こんにちは。富澤商店スタッフ太田です。
今回は特別編として、いがらしろみさんに基本のジャムの作り方を教えていただきます。
大人気のジャム専門店「Romi-Unie Confiture(ロミ・ユニ・コンフィチュール)」のほか、焼き菓子店も運営するいがらしろみさん。作ったジャムのおいしいアレンジも教えていただきました。
改めて、ジャムについての基礎知識もおさらいしながら基本の作り方を学んでいきましょう。
「ジャム」とは?
「ジャム(英:Jam)」とは、果物に砂糖を加え加熱濃縮し、ゼリー状に固めた食品(仏語ではコンフィチュール)。果物に含まれるペクチンが糖と酸に反応し、ゼリー状に固まる性質を利用して作られています。作る際に加える砂糖が水分を抱え込み、腐敗を遅らせるため保存性に優れ、冬に果物を楽しむための保存食としても愛されてきました。
ジャム・マーマレード・ゼリーの違いとは?
ジャムは、フルーツや野菜、または花弁などを砂糖やハチミツとともに加熱したもの。
ジャム類にはジャム、マーマレード、ゼリーの3種がありますが、それぞれの定義については以下のようになっています。
マーマレード:ジャム類の内柑橘類を原料とし、柑橘類の果皮が認められるもの
ゼリー:ジャム類の内果実等の搾汁を原料とするもの
一般的にジャムと呼ばれ家庭で親しまれているものは、これら3種類のうちの「ジャム」のこと。また、ジャムの中でも特に果実の原形をとどめているものは、プレザーブスタイルと呼ばれています。
基本のジャムの王道!いちごジャムの作り方
それでは、いがらしろみさんに基本のジャムの作り方を教わります。
まずは王道の「いちごジャム」の作り方を、順を追って見ていきましょう。
ペクチンは入れないのがろみさんのレシピ。果実のもつ力だけでジャムを作ると、そのおいしさが一層ストレートに味わえます。四季折々の旬を象徴する果物をそのままいただくだけでなく、ジャムに加工して長く楽しんでみませんか?
いちごジャムはジャムの中でも1番人気ですよね。いちごを潰す作業はお子様にお手伝いをお願いしてみても良いかもしれません。ダイナミックで、とっても楽しい作業です。
◆材料(小分け用瓶(185ml)約4個分)
・いちご・・・500g
・グラニュー糖(てん菜100%)・・・350g
◆道具
・スパチュラ
・レードル
・ジャム瓶(小分けがおすすめ)
・アルコール
・鍋(鍋底の広いものがおすすめ)
◆作り方
準備.いちごは洗って水けを切ってからヘタを取り、全体を手でつぶしておく。
食感が残る程度までつぶすのがポイント。これでペクチンを入れずにとろみをつけます。
1.準備したいちご、グラニュー糖を全て合わせて鍋に入れ、強火にかける。
2.沸騰するとアクが出るので取り除きながら混ぜ、さらに約5分ほどそのまま煮詰める。
※焦がさないように底をはがすように混ぜる。
3.あぶくに色が出て、ツヤが出てきたら火を止め、最後にアクを取る。
※最後に丁寧にアクを取ることもポイントです!一箇所に集めてしっかりとるとプロのようなキレイな仕上りになります。
4.フチに垂らさないように気を付けて、レードルを使って煮沸したジャム瓶の9分目ほどまで入れる。
5.アルコールを吹いたペーパーなどで、キャップと瓶が触れる部分をきれいに拭きとる。
6.キャップをしっかりと閉めて、逆さまにしてから1~2分ほど置いて完成です。
◆保存方法
未開封で3~4週間、開封後は冷蔵庫で1週間程度で食べ切るようにしましょう。小分けにすると使い勝手がよく、おすすめです。
※保存環境により異なりますので期間は目安です
いちごジャム作りのポイント
いがらしろみさんのジャム作りと言えば、ジャム専用の銅鍋が印象的ですが、ご家庭でのジャム作りでは底が広めのお鍋を使っていただくことがポイント。また、ジャムは最初から最後まで強火で煮るのがおいしく作るコツ。底が広めのお鍋なら、いちごジャムをごく短時間でサッと煮詰めることができるのです。
また、お砂糖は「てん菜100%」のグラニュー糖を使うことがいがらしろみさんのこだわり。フルーツのおいしさが一番ストレートに伝わるジャムになるように、といろいろ試した結果、一番おいしく仕上がったのがこのグラニュー糖だったそうですよ。
おいしいアレンジ:いちごジャム&マスカルポーネのサンドイッチ
作ったジャムのアレンジご紹介です。パンにいちごジャムを塗るという定番の食べ方ですが、マスカルポーネと併せることで、大変身!手が止まらないほどのおいしさなので、食べすぎ注意です。
◆材料
自家製いちごジャム・・・適量
サンドイッチ用パン(薄切り)・・・適量
マスカルポーネ・・・適量
パンの片面に、いちごジャムをお好みの分量塗る。
もう一枚のパンの片面にはマスカルポーネを塗り、合わせてラップをして冷蔵庫で20分ほど休ませる。好きな大きさにカットしてめしあがれ。
基本のオレンジマーマレードの作り方
いちごジャムと人気を二分する、基本のオレンジマーマレードも教えていただきました。
マーマレードには果肉も果皮も使うので、ぜひ防カビ剤不使用の材料を選びましょう。貴重な国産バレンシアオレンジはちょうど6月~8月が収穫期。この時期にぴったりの爽やかな味わいです。
いがらしろみさん 基本のオレンジマーマレード
初級レベル
所要時間:60分
いちごジャムもオレンジマーマレードも、下処理の間はもちろんのことお鍋で煮詰めている間中、キッチンが何とも言えないいい香りに包まれます。胸いっぱいにフレッシュな甘い香りを吸い込むと、それだけで幸せな気持ちになれるのがジャム&マーマレード作りの魅力です。
ジャム&マーマレードの保存のポイント
ジャム作りは瓶詰めの作業も実は楽しいポイント。瓶は1週間で食べ切れる量を目安に、少し小さめのものを選ぶのがおすすめです。正しく瓶詰できればもちろん長期保存が可能ですが、蓋を開けてしまうとフレッシュないい香りが次第に逃げてしまうのです。
せっかくの手作りジャムをおいしく食べるために、瓶選びにも少し気を付けてみてくださいね。
おいしいアレンジ:レストランみたいなサラダドレッシング
マーマレードを使うドレッシングは、爽やかな風味と白ワインビネガーの酸味と相性がばっちり。手作りのドレッシングなんてとってもおしゃれですね。野菜嫌いな方でも食べられちゃうかも?
◆材料
自家製マーマレード・・・大さじ2(お好みで)
白ワインビネガー・・・大さじ2
塩・・・小さじ1/2
コショウ・・・少々
グレープシードオイル・・・大さじ2
ボウルに、ビネガー、塩、コショウをいれよく混ぜ合わせて塩を溶かす。
グレープシードオイルを加え、混ぜ合わせてからママレードを加えてできあがり。マーマレードの量はお好みで、自分だけのドレッシングを作ってみてください。
おいしいアレンジ:贅沢!大人のフルーツポンチ
フルーツポンチは子供にも大人にも大人気のデザートメニュー。たっぷりのフルーツにマーマレードを絡めるだけで、いつもとは何段階も違う大人の絶品フルーツポンチに。パンに塗るだけなんてもったいない!一度試してみればきっとそう思うはずです。
◆材料(グラス約6個分)
自家製マーマレード・・・30g
パイナップル・・・250g
キウイ・・・1個
アメリカンチェリー・・・10粒
パッションフルーツ・・・1/2個
ブルーベリー・・・30g
パイナップル、キウイを1㎝角に切ってボウルに入れる。
アメリカンチェリーは枝と種を取って半分にカットする。パッションフルーツは半分に割り中身を取り出す。ブルーベリーを加えたら、全体を混ぜ合わせ、最後にママレードを加えてよく絡める。
器に盛って、できあがり。
あなたもジャムを作ってみては?
いかがでしたか?お店で気軽に購入できるジャムですが、もちろん自分でも作ることができます。
みなさんが思っているよりも、きっと簡単。そして、みなさんが思っているより、自分で作るジャムってとってもおいしいのです(煮ている時間の香りも最高です!)。
ジャムの良さは、季節の果物を使って長く楽しめるところ。例えばたくさんいただいた旬のフルーツを加工して、とっておきのジャムにして長期保存することも可能です。
ホットケーキやヨーグルトに添えるなど、お子様にも食べやすく、今回のコラムでご紹介したようなおもてなしのアレンジもできますよ。おいしいフルーツがたくさん手に入ったら、自家製ジャムに加工して、長く楽しんでみてはいかがでしょうか?
お話を伺った人:いがらしろみさん
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この著者のレシピ一覧
東京・フランスで学んだフランス菓子をもとに、雑誌、書籍、TVやイベントを通じ、“お菓子作りの楽しさをひろめる活動“を行っている。”お菓子みたいなジャム”をコンセプトにジャム専門店「Romi-Unie Confiture」のほか、 焼菓子とジャムの店「Maison romi-unie」、秋・冬だけオープンするチョコレート菓子の店「Chocolaté romi-unie」の3店舗を15年以上に渡り営む。
通信販売「romi-unie Web Shop」も実店舗同様の充実を図って運営しているだけでなく、お菓子教室「Atelier bis」にてスタッフとともに、romi-unieのジャムや焼菓子の作り方を学べる機会を提供する。カップケーキ専門店「Fairycake Fair東京駅Gransta内」など他店舗や、商品のプロデュース、自治体の地域おこし等のイベント企画も請け、全国、海外でも活動の場を広げている。