季節の変わり目 発酵をコントロールするパン作り

パン作り

こんにちは!富澤商店オフィシャルクリエイターのけいちょんです。
暑さが少しずつ落ち着いてくると、「そろそろパン作りがしやすい季節かな?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
徐々に朝晩は涼しく感じる日も増えてくる頃。一方で、日中はまだ暑さが残っていたり、湿度が高かったりと、実はパン生地にとっては少し読みにくい季節でもあります。
「レシピ通りの時間で発酵させたのに、今日はなかなか膨らまない」
「昨日はちょうどよかったのに、今日は気づいたら発酵が進みすぎていた」
誰でもそんな経験があるのではないでしょうか?
パン作りで大切なのは、レシピの時間をきっちり守ることだけではなく、その日の気温や生地の状態に合わせて少しずつ環境を調整していくこと。
今回は、夏の終わりから秋にかけて意識したい、パン生地の発酵調整のコツをご紹介します。

発酵時間はあくまで「目安」

パンのレシピには、「一次発酵〇分」「二次発酵〇分」と時間が書かれています。
もちろん、これはとても大切な目安です。ただし、発酵の進み方は季節や室温、生地温度によって大きく変わります。
同じレシピでも、真夏の昼間と秋口の朝では、発酵スピードがまったく違うこともあります。
特に季節の変わり目は、朝晩と日中の気温差が大きくなりやすい時期。そのため、「前回と同じ時間で作ったのに、仕上がりが違う」ということが起こりやすくなります。
発酵時間はあくまで目安。時間だけに頼りすぎず、生地のふくらみ方や触った時の感触を見ながら、発酵時間を調整していきましょう。
レシピに書いてある時間だけでなく「何倍の大きさ」など、見た目の変化に注目することも大切です。

材料や仕込み水の温度

発酵のスピードを調整するうえでまず意識したいのが、仕込み水や材料の温度です。
パン生地は、材料を混ぜた時点の温度やこね上がった時の生地温度によって、その後の発酵スピードが変わります。
よくレシピに書いてある「ぬるま湯」をどの季節にも使うのはNG。
暑い日は、材料の温度が温かかったり、室温も高いため生地温度が上がりやすく発酵も早く進みがちです。その場合はぬるま湯ではなく、仕込み水を少し冷たくして生地温度が上がりすぎないように調整します。油脂が多い柔らかい生地の場合は材料も冷蔵庫で少し冷やすと作業しやすくなる場合もあります。
反対に、朝晩が涼しくなってきた時期や、室温が低い日は、生地温度が上がりにくくなります。
その場合は、仕込み水を少しぬるめにすることで、発酵がスムーズに進みやすくなります。
仕込み水の温度を少し変えるだけでも、発酵スピードは変わってきます。

発酵場所を変えて調整する

発酵を調整する方法は、時間や水温・材料の温度だけではありません。
発酵させる場所を変えることも、とても大切です。
室温で発酵させる場合、まだ暑さが残る日中は室温が高くなりすぎる場所を避け、できるだけ涼しい場所で発酵させるのがおすすめです。
発酵にちょうどよい目安としては27度~30度。
部屋の中でも北側、低い場所、室温でも場所によって温度が違うのでちょうど良い場所を探して生地を置きましょう。
作るパンの種類によっては、保冷バッグに保冷剤を入れて涼しい環境を作り、その中で発酵させる場合もあります。
逆に涼しくて室温が低い場合、発酵がなかなか進まない時は少し暖かい場所に移します。
テーブルよりも高い位置、窓の近く、家電の近くなどテーブルや作業台よりも暖かい場所を探し生地を置くと良いです。
ただし、温度が高すぎる場所に置くと、発酵が急に進みすぎるので注意しましょう。直射日光が当たる場所や、熱くなりすぎる場所は避けます。

発酵の調整方法

発酵不足・適正・過発酵の生地

季節の変わり目は、発酵が思ったより早く進む日もあれば、なかなか進まない日もあります。
そんな時は、慌てずに次のように調整してみましょう。

発酵が早すぎる時

生地が予定より早く膨らんできた時は、涼しい場所に移して発酵スピードをゆるやかにします。
すぐに作業できない場合は、冷蔵庫に入れて一時的に発酵をゆっくりにするのもひとつの方法です。
ただし、冷蔵庫に入れたからといって、発酵がすぐに完全に止まるわけではありません。
生地は冷えるまでの間も少しずつ発酵が進むため、入れるタイミングには注意しましょう。

発酵が遅い時

反対に、なかなか生地が膨らまない時は、少し暖かい場所に移して様子を見ます。
レシピの時間を過ぎても、まだ生地が十分に膨らんでいない場合は、焦らず待って大丈夫。
「時間が過ぎたから次へ進まなきゃ」と考えず、生地の状態を見ながら判断していきましょう。

冷蔵庫発酵のパンレシピを試す

冷蔵庫発酵させたパン生地

季節の変わり目のパン作りでは、冷蔵発酵を上手に使うのもおすすめです。
冷蔵発酵とは、生地を冷蔵庫に入れて、低温でゆっくり発酵させる方法です。
発酵が早く進みすぎそうな時や、作業時間を分けたい時にも便利。
夜に生地を仕込み、翌朝に成形して焼くなど、生活リズムに合わせてパン作りを進めることもできます。
また、低温でゆっくり発酵させることで、風味が出やすくなるのも嬉しいポイントです。
ただし、冷蔵庫に入れるタイミングや生地の状態によって、仕上がりは変わります。
発酵が進みすぎた状態で冷蔵庫に入れると、冷蔵中にも発酵が進み、過発酵気味になることもあります。
冷蔵発酵は復温の必要が出てくるので、初心者の方はまずは冷蔵庫発酵のパンレシピを試すと良いでしょう。

まとめ

パン作りは、同じレシピでも毎回まったく同じように進むとは限りません。
特に夏から秋へ季節が移り変わる時期は、気温や湿度が日によって大きく変わります。
だからこそ大切なのは、レシピの時間に生地を合わせるのではなく、その日の生地にこちらが合わせる気持ちです。
仕込み水の温度を変える。
発酵場所を変える。
途中で一度様子を見る。
必要に応じて冷蔵庫を使う。
そんな小さな調整を重ねることで、パン作りはぐっと安定しやすくなります。
「今日は少し発酵が早いな」「今日はゆっくり待った方がよさそう」
そんなふうに生地の様子を観察できるようになると、季節が変わってもパン作りがもっと楽しくなります。
夏の暑さが落ち着き、焼きたてのパンが恋しくなる季節。
ぜひその日の気温や生地の状態に合わせながら、秋のパン作りを楽しんでみてくださいね。

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コラム執筆:けいちょんさん

けいちょんさん
けいちょんさん

イーストだけでなく数種類の自家製酵母を使い、完全独学ながらお家で作れる「簡単だけど本当に美味しい家族が喜ぶパン」を日々研究中です。

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