フィナンシェは型で変わる!浅型と深型の焼き比べと基本のレシピご紹介

比較・検証

こんにちは!オフィシャルクリエイターのけいちょんです。
バターの香りとアーモンドの風味が広がる人気の焼き菓子「フィナンシェ」。
実はこのフィナンシェ、どんな型で焼くかによって食感が大きく変わるのをご存知ですか?

そこで今回は、同じ生地を浅型と深型の型に分けて同時に焼成してどう違うのかを検証しました!
見た目や厚み、そして食感の違いを比較してみましたので、型選びの参考にぜひご覧ください。

比較する2種のフィナンシェ型について

左)cuoca×CHIYODAフィナンシェ6個型 右)深めのフィナンシェ型6P

今回使用した型はこちらの2種類。
左側がcuoca×CHIYODAフィナンシェ6個型、右側が深めフィナンシェ型6Pです。

左)cuoca×CHIYODAフィナンシェ6個型 右)深めのフィナンシェ型6P

どちらも6個取りですが、CHIYODAの方はやや縦長です。深めのフィナンシェ型のほうが横幅がやや広くなっています。

深さはCHIYODAが12mm、深めのフィナンシェ型は18mmなのでCHIYODAの1.5倍の深さになります。
裏返しで見るとより違いがわかりやすいですね!

フィナンシェとは?

フィナンシェ

フィナンシェは、アーモンドパウダーと焦がしバターをたっぷり使ったフランス生まれの焼き菓子のことです。
小さな長方形の型に入れて焼くのが一般的で、外はカリッと香ばしく、中はしっとりとした食感が特徴です。名前の由来はフランス語の「financier(金融家)」からきており金塊に似た長方形の形が由来とも、金融街で働く忙しい人たちが片手で気軽に食べられるお菓子だったからともいわれているそうです。
フランスでは、カフェやパティスリーで定番のお菓子として親しまれていて、エスプレッソや紅茶と合わせて気軽に楽しむスタイルが一般的です。
小ぶりで食べやすいため「おやつ」や「ティータイムのお供」にぴったりで、マカロンやマドレーヌと並ぶ“ちょっと贅沢な焼き菓子”としてギフトにもよく使われます。
プレーンのほか、チョコやピスタチオ、フルーツをのせたアレンジも多彩で日本ではお土産や贈り物の定番です。

フィナンシェの決め手 焦がしバター!

フィナンシェの決め手は、ナッツのような香りが広がる「焦がしバター(ブールノワゼット)」。絶対外せないマストアイテムです。
ただ、焦がしバターを作る際に鍋底に沈む乳固形分には、香ばしさと同時に苦味もあります。
そこで私は濾してから使用しています。
この一手間で澄んだ風味で上品に仕上がり、焼き色もきれいにまとまります。
また、我が家では子どもも食べるので、濾すことでビター感を抑え、食べやすく仕上げる目的もあります。
一方で「香ばしさをもっと強めたい!」という方は、濾さずにそのままでOK。香ばしく芳醇な香りで深みがあります。
濾すか濾さないかは食べる方のお好みに応じて選んでくださいね。

基本のフィナンシェのレシピ

フィナンシェの材料(6個分)

今回はこの生地を倍量仕込み、浅型・深型の型に流して比較しています。

フィナンシェの作り方

準備①:焦がしバターを作る
バターを鍋に入れます。弱めの中火にかけて溶かしていきます。
最初はじゅわじゅわと水分が出て、表面に白い泡(乳成分)が浮いてきます。

さらに加熱して泡が大きくなり、鍋底が見えるようになってきたら注意しましょう。乳成分が鍋底で薄茶色に色づき、ナッツのような香りがしてきます。

火を止めるタイミングは全体がきつね色になり、香ばしい香りが立ったらすぐ!焦げやすいので余熱で火が入ることを考えて、気持ち早めに止めるのがコツです。濾さずに使う方は鍋を冷水に当てて冷まします。濾す場合はペーパーを敷いたストレーナーで濾します。今回は2枚組1組のティッシュペーパーを分割して1枚にしたものを使用しています。厚手のキッチンペーパーなどはバターを吸い込みすぎて分量が減ってしまうので薄手のペーパーを使用するのがおすすめです。

濾すと透明感のあるバターになります。
沈殿物を残せば香ばしさが増し、濾せば上品な風味に仕上がります。今回のレシピでは濾していますがお好みに応じてお好きな方法でつくってみてください。
濾した焦がしバターは約50gになります。

準備②:型の準備とオーブンの予熱
型にスプレーを吹きかけておきます。オーブンは180度に予熱しておきます。

準備③:材料の計量

作り方1.

卵白にはちみつとグラニュー糖を加えてよく混ぜ合わせます。

2.

アーモンドプードルと薄力粉、塩をふるい入れ、ホイッパーで滑らかになるまで混ぜます。

3.

焦がしバターを加えて均一になるまで混ぜたら生地の完成!

4.

型の深さの8割程度まで生地を注ぎます。

5.

予熱の完了したオーブンに入れ、180度で10〜12分、こんがり焼き色がつくまで焼きます。

今回は両方同時に焼き、CHIYODAのフィナンシェ型を10分、深めフィナンシェ型は12分焼いて取り出しました。
焼き上がり、型から出す前の写真です。すでに深めのフィナンシェ型の方がふっくらしている感じがします。

6.

焼き上がったら熱いうちにケーキクーラーに取り出して粗熱をとって完成です。
深さがある分、深めフィナンシェ型は長めに焼いたのでしっかりと焼き色がついていますが、どちらもカリッと香ばしく焼き上がりました。

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焼き上がり比較

横から見て

左)CHIYODA形 右)深めのフィナンシェ型

CHIYODAのフィナンシェ型は薄く、深めのフィナンシェ型はふっくらと焼き上がり高さを比較するとその違いは一目瞭然です!

断面

左)CHIYODA形 右)深めのフィナンシェ型

断面を比較すると、どちらもしっとりとフィナンシェらしい内層に焼き上がりました。フィナンシェの側面から見た比較では厚みの違いが大きく感じられましたが、カットした中心付近は数値通り深めフィナンシェ型が1.5倍ほどの厚みであることがわかりますね!

食感の違いと感想

味はどちらもこんがり香ばしい表面と、しっとりとしたバターの香る内層で美味しいです!
一方で食感は、CHIYODAのフィナンシェ型の方がカリッサクっとしたクラストが印象強く、食べていて軽く感じます。深めフィナンシェ型はバターのしっとり感とふっくら感のあるクラムで満足度が高い!同じ生地を焼いても印象が違うのがとても面白く楽しい比較でした!
ちなみに、我が家では子供はCHIYODA型、大人は深めフィナンシェ型で焼いた方が好みで意見が分かれました。
どちらの型で焼いたものも等しく美味しいですが、食べた時の印象が違うので軽めが好みの方はCHIYODA、満足度が高い方が好みだったり、フィリングやトッピングをたくさんしてみたい方、しっとり食感がお好きな方は深めフィナンシェ型がおすすめです。私は両方の型を使い分けてその都度気分に合わせて焼きたいなと思いました!
ぜひ皆さんもお好みのフィナンシェ型を見つけて焼いてみてください!

コラム執筆:けいちょんさん

けいちょんさん
けいちょんさん

イーストだけでなく数種類の自家製酵母を使い、完全独学ながらお家で作れる「簡単だけど本当に美味しい家族が喜ぶパン」を日々研究中です。

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