかげで砂糖を入れずに甘くなり、栄養分が消化吸収しやすくなっている身体に良い甘酒。
普段手作りするお菓子や、ティータイムに甘酒を利用してみるのはいかがでしょうか。
健康を意識したスイーツやパンほど、手作りする意義のあるものだと思っています。

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コラム執筆:マスダ アイミさん

マスダ アイミさん
マスダ アイミさん

湘南・茅ヶ崎にてパン教室「OVEN 暮らしのパン教室」主宰。
『お家のオーブンから幸せを』をモットーに、国産小麦や手に入れやすい範囲でのこだわり素材を使い、作りやすいのに美味しい!と思えるパン作りを提案しています。
天然酵母を使ったレシピを中心としてパンや酵母菓子など、白神こだま酵母の良さを伝えながら多くのレシピ提案を行っています。
現在は麹についても勉強をしており、麹や発酵食のスペシャリストである「薬膳麹士」を取得。今後は麹を扱った発酵教室も開催していく予定です。