こんにちは。富澤商店オンラインショップでレシピ著者をしているちょりママです。
今月は知ってお試しシリーズ。
京都発祥の和菓子「水無月」についてご紹介していきます。
しみじみする和菓子のおいしさにハマる日も近いかもしれません!
水無月とは

水無月は京都発祥の和菓子で、6月30日に行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」に、残り半年の無病息災を祈り食べられるものです。日本の暦である和風月明の6月、「水無月」から名が付いたといわれています。
「外郎(ういろう)」をベースにして甘く煮た小豆を載せて蒸し、氷の見た目を表す三角に切り分けたお菓子です。
基本の水無月のレシピ
まずは、基本の水無月を作ってみましょう。
今回のコラムでは、私が近頃はまっているせいろ(蒸篭)を使って作ってみました。お持ちの方は是非せいろで作ってみてくださいね。もちろん、一般的なステンレスの蒸し器でも可能です。
材料と容器について


持ち合わせているせいろと流しかんのサイズが合わなかったので、耐熱保存容器を使用して作ってみました。
流しかんをお持ちの方はそちらを使ったほうが、取り出しやすいです。
せいろや蒸し器のサイズに合わせた容器をご利用ください。
水にくぐらせて容器を湿らせておきましょう。
【使用した耐熱容器】 約W15×D15.6×H5.5cm 容量800ml
基本の水無月の作り方

ボウルに吉野本葛・白玉粉・小麦粉・砂糖を入れて混ぜます。
水を少しずつ入れ、粒々をつぶしながら混ぜてストレーナーで漉し、きれいな液状にしましょう。

濾した液を大さじ2杯ほど取り分け、そちらに水大さじ1(分量外)を合わせておきます。
残りの濾した液を耐熱容器に流し入れます。

沸騰している蒸し器の中に入れて強火で10~15分蒸します。
ステンレスなどの蒸し器を使用する場合は、蓋から水滴が落ちないように蓋を蒸し布でくるんでおきます。

表面が固まったら甘納豆を満遍なく乗せて、除けておいた濾し液ををふりかけます。

再度蒸し器で10~15分蒸します。

冷めたら型から外し、三角に切りわけます。
この時に保存容器の場合はクッキングシートなどをかぶせて裏返しにすると、取り出しやすくなります。
また、切る時は包丁を濡らして豆の部分を切る時は前後するように動かし、ういろう部分はそのまま下に下すように切るときれいに切れます。

ういろう部分のもちもち感、甘納豆のつぶ感。素朴なおいしさでした。
冷蔵庫で冷やすとひんやりさっぱりとして、蒸し暑い日にぴったりです。
和菓子は作るのが難しいというイメージを払拭してくれるお手軽さでした!
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アレンジ水無月①「ほうじ茶×手亡」のレシピ
ここからはアレンジを楽しんでみましょう。
ういろう生地をほうじ茶味に、甘納豆を手亡にしてみました。
アレンジ水無月「ほうじ茶×手亡」の材料

基本の水無月の材料に、ほうじ茶パウダーを2gを加え、甘納豆を手亡にします。
アレンジ水無月「ほうじ茶×手亡」の作り方
まず、ういろう部分の液を基本の水無月の作り方と同様に作ります。
この時、ほうじ茶パウダーはまだ入れずに濾した液が出来たら大さじ2ほど取り分けます。…(A)
そして、ベースのういろうを蒸してから上にかける用の液も、同じく大さじ2ほど取り分け、水大さじ1(分量外)を混ぜ合わせておきます。…(B)


(A)の取り分けておいた液にほうじ茶パウダーを溶き、ベースに加えて混ぜましょう。
この方がほうじ茶パウダーがきれいに混ぜ込めるのでポイントです!
濾した液を取り分ける前にほうじ茶を溶いてしまうと、上にかける液もほうじ茶の茶色になるので、白と茶色のコントラストを狙って作りたい方は、取り分けるタイミングに注意してください。
あとは基本の水無月と同様に、蒸して冷やしてカットしたら完成です!

ほうじ茶の茶色と手亡の白がナイスコントラスト!!
ほうじ茶の苦みと甘納豆の甘さのバランスが程よくて美味しかったです。
シンプルな基本の水無月が甘すぎると感じる方には、ほうじ茶の苦さの分食べやすいかもしれません。
ほうじ茶好きも納得の水無月になりました!
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アレンジ水無月②「抹茶×ゆであずき」のレシピ
アレンジ2つめは、ういろう生地は抹茶に。
甘納豆を他の小豆でもできるかを試してみました。
アレンジ水無月「抹茶×ゆであずき」の材料

基本の水無月の材料に
抹茶3gを加え、甘納豆をゆであずきにします。
ゆであずきは甘納豆よりもゆるさがあるので、どうなるでしょうか?
アレンジ水無月「抹茶×ゆであずき」の作り方
作り方はアレンジ水無月①「ほうじ茶×手亡」と同様の方法で、抹茶をういろう生地に混ぜて蒸し、
甘納豆の部分をゆであずきに置き換えて蒸しました。

蒸し上がりは甘納豆よりも少しゆるさがありました。
冷めたら固まるかな?という期待を込めて待ちましたが、取り出す際にゆであずきがこぼれてしまい慌てました。笑
ひっくり返さないで取り出せる流しかんなら上手く取り出せたかもしれません。
あとから調べてわかったのですが、水分の少ないぬれ納豆タイプのゆであずきなら、甘納豆と同様にだれずにきれいに作れるそうです。みなさんには甘納豆を使うか、ぬれ納豆タイプのゆであずきを使うことをおすすめします!

少々ゆるめに出来上がりましたが、お味のほどは?
ういろうのもちもち食感に、しっかり抹茶の香りを感じ、ゆであずきも柔らかい分食べた瞬間から甘さを感じる仕上がりでした。
それでもやはり甘納豆を使ったほうが、作りやすく、食べた時にも小豆の粒感を楽しめると感じました。
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お手軽に和菓子を作って四季の移ろいを味わう

今回は基本の水無月、アレンジ水無月を2種お試ししてみました。
お試しから分かったことは、水無月を作るなら甘納豆一択!ういろう部分はお好きなフレーバーで!!
水無月を初めて作ってみましたが、シンプルなういろうで留まるもよし、派生を楽しむもよし。
食でも季節を感じる、日常を一層楽しめるお菓子作りになりました。
みなさんの富澤商店ライフのお役に立てるとうれしいです。
富澤商店ちょりママレシピも合わせてどうぞよろしくお願いします!
コラム執筆:ちょりママさん

フードコーディネーター・調理師・食生活/食育アドバイザー。「子どもも大人も一緒のごはん」をコンセプトに簡単レシピを発信。
企業レシピ・メニュー開発、書籍出版のほか、フードスタイリング、食育活動も多数。