こんにちは、富澤商店スタッフです。
今回はスウェーデンやフィンランドなどの北欧発祥の郷土菓子「セムラ」をご紹介します。
カルダモンとアーモンドの組み合わせが特徴の菓子パン

一見シュークリームのような見た目のセムラですが、
生地はシュー生地ではなく、ブリオッシュ生地のパンがベースになってます。
ブリオッシュ生地のパンがベースでクリームが沢山入っているといえば、日本でも流行ったマリトッツォに似ていますね。
しかしセムラの大きな特徴はなんといっても味。
このブリオッシュ生地のパンには「カルダモン」の風味があり、中には「アーモンド」ペーストと生クリームがたっぷり挟み込まれています。
この特徴的な味の組み合わせは「セムラ味」として北欧では愛され、最近ではセムラ味のアイス、クッキーと他の料理にも発展していたり、中にはディサローノ アマレットのウィスキー(アーモンド味)をベースにしてカルダモンの風味を掛け合わせたカクテルもSNS上で見かけたりしましたよ。
特徴的な味の組み合わせが癖になるようで、セムラは1度目より2度目からの方が美味しく感じることがあるそうです。興味深い菓子パンですね。
セムラがパン屋さんに並ぶ時期

セムラが生まれ、食べられるようになった由来に、キリスト教の祭事イースター(3月下旬~4月上旬)が関連していることから、北欧では年始からイースターの時期の3月頃まで、さまざまなパン屋さんでセムラを買うことができます。日本でもこの時期のスーパーに節分の豆や雛祭りの雛あられなどが並ぶのと同じく、北欧ではパン屋さんにセムラが並んでいるんですね。
最近では日本でも1月~3月にセムラを販売されるパン屋さんも増えてきましたので、この時期にパン屋さんにセムラが並んでいないか気にかけてはいかがでしょうか。
本格的なセムラを自宅でも手軽に作るレシピをご紹介
今回は藤野幸子先生によるセムラのレシピを合わせてご紹介します。
本場のセムラのパン生地には生イーストを使うレシピが多くありますが、今回のレシピではより手軽に作れるようドライイーストを使用しています。
興味深い菓子パン。是非ご自宅で作って召し上がってみてくださいね。
パン生地
- 強力粉(春よ恋) 100g
- 薄力粉(ドルチェ) 80g
- きび砂糖 25g
- カルダモン(パウダー) 1g
- バター(食塩不使用) 20g
- ゲランドの塩 1.5g
- 牛乳 100g
- 無糖ヨーグルト 40g
- インスタントドライイースト(金) 3g
- 塗り卵 適量
フィリング
- マジパンローマッセ 100g
- 牛乳 約50g

準備1
・材料を準備する。
・焼くタイミングに合わせて、オーブンを190度に予熱する。

準備2
・生地用のヨーグルトと牛乳は合わせて、鍋に入れて人肌(30度)にあたためる。

1 パン生地
ボウルに強力粉、薄力粉、カルダモンパウダー、ドライイースト、きび砂糖、塩を入れて手でよく混ぜる。

2
温めたヨーグルトと牛乳を加えてヘラでひとまとまりになるまで混ぜる。

3
台の上でこねる。

4
薄い膜ができる。

5
生地を丸くのばし、バターを加える。

6
バターが均一になるようにこねる。

7
薄い膜ができる。

8 一次発酵
丸めて、ボウルに入れてラップまたは蓋をして生地の大きさが2倍になるまで一次発酵させる。
※目安は30度で約1時間。

9 分割
生地が2倍になったらボウルから取り出しドレッジで6分割する。

10
手のひらで軽く潰して空気を抜く。

11 ベンチタイム
丸めて乾いた布を被せて10分おく。(ベンチタイム)

12 二次発酵
生地をまるめなおして、天板の上にクッキングシートの敷いた上に並べ、乾いた布を被せて生地が1.5倍の大きさになるまで二次発酵させる。
※30度約30分、時間は目安で見た目で確認する。

13
生地が1.5倍の大きさになる。

14 焼成
溶いた卵を刷毛で塗り、190度に予熱したオーブンで10分焼成する。

15
ラックにおいて冷まし、上の部分1/3をカットする。

16
中身をくり抜く。
※くり抜いたものは取っておく。

17 フィリング
アーモンドクリームを作る。
マジパンに16のくり抜いたパンを加え、手ででよく練ってから、牛乳を少しずつ加えてヘラで混ぜクリーム状にする。
※牛乳の量は状態を見て調節する。

18 デコレーション
生クリームとグラニュー糖を合わせて8分たてに泡立てる。

19 組み立て
パンに17のアーモンドクリームを詰める。

20
ホイップした生クリームを口金をセットした絞り袋に入れ、19のアーモンドクリームの上に絞る。

21
15のカットした上部分で蓋をして茶漉しで粉砂糖をふるい完成。
こちらのレシピでは、フィリングのアーモンドペーストに「マジパンローマッセ」を使って作られています。
クリスマスのシュトーレン作りの際に余ったマジパンがあればそちらが活用できますね。
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