夏のパン作りのお悩み解決!| 過発酵、ダレる生地、適切な保存方法まで解説。

基本・初心者

こんにちは!オフィシャルクリエイターのけいちょんです。
だんだん気温も湿度も上がってきて、「パン作り、なんだかうまくいかないな…」と感じていませんか?
実はそれ『夏のパン作りあるある』なんです。
いつも通りの手順でも、季節が変わると生地の反応はまったく別物。
でも、ちょっとした工夫を知っているだけで、暑い季節でもぐんと作りやすくなります。
今回は、そんな夏によくあるお悩みを3つ上げ、どう気をつけたらいいか、その方法までを初心者さんにもわかりやすくご紹介します!発酵、生地の扱い、保存…それぞれの“困った”を解決して、夏でもパン作りをもっと楽しんでいきましょう

お悩み①「レシピ通りに発酵させたのに生地が緩い。」

過発酵のパン

「レシピ通りに発酵させたのに、なんだか生地が緩い、ぼわぼわする…」、「クープが急に開かなくなった」、「思ったように膨らまなかったり、発酵が途中で止まってしまった気がする」
暖かくなってくると、そんなご相談を受けることがあります。
これらの理由は “発酵の進みすぎ(過発酵)”が原因であることが多いです。

発酵の見極め方

夏は室温が高く、合わせて材料や道具の温度も高くなっています。寒い〜涼しい季節と同じように作っていると生地温度が上がり過ぎてしまい、発酵が想像以上に早く進むことになります。
発酵時間の目安は「◯分」と時間で管理することが多いですが、暖かい時期は思った以上に発酵が早く進むので時間で管理するのではなく、生地の様子を見ながら判断するのが一番大切です。

発酵の見極め方 = 生地の表面にハリや艶があるかを見る

発酵が適性の生地

パン生地の見極めが難しい初心者の方は、指に粉をつけて生地を軽く押すと、跡がゆっくり戻るか少し残る程度で次の工程に進むのがベスト。
分割や丸め、成形に時間がかかる場合は2倍ではなく1.8倍くらいで取り掛かると発酵の進み過ぎを防ぐことができます。(早く切り上げ過ぎないよう1.8倍まで待ちましょう)

過発酵の生地
発酵が進み過ぎてハリがない潰れた生地

発酵の進みが早い時の工夫

大きめの保冷バッグに保冷剤を入れてバッグ内の温度を調整して発酵させる 

保冷バッグに小さめの保冷剤を入れると室温よりも低い環境を作ることができます。
バターが多い生地など高い温度で発酵させないような生地の場合はこの方法がおすすめです。

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オーバーナイト発酵(冷蔵発酵)で作るパンのレシピを試す

冷蔵庫で長時間発酵させるため、過発酵になる心配が少なく、夜に仕込んで朝焼くので比較的朝の時間に余裕ができやすい夏にはぴったりの製法です。

オーバーナイト発酵のおすすめレシピ

お悩み②「生地がダレてべたつく」

生地がダレてベタつく原因

ダレてべたついた生地

「丸めたつもりが、すぐにダラーンと広がる…」、「成形中に生地が手についてうまく扱えない…」
これも夏のパン作りでよくあるお悩みです。
これらの原因は、生地温度(室温)の上昇と、湿度が高いことが挙げられます。

気温(室温)が高くなると発酵が進みやすくなるのは先述の通りですが、さらに加えて日本は暖かくなると湿度が高くなります。
室内の湿度などの影響で生地がやわらかくなりすぎてしまうため、同じ水分量で作っているはずなのにベタついてうまく扱えないということが起きてしまいます。また、バターが多い生地は生地内のバターが溶けてベタつくこともあります。

生地がダレて成形しにくい時の対処法

大切なのは生地温度に注意することです。材料や機械・手の温度が高いので仕込む時の水分や材料は冷蔵庫で温度を下げてから使う(冷やし過ぎに注意)ことで生地温度が上がりすぎるのを防ぐことができます。
室温もあまりにも高い場合は、ベンチタイムは冷蔵庫にいれておくことでダレにくく手にもつきにくくなるので成形がスムーズに行いやすくなります。
打ち粉をしっかりと使うこともポイントです。ベタつかず、多すぎない適量を心掛ければ問題ありません。

お悩み③「焼いたパンの保存方法は?」

せっかく焼いたパンも、保存方法を間違えると夏はあっという間に食べられなくなります。特にカビや湿気、食中毒のリスクが高まるので綺麗に美味しく焼いたパンは保存にも気を配りたいですね。

夏のパンを保存する時に気を付けること

1.焼きたてのパンは粗熱をしっかりとる

ケーキクーラーの上で粗熱を取っているパン

夏場は湿度が高く、冬に比べるとパン自体は乾燥しにくいですが、逆に言えば水分がこもりやすくカビの原因になってしまいます。

2.常温保存は基本的にNG。

パンを小分けにラップし、保存袋に入れる

冷めてすぐに食べない分は冷凍保存がおすすめです。
しっかりと冷めたら乾燥しないようにラップで包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。そうすることで乾燥を防ぎ鮮度も保つことができます。
食パンなど大型パンの場合はスライスしてから個別にラップをかけて冷凍することで解凍の時短にもなります。

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3.具材入りのパンは特に注意!

ハムやチーズ、カスタードなどが入っているパンは水分量も多く傷みやすいです。冷蔵保存するか、冷凍可能な具材の場合は冷凍するのがベストです。室温に置く時間が長くならないよう注意しましょう。

パンの扱いにも気を配る

パンを素手で触る時は手を洗うことはもちろん、手袋を使用し余計な菌がパンに付着しないようにしたり、唾液が飛ばないよう気をつけることで食中毒やカビの予防になります。
また、手洗いだけでなく作業台や調理器具の洗浄も念入りにしましょう。

おいしさをキープする冷凍・解凍のコツ

冷凍はできれば焼いた当日に行いましょう。しっかりと冷めたことを確認した上で、おいしさをそのままキープできるようラップに包んでできるだけ早く冷凍庫に移します。美味しいまま冷凍できるだけでなく、劣化も防ぐことができます。

解凍は、自然解凍または電子レンジで軽く解凍し、トースターでリベイクするのがおすすめです。
バゲットやカンパーニュ、食パンなどは霧吹きをしてからリベイクするとしっとりパリッと焼き上げることができますよ。

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暑い季節は"パンとの付き合い方"を変えてパン作りを楽しもう

今回は、夏のパン作りで気をつけたいポイントとして、
発酵の見極め方、生地のだれ対策、保存と衛生管理についてご紹介しました。
暑い季節は、いつも通りの手順ではうまくいかないことも多くて、
「えっ?なんで今日はうまくいかないの…?」と戸惑うこともありますよね。
でも、少しだけ発酵の進み方を意識したり、成形のタイミングを工夫したり、
保存方法を見直すだけで、ぐっと扱いやすく、美味しくパンが焼けるようになります。
パン作りは、気温や湿度、時間の流れに合わせて“付き合い方”を変えていくことも楽しさのひとつ。
このコラムが、みなさんの夏のパン作りのヒントになれば嬉しいです。
ぜひ、暑い季節もパンづくりを楽しんでいきましょう。

パンを冷凍保存するコツ | 焼きたてをより美味しくキープ!すぐ試したい
夏のパン作りの大敵「過発酵」ってなに?どうやったら防げるの?

コラム執筆:けいちょんさん

けいちょんさん
けいちょんさん

イーストだけでなく数種類の自家製酵母を使い、完全独学ながらお家で作れる「簡単だけど本当に美味しい家族が喜ぶパン」を日々研究中です。

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