発酵あんことは? 失敗しない、美味しく作る秘訣とは?

基本・初心者

こんにちは。富澤商店にてレシピ著者をしておりますマスダアイミです。
餡子と言えば、小豆などの豆類を煮て、砂糖を加え練り混ぜたものですが、お砂糖を使わないで作る餡子があります…それが発酵あんこです。
発酵あんこは豆と麹を使い、麹の効果で甘さを出していきます。優しい甘さが特徴です。
どうやって作ったら美味しく作れる?作ってみたけど酸っぱくなってしまう、甘くならなかった…何故?
そんな疑問を紐解きながら、発酵あんこについて深く知っていきましょう!

発酵あんこが甘くなる理由って?~麹の酵素が大活躍!~

砂糖を入れないのに何故甘くなるのか…?
その理由は私たちがご飯粒をよく噛むと甘く感じる原理と似ています。
まず、ご飯粒をよく噛むと甘くなるのは、人間の唾液中にお米を分解する「酵素」が入っているから。
ご飯のでんぷんを酵素が分解して、細かいかたちにすると人は甘味を感じ取るようになります。
これが発酵あんこを作る過程でも起こっていて、この時の「酵素」は麹がたくさん持っています。
麹の酵素が豆と麹自身を分解することで、でんぷんが細かいかたちになり甘味を感じるようになります。素材から引き出された自然な甘味という訳ですね。

甘くならない・酸っぱくなった…その原因は??

発酵あんこを作ったことがある人の中で、こんな意見を聞くことがあります。
「全然甘くならなかった」「酸っぱくなってしまった」その原因はなんでしょう・・??

麹を使った発酵食を作るうえで大事なのが「温度管理」になります。
前記した、甘さを感じる要因の「酵素」には、よく働く為の最適温度があるのです。

まず、酵素は熱すぎると失活してしまいます。温めすぎて70℃を越えた状態を維持してしまうともれなく酵素は失活してしまうので甘さが出なくなってしまいます。
また、低めの温度で作ってしまうと、甘くする為の酵素がよく働く温度帯からは大きく外れている為、酵素の働きが最大限に活かされず、甘さが弱い仕上がりになってしまいます。

そして、酸っぱい仕上がりになるのは低めの温度で作った時に起こりやすいです。
40℃近辺を維持して作ると、この温度帯では乳酸菌が活発になる為、乳酸を出すことで出来上がった発酵あんこが酸っぱくなる可能性があります。

このような理由から、安定した仕上がりにしたいのであれば、温度は55℃~60℃あたりに保ち、温度管理をしっかりと行うことが重要なのです。

美味しい発酵あんこを作る為のひと工夫

発酵あんこは、酵素のはたらきを利用して作る事が分かりました。それを踏まえて酵素の効果を最大限に発揮させ、より甘く仕上げるためのポイントやひと工夫をお伝えしたいと思います。

豆(小豆)はしっかり柔らかくなるまで煮ること

麹の酵素が分解しやすいでんぷんの形にしてあげる事が大事です。それは私たちが食べやすい・消化しやすい状態と同じ。小豆を茹でずに固いまま食べませんよね。柔らかく加熱して食べると思います。
加熱して柔らかい状態になったでんぷんの形にすることで消化できる状態になります。
麹の酵素も柔らかいでんぷんの形にしてあげることで分解しやすくなるので、豆(小豆)は中までふっくら柔らかい状態にしてあげると酵素がはたらきやすく、甘味も出やすくなります。

よく潰して、混ぜてあげる

麹の酵素が分解しやすいでんぷんの形にしてあげる事が大事です。それは私たちが食べやすい・消化しやすい状態と同じ。小豆を茹でずに固いまま食べませんよね。柔らかく加熱して食べると思います。
加熱して柔らかい状態になったでんぷんの形にすることで消化できる状態になります。
麹の酵素も柔らかいでんぷんの形にしてあげることで分解しやすくなるので、豆(小豆)は中までふっくら柔らかい状態にしてあげると酵素がはたらきやすく、甘味も出やすくなります。

水分が多くなってしまったら?

発酵あんこは保温することでゆるくなっていくので、仕込み時に水を入れすぎると仕上がりが水っぽくなってしまうことがあります。
失敗してしまった!と思いがちですが食べてみて甘くなっていれば大丈夫!水っぽさを改善したいのであれば、鍋に移して加熱して水分を飛ばしてあげると良いです。
加熱すると栄養が失われてしまうのでは?麹が死んでしまうのでは?そう思いがちですが問題ありません。
麹菌自体は初めに水と合わせた瞬間に水没して死んでしまっています。麹菌は死んでも酵素がはたらくので、しっかり甘くなれば完成しています。
そして加熱に弱いビタミン類の栄養素は多少壊れますが、栄養成分は残っていますし加熱することで殺菌効果もありますので、保存するのに状態が変化しづらくなります。

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発酵あんこ、おすすめの食べ方

スコーンと一緒に

発酵あんことスコーン

出来上がった発酵あんこはどうやって食べればよい?迷いますよね。
私が普段行っている食べ方をご紹介したいと思います。
まずはパンに塗って食べる!が定番ですがスコーンに合わせるのも良いです。

豆乳ココアに混ぜて

発酵あんこ入り豆乳ココア

そして、無糖ココアに豆乳を合わせたものに、発酵あんこを混ぜていただくのも◎。
ほんわり発酵あんこの甘味が加わり、ほっとするドリンクになります。

発酵あんこ入り豆乳ココアの材料
  • 発酵あんこ 約50g
  • 無糖ココア 5g
  • 豆乳(または牛乳) 150g

上記の材料を小鍋に入れ、混ぜ合わせて加熱したらコップに移したら完成。
コップの底に残った小豆を最後にスプーンですくって食べるのがお気に入りです。

白玉だんごに合わせて

発酵あんこと白玉だんご

白玉だんごと合わせるのもおすすめ。

白玉だんごの材料
  • 白玉粉 15g
  • 上新粉 15g
  • 水 適量(15g~)

白玉だんごは、白玉粉と上新粉をボウルに合わせて、水を少しずつ足して揉みながら耳たぶ程度のかたさにしたら丸めて、沸騰した湯が入った鍋の中に入れ、白玉だんごが浮いてきたらそのまま2分程そのまま加熱して、冷水にとってください。

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日々の暮らしのおやつ時間に

砂糖不使用でからだに優しい発酵あんこ。甘さをしっかり出すために麹の酵素の働きを理解して、
失敗なく美味しく作りましょう!
日々の暮らしのおやつ時間に、是非活用してみてください。
お砂糖を使っていない代わりにお米を入れているので、決してダイエットに効く!痩せる!というものではないので食べすぎには注意してくださいね。

コラム執筆:マスダ アイミさん

マスダ アイミさん
マスダ アイミさん

湘南・茅ヶ崎にてパン教室「OVEN 暮らしのパン教室」主宰。

『お家のオーブンから幸せを』をモットーに、
国産小麦や手に入れやすい範囲でのこだわり素材を使い、
作りやすいのに美味しい!と思えるパン作りを提案されています。

天然酵母を使ったレシピを中心としてパンや酵母菓子など、
特に、白神こだま酵母の良さや魅力を提案されています。

2024年には麹や発酵食のスペシャリストである「薬膳麹士」を取得され、同年10月より、『パンと麹をメインに、発酵をふだんの暮らしに取り入れる!』をテーマとした オンライン教室「発酵 暮らしごと」を開催されています。

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