夏のパン作りで失敗しないコツは?| 試してほしい白神こだま酵母の冷やしクリームパンレシピ

商品紹介

こんにちは。富澤商店にてレシピ著者をしておりますマスダアイミです。
パン作りが快適に行える季節っていつだと思いますか?
それは4月~5月の春の季節や、夏を過ぎて寒くなる前の涼しい季節。長袖1枚で過ごせる季節はパン作りにぴったり。
では、暑い季節や冬の季節は向いてないの…?いえいえ、そんな事はありません。
気温が高い・低い季節の場合はそれなりの対応をしてあげましょう。そうすればどんな季節でも美味しくパンを焼くことが出来ます。

今回は失敗しやすい夏に焦点を当てて、夏のパン作りで気をつけるべきポイントと、夏のパン作りにおすすめな白神こだま酵母について詳しくお話していきたいと思います。

夏のパン作りで失敗する原因とは?

失敗してしまったパン

夏のパン作りで失敗してしまった…!私が講師をしていてよく聞く事例として、

  • 生地がべたべたになってしまって捏ねられない、生地がダレてしまった。
  • 焼き色の薄いパンが焼けて、中はパサパサ。
  • アルコール臭の強いパンが焼けた。

このようなお話を聞くことがあります。

夏あるあるの事例だと思います!失敗してしまうと落ち込みますよね。
基本的に日本の夏は高温多湿。パン生地がべたべたしてしまったり、パサパサになったりアルコール臭の強いパンが焼ける原因です。

高温多湿だとどんな影響があるのか?詳しく深掘りしていきましょう。

酵母が活発に活動する温度と、湿度の多さ

パンに使う酵母が活発に活動するのは25℃~35℃あたり。
よく、パン生地の捏ね上げ温度を26℃~28℃くらいで設定するのは、酵母が元気になる温度帯にしてあげる事で、活動を促す為です。

夏の気温はエアコンをつけないと30℃を超えることが通常ですが、あまりに高い温度で生地を捏ね上げてしまうと生地が緩む力が強く働いてしまい、生地がベタベタになる原因になります。

且つ、夏は多湿でもあるので、材料や環境が他の季節に比べて高湿度でじめじめしている状態。生地の緩みを更に加速させてしまいます。
酵母の活動は、酸素があって元気になれる状態にあると、なんと活動の過程で「水」を生産します。
捏ねる行為は、擦りつけて広げることで生地に酸素を入れている事にもなるので、酸素が豊富で活動的になれる温度だと生地内に水を作るので、もれなくべたつきます。

酵母の活動の過程で「水」を生産。生地がべたつく原因。

焼き色が薄くアルコール臭い…それは「過発酵」です。

過発酵した生地

夏にありがちな失敗の第一位は、過発酵なのではないでしょうか?
焼けたパンの焼き色が薄く、中はパサパサしていて、アルコール臭が強い…仕上がりがこのような感じになると、過発酵過発酵が原因です。
酵母は発酵中、生地内の糖分を消費して生命維持をしています。
それがいきすぎてしまうと、私達が食べて美味しいと思う糖まで使ってしまいます。
パンの焼き色は生地内の糖が作り出しているものなので、それが酵母に食べつくされてしまうと、焼き色はつかない・食べても美味しくないということが起こります。酵母が全部食べてしまったのですね…。

また、発酵で生成されるアルコールが多く溜まり過ぎる事で、焼いたパンにもその香りが残ります。
発酵がいきすぎると生地の骨格も保てなくなるため、発酵が進んでいても生地に膨らむ力が残っておらず、生地内に水分も保持できなくなる為、焼いたパンはパサパサになります。

過発酵した生地
過発酵した生地で焼いたパン

失敗しないために気をつけることとは?

失敗原因を踏まえて、夏のパン作りで意識すべきことをお伝えしたいと思います。

ポイント① 水の温度は低めにしよう!

パン生地の温度が上がりすぎないようにするために、室温・粉温・水温を意識する必要があります。
この中で一番取り入れやすいのが「水温」です。夏のパン作りは仕込み水の温度を低めにして仕込みましょう。パン作りのレシピで「ぬるま湯」の記載があったりしますが、夏は素直にぬるま湯で仕込んでしまうと、生地温度が上がりすぎる可能性があります。

但し、ドライイーストやその他酵母はいきなり冷水に当たってしまうと活性が落ちる場合があります。
酵母を溶かす水を少量レシピの加水分から取り分け、それをぬるま湯にして酵母を溶かし、その他の仕込み水は冷水で仕込むなどの工夫をしましょう。

必要な加水分から少量の水をぬるま湯にして、酵母を溶かす(写真右)

ポイント② 発酵時間より生地の状態をチェック

夏は気温が高い上に湿度も高いので、発酵の進みが早くなります。
レシピ通りに発酵時間を切り上げるのではなく、少し早めにチェックするようにします。時間ではなく、生地の状態を見る意識をつけていきましょう。

ポイント③ 水の量は少し減らしてもOK

夏のパン作りは生地がだれやすく、前述のように緩くなりがちなので、水をレシピより少し減らして仕込んでみるのもお勧めです。
レシピより3g~5g程減らして仕込んで様子を見てみましょう。

夏のパン作りに!試してほしい白神こだま酵母のパン

白神こだま酵母のパン

夏に是非試してほしいのが、白神こだま酵母です。白神こだま酵母の特徴が実は夏のパン作りにぴったり。その理由をお伝えしたいと思います。

白神こだま酵母を勧める理由① 「適度な発酵スピードの遅さ」

白神こだま酵母使用のパン生地、発酵の様子

イースト仕込みのパンと比べて、若干発酵の進みが遅いのが白神こだま酵母の特徴。
夏のパン作りは仕込み始めから発酵の進みが早くなりがちなので、この適度に遅い発酵スピードが過発酵のリスクを低くしてくれます。

白神こだま酵母を勧める理由② 「発酵最適温度がイースト仕込みのパンより若干高め」

製法や作りたいパンの違いにより一概には言えませんが、
イースト仕込みのパンは生地温度を26℃~28℃近辺の捏ね上げ温度にするのが一般的の中、
白神こだま酵母のパンは捏ね上げ温度を30℃にします。
最適とされる発酵温度が若干高いので、こちらも夏の仕込みに余裕を与えてくれます。

もっと白神こだま酵母について知りたい!という方は、以前に私の書いたこちらのコラムをご覧ください。

白神こだま酵母とは?イーストとの違いや魅力をお伝え

ひんやり冷たくて美味しい!冷やしクリームパンのすすめ

白神こだま酵母には、天然の糖質・トレハロースを他酵母より多く含んでいるという特徴があります。
トレハロースは食品に作用させると乾燥や風味の劣化を防ぐ役割があります。
通常、パンは冷蔵庫の温度帯での保存が一番劣化が激しく、パンが乾燥し、パサつく速度が早まってしまうのですが、白神こだま酵母を使うことでパン生地内にトレハロースを含ませてあげることが出来るので、冷蔵庫で冷やしていただくパンでもパサつきを抑えることが出来ます。

夏はなんだか食欲がない…冷たいものが食べたいな。
そんな時に冷やしたクリームパンはいかがでしょうか??

白神こだま酵母でつくるブルーベリーヨーグルトの冷やしクリームパン

パン作りは生き物を扱うこと。生地の状態をよく見て作ろう。

パン作りは生き物を扱う作業。私達が季節ごとに装いを変えるのと一緒で、季節によって生地の扱いを変えてあげることで1年中、自在にパンが焼けるようになります。
レシピの時間や経過は参考程度に、夏のパンづくりは生地の状態をよく見て作業を進めてみてください。
きっと上手くいくはずです!

▼合わせてチェック!

自分好みの天然酵母が見つかる簡単チャート付 天然酵母徹底比較

コラム執筆:マスダ アイミさん

マスダ アイミさん
マスダ アイミさん

湘南・茅ヶ崎にてパン教室「OVEN 暮らしのパン教室」主宰。

『お家のオーブンから幸せを』をモットーに、
国産小麦や手に入れやすい範囲でのこだわり素材を使い、
作りやすいのに美味しい!と思えるパン作りを提案されています。

天然酵母を使ったレシピを中心としてパンや酵母菓子など、
特に、白神こだま酵母の良さや魅力を提案されています。

2024年には麹や発酵食のスペシャリストである「薬膳麹士」を取得され、同年10月より、『パンと麹をメインに、発酵をふだんの暮らしに取り入れる!』をテーマとした オンライン教室「発酵 暮らしごと」を開催されています。

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