おすすめの抹茶パウダー3種!マフィンで徹底比較

お菓子作り

こんにちは。
富澤商店オンラインショップでレシピ著者をしているちょりママです。

今月は徹底比較シリーズ。ドリンク、菓子、パン、どのジャンルにおいても人気を博す抹茶にフォーカスします。

素早く素材になじみ、奥深い味とほっこりする風味で虜にさせる抹茶パウダー。
検証の結果、「抹茶パウダー」で一括りできないほど、使用する商品によって味も食感も変わると実感しました。濃緑の世界を掘り下げていきましょう!!

抹茶パウダー3品

今回比較する抹茶パウダー3商品をご紹介します。

私、とてもとてもとーっても抹茶が好きなんです。
我が子たちが小さい頃、抹茶がそれほど好きではなくて、いつか好きになってくれたいいな~と思っていたら、娘よりもまず5学年下の息子が好きになりました。
そのうち、娘も好きになり、我が家で本格的に抹茶系が解禁され、心置きなく抹茶スイーツやパンを作ることができました。ありがとう!!本当にありがとう!!!

私達の生活で馴染み深い「煎茶」ですが、「抹茶」との違いはなんでしょうか。
煎茶は、摘んだ茶葉を基本的に強い蒸気で蒸し、水分を飛ばして乾燥しながら揉みます。
蒸すことで酸化防止され、綺麗な色を保つことができます。また、揉むことで味が楽しめるように作られた茶葉です。緑茶パウダーはこの煎茶を粉末状に加工したもので、お湯で溶かした手軽に楽しめるようになりました。

抹茶は、茶樹に覆いをして茶葉を育て、その茶葉を蒸してから、揉まずに乾燥させて出来上がった「碾茶(てんちゃ)」を挽かれたものが抹茶になります。まず乾燥させることで、フレーク状となって石臼でスムーズに挽くことができます。
緑茶の一部ではあるものの、緑茶との大きな違いは茶樹に覆いをすることです。
茶葉は日光を浴びると茶葉に含まれるアミノ酸の一種(テアニン)がカテキン(渋みや苦味成分)に変化させ、うま味成分であるテアニンが減り、カテキンが増えます。抹茶は、日光を遮断することでカテキンの変化を防ぎ、うま味を残した茶葉を作ることができます。抹茶の芳醇かつ、濃厚な味はここからきているのですね。

1商品目はTOMIZ抹茶」30gです。
京都産100%で創業200年の老舗茶店の茶師が選び抜いた抹茶です。
濃厚で抹茶の風味がとても豊かなのが特長で、点てるときにも使用できるものです。
ドリンク、スイーツ、パンだけに使用するだけではなく、抹茶塩にしても存在感を放つ仕上がりなりますよ。ちなみに・・・私はずっとこのTOMIZ抹茶を使用してます!

2商品目は「製菓用抹茶パウダー」40gです。
TOMIZ抹茶に比べて10gほど多く、お値段も半分以下という手に取りやすい商品です。
比較対象がTOMIZ抹茶になってしまいますが、色は若干薄く感じます。
混ぜ込むとどんな違いがでるのが、とても楽しみになってきました。

3商品目は「製菓用パウダー 伊勢抹茶翠プリモ」200gです。
三重県伊勢の抹茶を使用し、抹茶の他にデキストリン、ビタミンC、重曹などが入っています。
抹茶ものは出来上がりが理想の緑色になっていても、時間が経つと退色することがあります。その点、光や熱などに弱い成分を安定させるデキストリン効果で抹茶の鮮やかな色を保ちやすい抹茶パウダーになっています。また、200gと大容量の上、一番リーズナブルだったので、たっぷり使うタイミングでは選びたくなる商品と言えますね。

比較した抹茶パウダー

徹底比較その1:湯で溶いたら

抹茶パウダー3商品を紹介したところで、いよいよ徹底比較に入っていきましょう。

今後は、abcでレポートしていきたいと思います。

まずは湯で溶いてみました。

  • 抹茶1g:湯2g 濃い緑でややパサつきを感じる
  • 抹茶1g:湯2g 鮮やかさのある緑でやや固め
  • 抹茶1g:湯1g 緑が一番深くてなめらかさがある

aは一番濃い緑ではあるものの湯1gで溶くとポロポロとしてしまい、まとまらない状態になりました。そのため、湯を1g増やしてみましたが、それでもパサつきを感じました。一番吸水力があるように感じました。

bは湯1gで溶くと、aほどではないもののまとまらないので湯を2gにしました。3品の中で一番鮮やかな緑色を感じました。2gで溶いても固めではあるものの、パサつきまでは感じませんでした。

cは湯1gで溶いた時点ですでになめらかな状態に。色味はどちらかといえば深い海の色に似ているのを感じ、発色の良さはこの時点で感じられませんでした。

次は多めの湯で溶いてみました。試飲もしてみたので参考までに記録しておきます。

  • 抹茶1g:湯50ml 鮮やかできれいな緑色、濃い色ながらもすっきりとした味わい
  • 抹茶1g:湯50ml 暗さを感じる濃い緑色、苦味を一番感じた
  • 抹茶1g:湯50ml abとの中間的な緑色、風味は弱め

湯が増えることでこんなにも違いが出るとは思いもしませんでした。
こういうところに比較の楽しさを感じます。
色味だけを見るならば、cもなかなか捨てがたいです。ですが、飲んでみるとやはり点てるときにも使えるaに一目置きたくなりますね。

徹底比較その2:抹茶マフィンを作ってみたら

抹茶パウダー3品を同じレシピでマフィンを作ってみました。違いはどのように出るのでしょうか。

<材料>マフィン型6個分

  • 卵 1個
  • グラニュー糖 70g
  • バター(食塩不使用) 70g
  • 薄力粉 80g
  • アーモンドパウダー 30g
  • 抹茶パウダー 6g
  • ベーキングパウダー 5g
  • 牛乳 70ml

<作り方>

  • 卵は室温に戻して溶く。
  • バター、牛乳は室温に戻す。
  • 薄力粉、アーモンドパウダー、抹茶パウダー、ベーキングパウダーを合わせてふるう。
  • オーブンを180℃に予熱する。
  • マフィン型にグラシンを敷く。

1.ボウルにバターを入れてなめらかにし、グラニュー糖を加えて擦り混ぜる。

今回はハンドミキサーで作りました。とても楽ですね・・・!!

2.溶いた卵を少しずつ加え、混ぜる。

通常は数回に分けて入れますが、ハンドミキサーは少しずつ混ぜながら加えてOKです。

3.粉類を加えて、牛乳を回しかける。

ゴムベラで大きく混ぜる。ゴムベラに持ち替えて、底から掬うように混ぜます。

aの粉を混ぜ終わった後の状態がこちら。色味がとてもよいのを感じました。

4.マフィン型に等分に入れ、上から2~3回落として空気を抜く。

口金をしない絞り袋に入れ、マフィン型に入れていきます。
このようにすると等分の計量もらくになりますね。

5.180℃のオーブンで20~23分焼く。

網の上にのせて冷ます。
aの抹茶マフィンの完成です!!型から取り出して網の上で冷ましておきましょう。

bのマフィン生地の出来上がりです。生地のゆるさはaとそれほど変わりませんが、若干ゆるく感じました。湯で溶いた状態と同じなのを感じますね。色はaほど鮮やかさはありませんが、それでも抹茶色を感じました。

同様の焼き時間でbマフィンが完成しました。

cのマフィン生地の出来上がりです。湯で溶いて時の状態が如実に表れたように感じました。
abどちらの生地よりもゆるさを感じ、絞り袋に入れた状態でもかなりゆるく感じました。
このマフィンを作るとき、抹茶は多めが基本かもしれませんね。

ただ、一番上りがよくてふわふわの感触でした。

おすすめの商品

抹茶マフィンで最終比較結果

a.マフィン完成品と断面

a.マフィン完成品と断面

立ち上がりはそれほど高くないものの、抹茶の密度を感じる仕上がりでした。
抹茶の色が一番濃く出て、濃厚さと重みのある味わいです。抹茶の風味を一番感じ、抹茶好きにはおすすめです。

b.マフィンの完成品と断面

b.マフィンの完成品と断面

抹茶の色味は濃くもなく薄くもなく、中間色を感じました。適度な重みと苦味があり、甘みが一番感じられてバランスよく仕上がりました。抹茶が大好き!という方以外にもおいしく召し上がってくれそうな印象を受けました。

c.マフィン完成品と断面

c.マフィン完成品と断面

一番立ち上がりがよく、ふわふわさがありました。故に手で割るとほろほろと崩れる箇所もあるくらいです。抹茶色が一番薄く、同じ配合で作ると生地のゆるさがあるため、この抹茶パウダーを使用するなら、もっと抹茶を増量する必要があると思いました。そうすることで抹茶の風味もしっかりと感じられそうです。色味の安定感がよく、時間が経っても色が変わらないのは成分に効果あり!といった感じでした。

比較した抹茶パウダー

いかがでしたでしょうか。
抹茶パウダーといっても違いは大きくあり、今まで何気なく使っていたものだけに深堀りすると、作るものによって変える必要があるというのを感じずにはいられません。
好みの味もまたしかり、比較検証は商品の違いを知ることのつもりが、結果的に自分の好みを知ることになるというのを毎度思います。

みなさんはどの抹茶がお好みですか?
ぜひご自宅で抹茶パウダーでお好きなスイーツやパンを作って深堀してみてくださいね。
みなさんの富澤商店ライフのお役に立てるとうれしいです。
富澤商店ちょりママレシピも合わせてどうぞよろしくお願いします!

コラム執筆:ちょりママさん

ちょりママさん
料理家 西山京子(ちょりママ)

フードコーディネーター・調理師・食生活/食育アドバイザー。「子どもも大人も一緒のごはん」をコンセプトに簡単レシピを発信。
企業レシピ・メニュー開発、書籍出版のほか、フードスタイリング、食育活動も多数。

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