ベーカーズパーセントとは?徹底解説!パンの基本配合とおすすめレシピ6選

パン作り

こんにちは。富澤商店オフィシャルクリエイターのけいちょんです。
今回は基本に立ち返り、パン作りをする上でぜひ知っておいてほしいベーカーズパーセント(ベーカーズ%)について解説しようと思います。

聞いたことがあるけど気にしたことがないという方も、全く聞いたことがないという方もいらっしゃると思います。ぜひこの機会に知っていただき、これからのパン作りに活かしていただければ嬉しいです。
それでは早速解説させていただきます。

ベーカーズパーセント(ベーカーズ%)って何?

ベーカーズ%とは、粉に対してのその他の材料の配合されている割合を表したものです。
粉とはレシピ中の小麦粉・ライ麦・米粉などの主となる粉のことです。ここには基本的に砂糖やスキムミルク等は含みませんが、レシピによってはココアパウダーや抹茶パウダーが含まれている場合もあります。
どちらの場合でも、ベーカーズ%の計算式は同じです。(以下に記載)

ベーカーズパーセント(ベーカーズ%)は何に役立つの?

一般向けのレシピは基本的にg数表記となっていますが、g数表記のレシピではレシピと同じ分量でしか作ることができません。

例えば、我が家のオーブンは小さめだからレシピ通りの8個の分量ではなく5個の分量で作りたい、逆にレシピでは粉が160gだけど残っている粉が185gあるから使い切ってしまいたい、という様な時にベーカーズ%を知らないと他の材料は何g必要なんだろう、と頭を悩ませてしまいます。

そんな時に役立つのがベーカーズ%です。
ベーカーズ%を使えば、簡単に他の材料の分量もレシピと同じ割合で算出することができます。
プロ向けのレシピで単位が1500gなど家庭向きではない分量のものも、自分の家庭に合わせた分量で作ることができる様にもなります。

ベーカーズパーセント(ベーカーズ%)を求める計算式

ベーカーズ%は以下の式で簡単に計算することができます。

「材料のベーカーズ%」=「材料の分量(g)」÷「粉の分量(g)」×100

例えば、強力粉130gのレシピで水95gのベーカーズ%を知りたい時は

「95(g)」÷「130(g)」×100=73%

つまり水のベーカーズ%は73%となります。
このベーカーズ%が分かれば粉が何gになっても他の材料の分量を以下の式で計算することができます。

「求めたい材料の分量(g)」=「粉の分量(g)」×「材料のベーカーズ%」

つまり、先ほどのレシピを粉170gで作りたいと思ったときに、水の分量を計算するには

「170(g)」×73%=124.1(g)

粉170gで作るときに必要な水の分量は124gとなります。
ここで重要なポイントは、イーストと塩は0.1g単位で計算するということです。
この2点は全体の味のバランスや発酵時間に影響があるため細かく計算しましょう。

それ以外は大きな影響はありませんので0.5g単位で四捨五入しても問題ありません。
ベーカーズパーセントを理解したらしっかりと計量することが大事です。
その場合は微量モードのあるスケール(はかり)を使用しましょう。

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さて、上記を踏まえて、基本のプチパン6個分のレシピ材料のベーカーズ%を計算してみます。

材料分量ベーカーズ%(計算式)
強力粉200g100%(200÷200×100)
145g72.5%(145÷200×100)
3g1.5%(3÷200×100)
ドライイースト0.3g0.15%(0.3÷200×100)
きび砂糖10g5%(10÷200×100)

このレシピを強力粉190gで作りたいな、と思った時は

「粉の分量(190g)」×「求めたい材料のベーカーズ%」

の式を使い他の材料の分量を計算することができます。
また、5個分だけ作りたいな、という場合はまず一個分の強力粉を計算し、その分量を必要個数分かけると計算できます。

一個分の強力粉の分量=200÷6=33.3(約33g)
5個分に必要な強力粉の分量=33×5=165(165g)

となります。
なので、165g×「求めたい材料のベーカーズ%」でそのほかの材料の分量も計算することができます。

ベーカーズパーセント(ベーカーズ%)を見てわかること

ベーカーズ%は単に材料の計算に役立つだけではありません。

ベーカーズ%を見て、普段作っているパンよりも水分量が少ないパンだな、バターが多いパンだな、と単に分量を見ただけでは分かりづらいレシピの構造を知ることができます。
ベーカーズ%を知ることで、レシピを自分好みにアレンジすることもできます。

例えば、

「塩分を控えたいからレシピでは2%の塩だけど普段作っている1.5%の塩で作ろう」
「抹茶味にしたいから抹茶パウダーを3%加えよう」

という様に味に変化をつけたり、体調に合わせた調整もできる様になります。
そのために知っておきたいのが基本配合(割合)です。

パン作りは酵母(生き物)が働き形になるので、基本の配合から大きくずれてしまうと発酵に影響が出てうまく作れないこともあります。基本的な配合の割合を知っておくことで、ある程度アレンジを加えても思っても見ないような失敗をすることがなくなりますし、失敗しにくいレシピの見極めもできる様になります。

パン材料の基本配合

基本的な配合をご紹介します。
もちろんレシピにもよりますが、一般的な目安として参考にしてみてください。

水…約65%前後

少なすぎると生地が硬くてこねにくくなり、多すぎるとベタついてこねにくくなります。
ベーグルは水分が少なめで55%〜60%、食パンや菓子パンは65%前後、ハード系のパンは70〜80%、それ以上の時もあります。
★卵や牛乳も水分として計算されますが固形分が多いため、卵は重量の70%牛乳は約90%を水分量として計算します。

■塩…1.7%前後

塩を入れることでグルテンを引き締めます。塩が少ないとグルテンにコシがなくなりあまり膨らまない生地になります。また塩はパン生地の味の基本になります。少なすぎると水っぽい味に感じ、多すぎると塩っぱすぎて食べられなくなります。
基本的には菓子パン系などは1.7%ほど、フランスパンなどリーンな生地には2%前後配合されます。
2%ほど加えることで雑菌の繁殖を抑える効果もあります。

■砂糖…0〜15%

入れない場合もありますが、砂糖を入れることで発酵が安定し焼き色もつきやすくなります。
砂糖が多くなるとベタつきこねにくくなります。また多くなることで発酵が阻害されるため砂糖が多い生地の場合は耐糖性のイーストを使います。
多くなると生地が緩くなるので水分の調整も必要です。

■バター…0〜15%

入れない場合もあります。入るバターの量が増えると生地が柔らかくなります。
ただし多すぎると逆にパサつきの原因になったり、生地が途中でダレたりバターが分離して成形の時にうまくとじ目がとめられないなど扱いにくい生地になりますのでこね方や生地の温度管理に注意が必要になります。

■酵母(イースト)…0.1〜3%

酵母の種類や糖分や発酵方法(製法)により量のコントロールや使い分けされます。
低温長時間発酵の場合は0.1%程度のごく少量を使う場合もありますし、天然酵母の元種になると20%ほどになることもあります。
ストレート法で作る菓子パン生地などふんわり系のパンなら1.5〜2%(ドライイーストの場合)が一般的です。
多すぎる場合は酵母独特の匂いが強くなり風味が悪くなったり、過発酵になることもありますのでパン生地の配合と作り方によって適切な酵母を選び、適量を守ることが大切です。

まとめ

いかがでしたか?
ベーカーズ%を意識してパン生地をこねていくことでパン作りの幅が広がり、生地に対しても理解が深まります。
今までなんとなくレシピ通りに作っていたパンを、作りたい分量で好みの味に作れる様になります。
ベーカーズ%を見ればどんな味なのか、しょっぱい?甘い?そして固い生地?柔らかい生地?とそのパンの特徴が見えてきます。
また、レシピ選びの役に立ったりパン作りでの失敗も少なくなってきます。

これまでベーカーズ%を意識したことがなかった方も、ぜひベーカーズ%を覚えてパン作りを楽しんでくださいね!

けいちょんさんのパンレシピ6選

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コラム執筆:けいちょんさん

けいちょんさん
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イーストだけでなく数種類の自家製酵母を使い、完全独学ながらお家で作れる「簡単だけど本当に美味しい家族が喜ぶパン」を日々研究中です。