《ピアソンスクエア法の自動計算ツール》をご利用の方はこちらから
こんにちは。富澤商店オンラインショップでレシピ著者をしているちょりママです。
今月はお悩み解決シリーズ。
生クリームは、泡立ててホイップクリームにすると驚異の威力を発揮しますよね。ただ、少し悩ましいこともあるようで…。
生クリームには種類がいろいろ。表記されている「〇%」はどんな違いがあるのか。いつも使っているから。何となく使っている、など。
はたまた、レシピに書いてある同じ脂肪分の生クリームが手に入らないからどうしよう!?そんなことも経験された方も多いはず。紐を解くと次からは自信をもって使える!そんなフレッシュクリームワールドへ進んでみましょう!
生クリームの「36%」「45%」などの「%」は何?

生クリームは牛乳の中に含まれる「乳脂肪分」を濃縮したものです。
生クリームに記載されいてる「〇%」とは、乳脂肪分の割合なのです。
成分表に「生クリーム」と表記されているものは、「乳脂肪分の含有量が18%以上で、乳化剤・安定剤・植物性油脂などの牛乳以外の成分を一切含まないもの」とされています。
それ以外のものは、「乳製品を主要原料とする食品(乳主原)」等と記載されています。
「生クリーム」と表記されているものは、濃厚なミルクの風味とコクがあり、添加物のないものを選びたい方におすすめ。
乳脂肪分の含有量が18%以上で成分無調整の牛乳のみで作られるものが「生クリーム」と表記できますが、乳脂肪分30%くらいまでは、実はホイップをすることができません。
生クリームの乳脂肪分と泡立ちの関係


また、生クリームの中でも脂肪分が高いほどコクのある味わいで、脂肪分が低いとゆるやかな泡立ちに仕上がるのが特徴です。
生クリームでもホイップができる(しやすい)ものとそうでないものがあります。
その境目は、40%前後です。
35%~38%の脂肪分は、ムースやババロア、アイスなどに利用すると良いでしょう。
40%以上の脂肪分は、デコレーション向きです。
ただし、高脂肪ほど泡立ちやすい反面、分離がしやすくなるので低速で泡立てて様子をみながら作業するのがおすすめです。一度立ちすぎたものを修正するのは至難の業です。
特に便利なハンドミキサーは低速といえど威力が強いので、ボウル半分の生クリームを泡立てて混ぜ合わせていくとよいでしょう。
富澤商店で購入できる生クリームはこちら
レシピ指定の乳脂肪分の生クリームが無い時の対処法

デコレーションにベストな生クリームは、乳脂肪分が40~42%と言われています。
「作業がしやすい40%」「作業しやすくコクを加えたい42%」と覚えるとよいでしょう。
ただ、その乳脂肪分の生クリームが手に入らない時は?そんな時に役立つある方法があります。
ピアソンスクエア法で欲しい乳脂肪分の生クリームを作る
ピアソンスクエア法をマスターすると、その時の具材に合わせて生クリームの微調整が可能になります。
時に、料理は算数かな?と思うことがあるのですが、今回はそれを痛感することでしょう。
ピアソンスクエア法とは?

異なる濃度のものを混ぜ合わせて希望する濃度を作り出す、「ピアソンスクエア方法」という計算方法をご紹介します。
この計算方法を使えば、生クリームのほか、チョコレートのカカオ成分やアルコール濃度などにも応用できます。
但し、作りたい乳脂肪分は使う2つの生クリームの乳脂肪分の中間の濃度であることが前提です。

まずは、数式を整理していきましょう。
A : 乳脂肪分の高い生クリーム(%)… 45%
B : 乳脂肪分の低い生クリーム(%)… 36%
C : 作りたい乳脂肪分の生クリーム(%)… 40%
D : CーB=4
E : AーC=5
F : 作りたい生クリームの量(ml)… 300ml
Aの分量とBの分量を算出します。
Aの分量:300×4/(4+5)=133ml
Bの分量:300×5/(4+5)=167ml
乳脂肪分45%と36%の生クリームで、乳脂肪分40%の生クリームを300ml作りたいのそれぞれの量は、
45%が133ml
36%が167ml
となりました。

今度は、乳脂肪分45%と35%の生クリームで、乳脂肪分42%の生クリームを作ってみましょう。
算出は同様です。
A : 乳脂肪分の高い生クリーム(%)… 45%
B : 乳脂肪分の低い生クリーム(%)… 35%
C : 作りたい乳脂肪分の生クリーム(%)… 42%
D : CーB=7
E : AーC=3
F : 作りたい生クリームの量(ml)… 300ml
Aの分量とBの分量を算出します。
Aの分量:300×7/(7+3)=210ml
Bの分量:300×3/(7+3)=90ml
今度はサクサクとできるようになりました。
面白くなって色々とやっていたら気づいたことがあります。

乳脂肪分45%と35%の生クリームで、乳脂肪分40%の生クリームを300ml作ろうとしたとき、
なんと150mlずつでよいということです!
せっかくなので計算式にいれてみましょう。
A : 脂肪分の高い生クリーム(%)… 45%
B : 脂肪分の低い生クリーム(%)… 35%
C : 作りたい脂肪分の生クリーム(%)… 40%
D : CーB=5
E : AーC=3
F : 作りたい生クリームの量(ml)… 300ml
Aの分量:300×5/(5+5)=150ml
Bの分量:300×5/(5+5)=150ml
この二つを手にすれば、半々の割合で乳脂肪分40%の生クリームを作ることができ、どちらかを多く余らせることなくバランスよく消費できますね!
ピアソンスクエア法 《 自動計算計算ツール 》
ここまで実例も絡めてピアソンスクエア法をご紹介しましたが、
計算式を自分で解くのが大変!という方に「ピアソンスクエア法の自動計算ツール」をご用意しました!
ツールの各項目に数値を入力して計算するボタンを押すだけです。是非ご活用ください!
何かと便利な乳脂肪分40%の生クリームのご紹介

ここまで乳脂肪分についてや、ピアソンスクエア法についてご紹介してきました。
最後に最近おすすめな生クリーム「明治 おいしい生クリーム」をご紹介します。
「明治 おいしい生クリーム」は乳脂肪分が40%。
脂肪分の調整もなく、必要な分だけ同じものを手にすればよいという理想的な生クリームです。

スタンドパック式で蓋つき。
注ぎやすさと必要な分だけ使えるお手軽さもあります。
生クリームは日持ちするものではありませんが、それでも新鮮なうちにいろんなものに使いたい。
我が家では残った生クリームはアイスを作って、冷凍庫でおいしく保存しています。
(そのために生クリームを買うこともしばしばです…)
乳脂肪分にこだわったお菓子作りを楽しんでみよう

デコレーションのホイップにも脂肪分にもこだわってみる。
これぞ、我が家のデコレーションケーキ!
生クリームを1種類で作るもよし、2種類を混ぜ合わせて調整するもよし。
トッピングとの相性でホイップも変えたら、クオリティが跳ね上がること間違いなしです!
みなさんの富澤商店ライフのお役に立てるとうれしいです。
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コラム執筆:ちょりママさん

フードコーディネーター・調理師・食生活/食育アドバイザー。「子どもも大人も一緒のごはん」をコンセプトに簡単レシピを発信。
企業レシピ・メニュー開発、書籍出版のほか、フードスタイリング、食育活動も多数。