こんにちは。富澤商店にてレシピ著者をしております、マスダアイミです。
パン作りにおいて、大切な工程のひとつに「発酵」があります。
お菓子作りや料理にはあまりない特別な工程だからこそ、
「発酵があるからパン作りは難しそう……」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
私自身、パン講師として活動する中で、
「パン作りは発酵の工程があるから、自分にはできないと思っていました」
「時間がかかるイメージがあります」
というお声をよくいただきます。
そんな方にぜひ作っていただきたいのが、
“発酵させないパン”ともいえる「ソーダブレッド」です。
今回は、ソーダブレッドの魅力や作り方のポイントを、詳しくご紹介していきます。
ソーダブレッドはアイルランドのパン
ソーダブレッドは、アイルランド発祥のパンで、イーストの代わりに重曹(ベーキングソーダ)を使って膨らませて焼くパンです。「クイックブレッド」とも呼ばれています。

最大の特徴は、発酵時間が不要なこと。
生地を仕込んだら、すぐに焼き始めることができます。
全粒粉を使ったタイプや、精製された小麦粉を使ったもの、丸く成形するものや平たく焼き上げるものなどさまざまなスタイルがあります。
また、材料に「バターミルク」を使うのも特徴のひとつです。
バターミルクとは、牛乳からバターを作る際に残る液体のことで、ほのかな酸味があり、乳酸を多く含んでいます。
日本ではバターミルクは手に入りにくいため、ヨーグルトなどを代用として使うことが一般的です。
重曹の主成分である炭酸水素ナトリウムは、酸と反応することで炭酸ガスを発生させます。
そのため、酸味を持つバターミルクやヨーグルトと組み合わせることで、生地がふんわり膨らむ仕組みになっています。
今回のレシピでは、より家庭でも作りやすく、おいしく仕上がるように、ベーキングパウダーに加えてヨーグルトや牛乳を合わせた配合でご紹介していきます。
■おすすめ商品
実際に作ってみよう!美味しく仕上げるポイント
レシピはこちら!
粉系の材料をすべて同じボウルに入れ、よく混ぜ合わせます。

スキムミルクは湿気を吸うとダマになりやすいため、あらかじめ粉類としっかり混ぜておきましょう。
そこへヨーグルトと牛乳を加え、ひとまとまりになるまで混ぜます。


混ぜ終わりの生地は少しベタつきますが、そのまま乾燥しないようにして10分ほど休ませます。

この時間を取ることで粉がしっかり水分を吸い、生地が自然となじんで扱いやすくなります。
発酵不要ですぐに焼けるクイックブレッドですが、おいしく焼き上げるために大切なのが「生地づくり」です。
生地のグルテンをある程度つなげてから焼くことで、よりふんわりとした仕上がりになります。
そこで、生地をボウルの中で折りたたむ「パンチ入れ」の作業を行い、生地をしっかりつなげていきます。
生地を底から持ち上げるように掴み、引っ張りながら折りたたむ作業を、ボウルを回しながら2周ほど行いましょう。


手を軽く濡らしておくと、生地がくっつきにくく作業しやすくなります。
このレシピ最大のポイントは、「生地を引っ張りながら丁寧にたたむこと」です。
グルテンは、生地を引っ張って折りたたむことで強化されます。
焼成時には、ベーキングパウダーから発生する炭酸ガスを、生地のグルテン膜が抱え込むことで、ふっくらとした食感に焼き上がります。
ぜひ、生地づくりは丁寧に行ってみてください。

10分ほど休ませたあと、再び同じように生地を折りたたむ作業を行うと、生地がまとまり、なめらかになってきたのを感じられると思います。
生地を台に取り出し、やさしく広げていきます。
ベタつきが気になる場合は、打ち粉を使いながら作業してください。

今回はここへ、チーズとカシューナッツを加えていきます。
具材はお好みでアレンジしても大丈夫。くるみやレーズンなどを加えるのもおすすめです。

具材を混ぜ込み、丸く形を整えたら、オーブンシートの上にのせて、すぐにオーブンの予熱を開始します。


予熱が完了したら、焼く直前にクープを入れましょう。

クープを入れることで、焼成中にパン生地の中から発生する蒸気の逃げ道を作ることができます。
これにより、生地がきれいに膨らみ、形よく、ふんわりとした食感に焼き上がります。
クイックブレッドだからこそ、こうしたひと手間が仕上がりを大きく左右します。
焼き上がりました!仕込みからここまでちょうど1時間程度です。

■おすすめ材料
焼きたてを食べよう!美味しく食べるためのポイント
このパンは「焼きたて」をいただくのがおすすめ。
焼き上がった一番おいしい瞬間に食卓へ出し、スライスして楽しんでみてください。

きっと、「パン作りは時間をかけないといけないもの」というイメージが変わるはずです。
外側はカリッと香ばしく、中は口どけがよく、ふんわりしながらもほろっとほどけるような食感。
仕込みから約1時間で焼き上がるので、朝ごはんに焼きたてパンを楽しむこともできます。
ベーキングパウダーで膨らませ、短時間で焼き上げるパンのため、イーストのパンに比べると冷めたあとの硬化はやや早めです。
もし翌日以降に食べる場合は、電子レンジで軽く温めたり、蒸したり、トースターで焼き直したりすると、おいしく食べやすい状態に戻ります。
■おすすめ商品
パン作りには、本当にさまざまなスタイルがあります。
じっくり時間をかけて作るパンもあれば、短時間で気軽に作れるパンもあります。
とはいえ、“短時間”といわれるパンでも、実際には2〜3時間ほどかかるものが多い中で、このソーダブレッドは、私の中では最速で作れる小麦パンです。
暮らしの中の手作りには、いろいろな選択肢があっていい。
「すぐに焼きたてパンが食べたい!」
そんな時は、ぜひソーダブレッドを作ってみてください。










