薄力粉徹底比較|おすすめレシピで焼き比べ

お菓子作り

こんにちは。富澤商店オンラインショップでレシピ著者をしているちょりママです。
今月は徹底検証シリーズ。お菓子の粉で人気の「ドルチェ」と「エクリチュール」について深堀していきます。

お菓子専用の粉と聞くと敷居の高さを感じる方も多いと思いますが、案ずるより産むが易し。頭であれこれ考えるよりやってみるほうが手っ取り早く、何よりも大きな収穫となって返ってきます。
また、専用の粉といってもその幅は広く、違いを知るのもまた、前述と同じく試してみるほうが手っ取り早いのです。

今回の検証で私が見えたもの。それは「そのお菓子の本質」と「求める食感」にあると分かりました。
さて、みなさんも二大製菓粉の「ドルチェ」と「エクリチュール」の違いを探る旅に行きましょう~!

薄力粉(お菓子の粉)の選び方は?

お菓子用の薄力粉ひとつとっても、富澤商店オンラインショップでは15種類を取り扱っています。
一つ一つ取り上げていくと果てしない旅になるので、今回は二大人気の「ドルチェ」「エクリチュール」について焦点をあてたいと思います。それぞれの特徴を知ることで選び方のポイントもわかりやすくなりますね。
まず、なぜこの二種類を選んだのか。

私がお菓子を作るようになって最初に出会ったお菓子用の薄力粉は「ドルチェ」でした。
「お菓子を作るのに適した粉」であろうと商品名が言っているので、迷わず使ってみることに。
北海道産小麦100%を使用しており、お菓子全般に使える粉として人気です。
実際使ってみると料理で使っている薄力粉と違い、スポンジは食感や歯触りもよく、シンプルな卵やバターなど素材の風味を感じつつ、ふんわり小麦の香りが漂う。
一度使うと、お菓子を作るときはこれだな!とリピーターになることも納得しました。何より単純においしい!その一言でした。
スポンジ系の焼き菓子はしっとりと、クッキーを作るときはサクッと仕上がるのが特長です。

ドルチェを使い慣れたころ、他の粉の存在が目につくようになってきます。
エクリチュール」ってどんな粉なんだろう?ドルチェと何が違うんだろう?
お菓子作りでよく耳にするけれど何がどう違うのか、その興味はどんどん膨れていきました。
そんな矢先に試しやすい250gの使い切りパックを目にする。「試してね」と言わんばかりです。
エクリチュール」はフランス産小麦100%を使用。ドルチェと大きく違うのは仕上がりの食感にもあります。
ほろほろっとさせる食感はドルチェでは感じられなかった食感です。

そこで気づくのです。
お菓子ひとつとっても、作るお菓子の本質はどんな食感なのか。仕上がりの食感で粉を選ぶべきだったと。
自分が作りたいお菓子の完成形がどんなものが理想なのか、まずはそこを明確にイメージすることは薄力粉の選び方にとって大切な工程のひとつです。

フィナンシェで両者を作り比べて、食べ比べてみることにしました。

基本のフィナンシェで焼き比べ

両者の違いをわが家で人気のフィナンシェのレシピと合わせてご紹介します!
用意するのはこちら。

上記のレシピで出来るフィナンシェは8個なので、8個のフィナンシェ型を使用します。
型にはバターをぬり、冷蔵庫で冷やしておきましょう。

ドルチェ(又はエクリチュール)、アーモンドパウダー、ベーキングパウダーは合わせてふるっておきます。

鍋にバターを入れて溶かします。ぶくぶくと泡がでてきます。ゴムベラで混ぜて均一に香ばし状態までもっていきます。焦がしすぎには注意しましょう。
よいバターの状態で色止めをするために、氷水に鍋ごと冷やして温度を下げます。40℃程度になるまで冷やしてくださいね。

卵白、グラニュー糖、はちみつを合わせて、泡だて器で混ぜます。

下準備した粉類を加えてゴムベラでやさしく混ぜ合わせます。

ゴムベラに添わせながら、数回に分けて溶かしバターを加えていきます。

こちらはドルチェで作ったフィナンシェの生地と焼き上がり。

こちらはエクリチュールで作ったフィナンシェの生地と焼き上がり。
どちらも大きく差はありませんが、調理中エクリチュールのほうがもったりとした生地感がありました。

両者を食べ比べ

両者を食べ比べてみましょう!

左(ドルチェ)

表面はサクッとして、生地はふんわりとボリューム感があります。
生地がしっとりしているせいか、バターの風味が濃く、甘みも強く感じられたのは食感のせいかもしれません。

右(エクリチュール)

表面はサクッとして、生地はほろっ、ふわっの両者を感じられ軽い食感でした。
バターの量が多いフィナンシェを飽きることなく、何個でも食べ続けられそうな味わいでした。

頭に描く食感はどちら?

金塊や金の延べ棒をイメージしたといわれるフィナンシェ。
どっちが表面なのか迷うところもありますが、基本は型に密接している面が表面です。
お菓子そのものの本質はどのような食感がよいのか。
それを頭に描いて粉を選ぶと良さそうですね。

おまけとして。

ホロホロとした食感で有名なスノーボールクッキー(フランス語ではブルドネージュ)。
この食感のお菓子なら、私は迷わずエクリチュールを選びます!

いかがでしたでしょうか。
お菓子の粉ひとつとっても種類はさまざま。

迷ってしまうけれど、まずは手にして試してみる。
そこから広がるお菓子への道があるのも確かなことです。
富澤商店で扱うたくさんの粉の食べ比べをみなさんもぜひご自宅で楽しんでみてくださいね。
みなさんの富澤商店ライフのお役に立てるとうれしいです。

富澤商店オンラインちょりママレシピも合わせてどうぞよろしくお願いします!

コラム執筆:ちょりママさん

料理家 西山京子(ちょりママ)
公式Webサイト
この著者のレシピ一覧
フードコーディネーター・調理師・食生活/食育アドバイザー。「子どもも大人も一緒のごはん」をコンセプトに簡単レシピを発信。
企業レシピ・メニュー開発、書籍出版のほか、フードスタイリング、食育活動も多数。

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