シュークリームが膨らまない原因は生地の硬さ?焼き上がりの違いを徹底比較

比較・検証

こんにちは。
富澤商店オフィシャルクリエイターのけいちょんです。
今回のテーマは「シュークリーム」。
一見シンプルなお菓子ですが、思ったように膨らまなかったり、形が安定しなかったり……
そんな経験はありませんか?
私もなかなか仕上がりが安定せず、作るのに苦労した思い出があるお菓子です。
シュークリームの安定しない仕上がりの原因のひとつが、「生地の硬さ(=卵の分量)」です。
今回は生地の硬さに注目して、焼き上がりの変化を比べてみました。
シュークリームがうまく焼けない方や、安定した仕上がりにならない方は、ぜひ参考にしてみてください。

シュー生地の硬さとは?

シュー生地は、加熱した生地に卵を加えて仕上げます。
このときの卵の量によって、生地の状態が変わります。
つまり「硬さ」とは、最終的な生地のゆるさ・まとまり具合のことを指します。


この違いが、そのまま焼き上がりに影響するのですが、卵の分量はレシピでは大体でしか示されていません。

なぜ卵は「正確な分量」ではないの?

シュー生地のレシピでは、卵の量が「何gピッタリ」と決まっていないことが多くあります。
これは、生地の状態によって必要な卵の量が変わるためです。

シュー生地は、加熱の状態(糊化の進み具合)や水分の飛び方、細かく言えばその日の気温や湿度によっても、生地の硬さが微妙に変わります。
そのため、同じ分量の卵を加えても、毎回同じ状態になるとは限りません。
だからこそ大切なのは、分量ではなく状態で判断することになります。

卵は一度にすべて入れるのではなく、少しずつ加えながら、持ち上げたときの落ち方やツヤ、まとまりを見て調整していくのが、基本のシュークリームの作り方になります。

生地の見極めポイント“持ち上げたときの落ち方を見る”

生地の状態は、見た目で判断できます。
ヘラですくって持ち上げたときに、ゆっくりと落ち、先端が三角(V字)に垂れる――
この状態がひとつの目安です。

写真で比較してみましょう。

硬めの生地

適正な生地

柔らかい生地

このような違いとなります。

硬めの生地は「垂れる」というより「落ちる」感じで、
柔らかい生地はなかなか切れず、垂れ続ける感じでした。

そうは言っても、なかなか写真では伝わりにくいのがシュー生地。
今回は、より見た目でわかるように星型の口金でシュー生地を絞り、模様の残り方で生地の状態の違いを比較しました。

硬めの生地

・絞りのギザギザがくっきり残る
・高さが出やすい

硬めの生地

適正な生地

・模様がほどよく残る
・なめらかな仕上がり

適正な生地

柔らかい生地

・模様が流れる
・横に広がる

柔らかい生地

絞りの模様もまた、焼き上がりのヒントになりますので、慣れないあいだは星型口金で絞るのもおすすめです。

焼成比較~見た目の違い~

(左)硬め生地、(真ん中)適正生地、(右)柔らかめ生地

実際に焼いて比較してみます。
生地の硬さによって、焼き上がりにははっきりとした違いが現れました。
左は硬め生地、真ん中が適正、右が柔らかめ生地です。

(左)硬め生地、(真ん中)適正生地、(右)柔らかめ生地
(左)硬め生地、(真ん中)適正生地、(右)柔らかめ生地

硬めの生地

硬めの生地は、焼成時に一定の高さは出るものの、適正な生地と比べると全体のサイズはやや小さくなります。
表面はゴツゴツとした凹凸が出やすく、力強い印象の膨らみになります。

適正な硬さの生地

適正な硬さの生地は、ふんわりと丸く大きく膨らみ、ボリューム感と高さのバランスに優れた仕上がりになります。
見た目・形ともに最も安定し、理想的な焼き上がりといえます。

やわらかめの生地

やわらかめの生地は、絞った段階で横に広がりやすく、内部には空洞ができるものの、焼成後の高さが出にくくなります。
そのため、全体として平たい印象の仕上がりになります。

なぜ違いが生まれるのか?

シュー生地は、水分が蒸気になる力で膨らむお菓子です。
そのため、生地が硬すぎるとうまく伸びず、逆にやわらかすぎると支えられずに広がってしまいます。
つまり、「膨らむ力」と「支える力」のバランスが、仕上がりを左右しているということになります。

嬉しい豆知識:シュー生地は冷凍できる!

絞った状態で冷凍したシュー生地

シュー生地は、絞った状態で冷凍保存が可能です。
絞って冷凍し、半解凍、もしくは凍ったまま焼成することができます。
一度にたくさんできてしまうシュー生地、「もう少し減らしたいな」「好きな時に好きなだけ焼きたいな」と思った時に、すごく便利です。
今回の生地はすべて凍らせてから同時に焼き上げる方法で比較をしていますが、とてもきれいに焼けています。
凍ったまま焼く場合は、様子を見て普段よりも10分ほど長めに焼くと、うまく中までカリッと焼き上がりますよ。

理想の仕上がりを目指して、シュー作りに挑戦しよう

シュークリームの仕上がりは、レシピ(分量)だけでなく、生地の状態で大きく変わります。
焼く前の「見た目」を観察することで、仕上がりを予測することもできます。
少しの違いが、大きな差になるシュー生地。
ぜひ、生地の硬さに注目しながら、理想の仕上がりを見つけてみてください。

コラム執筆:けいちょんさん

けいちょんさん
けいちょんさん

イーストだけでなく数種類の自家製酵母を使い、完全独学ながらお家で作れる「簡単だけど本当に美味しい家族が喜ぶパン」を日々研究中です。

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