こんにちは。富澤商店スタッフの三谷です。
今回は「米粉100%でもちゃんと膨らむ!」と話題の米粉、「ミズホチカラ」を徹底解説いたします。「グルテンフリー」のレシピは今非常に人気。その中でももっともメジャーな「米粉レシピ」は、お菓子作りには比較的取り入れやすいものの、パン作りでは小麦のようにふっくら膨らまず、なかなか満足いくものを作れませんでした。
ところが「ミズホチカラ」を使えば、小麦の力を借りずとも米粉100%で驚きのふんわりパンを焼くことができるのです。それは一体なぜ?「ミズホチカラ」って何者なの?そういった疑問に、今回はお答えしていきます。
話題の米粉、「ミズホチカラ」とは?
「ミズホチカラ」とは、九州沖縄農業研究センターで開発されたお米の品種。炊飯してそのまま主食として食べる目的以外に栽培・収穫されている『新規需要米』の一種です。『新規需要米』には米粉用や飼料用、バイオエタノール用などがありますが、「ミズホチカラ」は熊本県で米粉に適した品種として栽培・普及しているものです。
一般の主食用米よりも約20%収穫量が多いという品種で、命名の由来は「水田で力を発揮する多収米」という意味なのだそうです。
「ミズホチカラ」の特徴とは?
米粉として非常に優れた性質をもつ「ミズホチカラ」ですが、実は炊飯して主食として食べるには不向き。意外なようですが、「ごはんを炊いた時においしいお米」が、「優れた米粉になるお米」というわけではないのです。「ミズホチカラ」は、そのまま炊いて食べるとパサッとした食感になってしまい、おいしくありません。
一般的に、粒子が細かく、澱粉の損傷度が低い米粉ほど、ボリュームがあって、やわらかな米粉パンができるとされています。「おいしい米粉パン」には、米粉の澱粉のアミロース含量(お米に含まれるデンプンの成分)が深く影響しており、アミロース含量が多いほどボリュームが出る反面、パサつきも増してくるのです。
アミロースの割合が少ないと粘りが強いお米になり、アミロースの割合が多いと粘りが少ないお米になります。例えば粘りの強いもち米だと、アミロースの割合は0%に。日本の一般的なうるち米は、アミロース含量が17〜23%。「ミズホチカラ」はこの一般的なうるち米よりもやや多いアミロース含量になっています。
「ミズホチカラ」には胚乳組織が粉状質なので砕けやすく、米粉に加工するときに澱粉を傷つけないで粒子を細かくできるという特徴があります。また「ミズホチカラ」のアミロース含量は一般的な食用米とインディカ米の中間ほどで、パサつきを抑えつつもボリュームを出すことができ、それがまさに「米粉パンに最適」と言われる所以なのです。
他の米粉とどう違う?ホームベーカリーで焼き比べ!
米粉100%で驚きの膨らみ、とは言うものの、本当に他の米粉とそれほど違うのでしょうか?同じように米粉100%でも焼ける、と評判の別品種の米粉と、「製パン用ミズホチカラ」を使って焼き比べをしてみました。
テストしてみたのはこちらのレシピ!まったく同じ条件で、Panasonicホームベーカリーで焼き上げました。
結果はこちら!左側が「製パン用ミズホチカラ」、右側が他品種の米粉です。まったく同じ条件で同じレシピでホームベーカリーにセットしてみましたが、焼き上がりのボリュームがかなり違うのがわかります。
他品種の米粉パンの断面はこちら。高加水のハードブレッドみたいな気泡。食べてみるとやはり高加水のパンのように、もちもちとみずみずしく、「おもち」のような食感です。
一方、「製パン用ミズホチカラ」で焼いた米粉パンの断面はこちら。まったく同じ配合ですが、キメの細かさがまったく違っています。一見すると小麦粉のパンと変わらないほどのなめらかな質感で、ボリュームもしっかりと出ています。
どちらの米粉パンもそれぞれにおいしいのですが、小麦グルテンを一切使わずにこのボリュームときめ細かな断面を得られる「ミズホチカラ」は、やはり特別な米粉だと感じます。
「ミズホチカラ(製菓用)」と「ミズホチカラ(製パン用)」の違いとは?
まず製パン用は、粒子が細かいことに加えて、傷ついた澱粉を少なくすることが重要。損傷した澱粉は生の状態で重量の2倍程度の水を吸いますが、その分焼き上げ後の骨格が弱くなり焼き縮みしてしまいます。パン用は細かく、かつ澱粉を傷つけない挽き方が要求されます。
一方で製菓用は、とにかく細かい方が品質がよいとされています。お菓子の生地の気泡が小さく壊れやすいので、米粉の細かく揃った粒子が必要です。粒子が大きいと気泡を潰してしまい、生地が重たくなり、オーブンに入れてもふっくらと焼き上がりません。製菓用は特に細かさ重視で、なおかつ損傷を抑える挽き方が要求されます。パン用に比べてより細かいのが製菓用米粉です。
違いを知って、用途によって使い分けてみてくださいね。
人気の製パン用ミズホチカラに、大容量が登場!
「毎日でも食べたい米粉パン」として大人気の製パン用ミズホチカラに、このたび2.5㎏の大容量タイプが登場しました!米粉製造用ラインで小分けをしている製品なので、安心してご利用いただけます。
熊本県産以外の産地で収穫された「ミズホチカラ」も使用しているため、こちらは「九州産米(ミズホチカラ)」。もちろんこちらも同じミズホチカラなので、使用感は変わりません。毎日たっぷり使いたい方におすすめです!
また、ミズホチカラを使用したレシピや合わせて使用するおすすめ素材をこちらの特集でご紹介しています。
↓↓↓米粉人気No.1!ミズホチカラ特集↓↓↓
「ミズホチカラ」をこれまで使ったことがなかった!という方も、ぜひ一度お試しいただき、その魅力を実感してみてくださいね!