ホットチョコレートとココアの違いとは?ひと手間かける本格的なレシピもご紹介

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こんにちは。富澤商店×クオカスタジオで洋菓子講師をしている舘野です。

皆さんは「ホットチョコレート」や「ココア」はお好きでしょうか。カフェなどで目にしたり飲むこともあるかと思います。さて、この2つの飲み物の違いはご存知ですか?
簡潔に説明することもできるのですが、今回は詳しくコラムでご紹介したいと思います。材料の違いとそれがもたらす味わいの違いなど、読んでいただくことで、この先飲む1杯が一層味わい深く感じられるはずです。
それぞれがどんな飲み物か、共通点と違いについてお伝えしたあとで、ひと手間かけるおいしい作り方とおすすめの材料についても詳しくご紹介します。ぜひご一読ください。

ホットチョコレートとは?

「ホットチョコレート」はチョコレート+牛乳で作った飲み物。
少しとろみのある口当たりで、チョコレートのおいしさを感じられるリッチな味わいが特徴です。

チョコレートの種類で味わいが変わるほか、甘さの調節に砂糖、カカオ感の調節にココアパウダーを追加することもあります。また、チョコレートそのものを味わうためにお湯だけで作るパティシエもいらっしゃるとか。
チョコレート専門店などで提供される「ショコラショー」はホットチョコレートのフランス語表記なので、同じものを指しています。

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ココアとは?

「ココア」はココアパウダー+牛乳+砂糖で作った飲み物。
ココアはホットチョコレートよりもやや軽い口当たりでスッキリと飲めるのが特徴です。
ここでいう「ココアパウダー」は純ココア・ピュアココアとも呼ばれるココア100%のパウダーのこと。お菓子作りにもよく使われます。

一方、調整ココアと呼ばれるドリンク用のココアもスーパーマーケットなどには並んでいます。こちらはココアパウダーに砂糖や脱脂粉乳などがすでに入っているものです。

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ホットチョコレートとココアの違いとは? 

ここからは2つの飲み物の違いについてご紹介していきます。

① 材料の違い

まず、ホットチョコレートとココアの違いをシンプルに書くと「チョコレートで作るのがホットチョコレート」「ココアパウダーで作るのがココア」と言えます。

② カカオバターの量の違い

では次に、「チョコレート」と「ココアパウダー」の作り方を簡単におさらいし、材料の違いがもたらす味わいの違いを見てみましょう。

チョコレート:カカオマスからカカオバターを取り出さず、砂糖を加え練り上げたもの

ココアパウダー:カカオマスからカカオバターを一定量取り出し、残りを粉末にしたもの

カカオバターはカカオマスに含まれる油脂分です。
ココアパウダーにもカカオバターは残っていますが、チョコレートの方が量が多いので、ホットチョコレートにはカカオバター特有のコクが感じられます。そして練り上げたことによるなめらかさも加わって、濃厚でとろっとした美味しさが生まれます。
対してココアはカカオバターの量が控えめなので適度なコクはありつつも、サラッと飲むことができるのです。

③ 香り・酸味と深み

また、チョコレートはカカオ本来の酸味や香りが楽しめることも大きな特徴です。商品毎にさまざまな味わい・香りの違いを楽しめます。
一方、ココアパウダーは製造時の高温加熱によってカカオ本来の香りが薄れます。また、殆どのココアパウダーはアルカリ処理でカカオの酸味を中和するため、深みが際立った味わいに仕上がります。
とろっと濃厚でカカオ本来の味や香りが楽しめるホットチョコレートと、適度なコクと深みがありつつもサラッと飲めるココア。
違いを知ると、その時の気分で飲み分ける楽しみがうまれそうですね。

おいしいホットチョコレートの作り方・レシピ

それではここからは実践編です。
ひと手間かかるけれどそのぶんおいしい、そんなおすすめの作り方と材料をお伝えします。
まずはホットチョコレートです。作り方のポイントは「乳化」
チョコレートには油脂が含まれ、牛乳は水分です。相反する2つの材料は、単に混ぜただけだと少し時間を置いただけで2層に分かれてしまいます。乳化のステップを意識することでホットチョコレート特有の「とろっと」した感じが持続します。

ホットチョコレートはチョコレート自体の味・香りがダイレクトに伝わるので、どんなチョコレートを使うかが最も重要です。おすすめはカカオ分60%以上のダークチョコレート。甘さやミルク感は砂糖と牛乳の量で調整できるので、カカオ感がしっかりあるチョコレートを選びましょう。
ヴァローナなどの奮発したチョコレートを使うとチョコレート専門店の「ショコラショー」のような味わいで優雅な気分に浸れます。

ホットチョコレートの材料

作り方

  1. 電子レンジ用のボールに軽く割ったチョコレートと、牛乳のうち大さじ2を入れます。
  2. 500〜600wの電子レンジに30秒〜1分ほどかけて、チョコレートがとろっとするまで加熱します。
  3. 泡だて器でよく混ぜて乳化させます。全体がつややかでとろっとした感じがあればOKです。
  4. 残りの牛乳を加えて軽く混ぜ、沸騰手前まで再度レンジにかけます。
  5. カップにいれたら出来上がり。

おいしいココアの作り方・レシピ

続いてはココア。作り方のポイントは「煎る」と「練る」
煎ることで深みが際立ち、練ることで粉っぽさのないなめらかな口当たりに仕上がります。

カカオの香りや深みがお好きな方はヴァローナ社のカカオパウダーがおすすめです。他社のココアと比べると少しお値段は張りますが、その味わいは格別で、一度使うと手放せなくなります
また、お砂糖はきび砂糖やブラウンシュガーなどの茶色いお砂糖を白いお砂糖とブレンドするのがおすすめです。ココアパウダーのコクを程よく高めてくれます。

ココアの材料

作り方

  1. 小鍋にココアパウダー、グラニュー糖、きび砂糖を入れゴムベラでよく混ぜます。
  2. ゴムべらで混ぜながら、弱火で1分ほど煎ります。(煎る時間を長くすると、さらに香ばしさと深みが際立ちます。)
  3. 一度火を止め、牛乳のうち大さじ2を入れて泡だて器でダマが残らないようによく混ぜます。
  4. 再び弱火にかけ、ゴムベラで混ぜながら1分ほど練ります。なめらかなソース状になっていればOKです。
  5. 残りの牛乳を加え、沸騰手前まで温めます。
  6. カップに入れたら出来上がり。

どちらのレシピも沸騰させてしまうと表面に膜が貼って口当たりが悪くなるのでお気をつけください。
また、どちらのレシピも比較的甘さは控えめに仕上がっていると思います。
ドリンクのレシピはシンプルなぶん、材料の種類によって味が大きく変わります。レシピの自由度は高いので、好みに合わせて分量を調節しながら、オリジナルレシピを作ってみてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?
実は、私自身はあまり甘い飲み物が得意ではないのですが、今回、ヴァローナ社のチョコレートでホットチョコレートを作って飲んでみたところ、その味わい・香りにうっとりとし、すっかり魅了されました。チョコレートをそのままかじるよりも、味や香りが広がりやすいので、チョコレートの味を愉しむのにぴったりだと思いました。

みなさまもお気に入りのチョコレートやココアパウダーを使って、手作りのホットチョコレートやココアを愉しんでいただけたらと思います。

コラム執筆:舘野真里さん

舘野真里さん
舘野真里さん

製菓学校を卒業後、食品メーカーでの企画開発を経て、富澤商店×クオカスタジオをはじめ各地で洋菓子講師・レシピ開発をしています。