こんにちは。富澤商店にてレシピ著者をしておりますマスダアイミです。
近年、国内の炊飯米の消費量は減少傾向にありますが、代わりに増えているのが「米粉用」のお米の消費です。お米を粉にしてパンやケーキを作る…そんな新しいお米の使い方が広まっています。
今回、米粉パンや米粉のお菓子を作る方なら知っているであろう王道の「ミズホチカラ」と、
ミズホチカラと同等に膨らみ美味しく作れる!と話題の新品種、「笑みたわわ」の比較実験を行いました。
米粉は種類によって特徴もさまざま。特徴を知っておくと、いざ作る際に失敗を格段に減らすことが出来ますので、是非参考にしてください。
笑みたわわとは?ミズホチカラと同じように使える?
ここ最近の製菓、製パンに適した米粉というと「ミズホチカラ」が選ばれる傾向が高いなという印象があります。
他にも様々な米粉がある中、何故ミズホチカラが選ばれるか?というと、ミズホチカラのでんぷんの構成がパンやお菓子作りに適した形をしているから。
(でんぷんの種類や、壊れたでんぷんが多いか?少ないか?で物性が変わります)
ミズホチカラはそのバランスが良いので作りやすく、多くの人に選ばれているのかと思います。
但し、ミズホチカラは栽培地域が限定的で(主に九州)収穫までに時間がかかるという懸念もあり、
国内の食料自給率を高めるためにも、多くの水田を有効活用する必要があります。
そんな中、開発されたのが「笑みたわわ」です。
笑みたわわはミズホチカラとほぼ同等のでんぷんの特徴を持ち、かつ成熟がミズホチカラより早い品種。
そして九州地方だけでなく広域で栽培できるという特徴があります。製菓・製パン用米粉の安定供給に一役買う存在…という訳ですね。
ミズホチカラと同等のでんぷんの特徴を持つという事で、パンやお菓子の仕上がりも同じように仕上がるのか?実際に焼いて比較してみました。
米粉食パンの焼き比べ(製パン用米粉)
米粉を使ったグルテンフリーのパウンド食パンレシピで、ミズホチカラと笑みたわわの焼成比較をしました。
同配合・同条件で生地を作っていきます。
ミズホチカラパン用米粉、笑みたわわパン用米粉を使っていきます。
米ゲルの出来上がりの比較

まず米ゲルを作ってみました。(左:笑みたわわ 右:ミズホチカラ )
どちらも大きな差はありませんが、笑みたわわの方がゲルに若干固さがあります。
笑みたわわの米ゲル

スプーンですくうとぷるんとしていて、すくいやすい
ミズホチカラの米ゲル

スプーンですくうと笑みたわわより少し流動性がある
生地段階の比較

次に米ゲルを入れて生地づくりをします。

こちらも大きな差はないものの、ミズホチカラの生地の方は流動性があり、笑みたわわの生地の方が若干かためな印象があります。
但し、比較しているから分かる程度の変化で明確な差はありません。
発酵時の比較

型に流して発酵させていきます。

写真だと大きな差は分からないのですが、若干ミズホチカラ生地の方に高さが出ています。
このまま焼いていきましょう。
焼き上がりの比較

冷ましてカットしてみました。

若干ミズホチカラの食パンの方が膨らみは大きく、きめ細やかさがあります。
但し大きな差はなく、この膨らみの違いは数グラム水の量を調整してあげるだけで解決しそうです。
どちらも食感は変わりなく、しっとりふわっとしています。
まさしく、笑みたわわはミズホチカラと同じように使えるといった印象です。
次に製菓用米粉同士の比較です。
米粉マフィンの焼き比べ(製菓用米粉)
次にミズホチカラ製菓用米粉と、笑みたわわ製菓用米粉の比較です。
米粉マフィンレシピを使い、同条件で作り比べてみました。
生地の時点では、若干笑みたわわのほうがさらさらとしていましたが、あまり大差はないです。
焼き上げると…


この通り。
高さも変わらず、食感も同じように仕上がりました。
両方ともしっとり、ふんわり。美味しいマフィンになりました。
笑みたわわはミズホチカラと同等の特徴を持っている、というのは本当のようです。
製パン用でも製菓用でも同じ結果となりました。
ふっくらおいしく、笑みたわわで広がるお米の文化
笑みたわわはとても使いやすく、パンやお菓子がふっくら仕上がる特徴があることが分かりました。
ミズホチカラを普段使われている方は、違和感なく使える粉だと思います。
今まで製パン・製菓用米粉というと九州産が多いといった印象がありましたが、もっと広域で広がることにより、米粉を手に取る人が増え、炊いたごはんだけではない、新たな形でお米の文化が広がり
日本の食料自給率の安定にも繋がってくるのではと思います。
笑みたわわ、とても美味しい粉です!是非使ってみてください。
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