先日、富澤商店ではCSR活動の一環として、小学校5年生を対象に「小麦粉の基礎知識」をテーマにした出前授業を行いました。今回は当日の様子のレポートコラムです。
会場となったのは、富澤商店本社のご近所でもある相模原市立小山小学校。
当校では、1学期に実施した宿泊体験学習で小麦を石臼で挽き、その粉でうどんを打って夕食を食べるという体験を行っていました。その経験を通じて、「うどんの他にも小麦で何が作れるのか?」と子どもたちの探求心がさらに広がり、今回、富澤商店に出前授業のご依頼をいただくことになったのです。
富澤商店の出前授業チームが小学校を訪れると、元気な挨拶をしてくれる児童の皆さんに迎え入れてもらいました。今回の出前授業を受けてくれたのは、約90名の5年生の皆さんです。
授業前から笑顔になった、児童たちの手作り掲示物にほっこり


授業を行う教室の壁にこんな素敵な掲示物を見つけました!
出前授業が行われた10月7日の前週、小学校の近所の富澤商店アリオ橋本店(コーナー設置)に足を運んでくれた児童のレポートがずらり。店内の様子写真や、店頭で配っているレシピカード・リーフレット、さらには販売されているクラフトコーラを実際に作った!という壁新聞まで掲出されていました。
授業をしに来たスタッフ全員、この壁を見て思わず笑顔に。子どもたちが実際にお店に足を運び、楽しみながら学んだことを自分なりに表現してくれている様子に、出前授業への期待とワクワク感がさらに高まりました。

富澤商店って知ってる?どんな会社か自己紹介
授業の最初に、まず児童の皆さんがどのくらい富澤商店を知っているのかを確認しました。「お菓子やパンを作る材料がそろうお店だよ」と紹介すると、半数以上の子どもたちは「知ってる!」と手を挙げてくれました。
続いて、富澤商店の歴史や活動についてもお話ししました。富澤商店は町田で創業して今年で106周年。もともとは乾物を売るお店からスタートしましたが、1970年代に家庭用オーブンが広まったことをきっかけに、家庭でもパンやお菓子づくりができるように、小分けの小麦粉の販売を始めました。今の富澤商店がお菓子やパンの材料をメインに扱っているのは、このときの取り組みが起源です。
また、「料理を作る楽しさを世界へ」という企業理念のもと、材料の販売だけでなく、レシピ開発やこうした出前授業、スタジオレッスンなども手掛けていることを紹介しました。児童の皆さんは、自分たちが普段目にしているお菓子やパンが、どんな材料や工夫で作られているのかを知って興味津々の様子でした。

小麦粉って何?身の回りのどんな料理に使われてる?


授業ではまず、身の回りの料理に小麦粉が意外と使われていることを楽しく知ってもらうために、「小麦粉が使われているか、〇×クイズ!」を実施しました。
クイズに出したのは、パスタ、栗蒸し羊羹、グラタン、お味噌汁(麩入り)の4つ。実はどれも小麦粉が入っているのですが、子どもたちは「この料理には入ってる!」「これは入ってない!」と一生懸命考えて答えてくれる姿がとてもかわいらしかったです。

その後、改めて小麦粉の基本について紹介しました。小麦の胚乳・胚芽・ふすまのうち、胚乳の部分を粉にしたものが白い小麦粉であることを説明し、さらに小麦粉には薄力粉から強力粉まで種類があり、タンパク質の量によってグルテンの強さが異なること、それぞれお菓子やパンなど向いている用途があることを、イラストを交えながらわかりやすく解説しました。
小麦粉の説明をする中で、登場する小麦粉の名前に「スーパー」とついていると、子どもたちのアンテナがぴ!と反応。純粋な興味を素直に表す姿がとても印象的でした。
▼「スーパー〇〇」の名前の小麦粉たち
グルテン発見隊!実際に小麦粉から取り出してみた!

後半では、班ごとにグルテンを取り出す実験を実施!
実際に水で捏ねて洗いながらグルテンを取り出し、その弾力や伸びを見て触って体験してもらいました。グルテンを構成する「グルテニン」と「グリアジン」という言葉は少し難しかったようで、講師の馬渡が「グルテンを構成するのは何と何だったかな?」と繰り返し質問。
3回目には教室中から元気に「グリアジン!」と声が上がり、笑いが広がる一幕もありました。
クッキーで食べ比べ!粉の違いを五感で体感

授業の締めくくりは、薄力粉・準強力粉・強力粉の3種類を使い、同じレシピで焼いたクッキーの食べ比べ。
授業の冒頭でクッキーの食べ比べがあることを伝えていたので、この時を待っていました!という子どもたちのテンションは今日一番のピークを迎えました。
一口であっという間に食べてしまう子や、「美味しくてもったいないから持って帰る!」とちょっとずつかじっている子も…
この食べ比べ自体は、どの粉を使ったかを当てることが目的ではなく、これまで学んだ小麦粉の特徴を思い出しながら、食感や味の違いを考えてもらう時間です。「こっちはサクサクしてる!」「こっちはもちっとしてる!」と、五感を使って楽しむ姿が見られました。

子どもたちの素朴な疑問に、講師が答えます!
最後の質疑応答の時間では、印象的な質問が寄せられました。
Q1「薄力粉も強力粉も全部同じ小麦粉から作られているんですか?」
A1「いい質問ですね!薄力粉には薄力粉向きの小麦、強力粉には強力粉向きの小麦が使われています。同じ小麦でも、粒の中心に近い部分は白く、外側に近い部分は色がつくなど、製粉の仕方によっても違いが出るんですよ」と、白い小麦粉、色のついた小麦粉のサンプルを見せながら答えると、子どもたちは興味津々に粉の色を見比べていました。
Q2「前にみんなで作ったうどん、麺の中がパサパサしていたのはなぜですか?」
A2「おそらく、捏ねる時間が短かったか、茹でる時間が足りなかったか、その両方かもしれません。今度作るときはその2つを気をつけてみてくださいね」とアドバイスすると、「やってみます!」と元気な声が返ってきました。
「夢は小3で決まりました」─講師・馬渡から子どもたちにメッセージ

授業の最後には、講師の馬渡から子どもたちへこんなメッセージが送られました。
「僕自身は小学校3年生、今日の君たちより2年下のときにパン屋さんになるのが夢に決まりました。そこからいろいろな勉強をして、パン屋さんやお料理を教える教室の講師になり、今も楽しく仕事を続けています。今日の話を聞いて、小麦粉についての知識が少し変わったと思います。これからも興味を持って、調べたり作ったりしてみてくださいね。お菓子やパンが作りたくなったら、ぜひ富澤商店にお買い物にも来てください!」
子どもたちの笑顔と素直な好奇心にあふれた今回の授業。
富澤商店では、「料理を作る楽しさを世界へ」の企業理念を基に、こうした活動を通じて食の楽しさや素材の魅力を次の世代に伝える取り組みを今後も続けていきます。
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