こんにちは。オフィシャルクリエイターのけいちょんです。
気温の低い時期は、「折り込み」をしながら作るパイ生地やクロワッサン作りが捗る季節ですね。
手作りパンを楽しむ方の憧れでもあるクロワッサンは、バターを折り込みながら作る代表的なパンです。
焼きたてをお家で食べられたら最高!と思ってクロワッサンを焼いてみたものの、
ちゃんと膨らんでいるのに
パンのような食感になってしまったり、
層があるはずなのに立体感が出なかったり、
中が生焼けのような仕上がりになってしまったり……。
そんな経験はありませんか?
今回は、クロワッサンを手作りする際のポイントと、よくある失敗の原因・改善方法をご紹介します。
ぜひこのコラムを参考に、クロワッサン作りにチャレンジしてみてください!
クロワッサンとは

クロワッサンは、フランス発祥の“層が折り重なったパン”です。
生地とバターを何層にも折り重ねて作り、焼成時にバターの水分が蒸気となって層を押し上げることで、独特の軽さと立体感が生まれます。
名前の「クロワッサン」は、フランス語で「三日月」を意味し、その名の通り、三日月形のフォルムが特徴的なパンです。現在私たちがよく目にするクロワッサンの形や製法は、フランスで確立されたものとされています。
普通のパンとクロワッサンの違い

クロワッサンは、一般的なパンとは少し性格の異なるパンです。
多くのパンが「発酵によるふくらみ」を主役にしているのに対し、クロワッサンは発酵だけで膨らませるパンではありません。
生地とバターの層が焼成時の熱によって押し上げられることで、軽やかな食感と美しい層が生まれます。
外側はさっくりと軽く、
中は層がほどけるように崩れる。
それが、クロワッサンならではの魅力です。
そのため、パン作りと同じ感覚で生地をこねたり、発酵をしっかり取りすぎたりすると、ふんわりはするものの、どこか「パンのような仕上がり」になりやすくなります。
パンっぽい生地とは
本コラム内でお伝えしている「パンっぽい生地」のイメージですが、例えばロールパンのような、
発酵由来のやわらかさが強く、内層が均一でふんわりとした、ちぎるとしっとり切れる食感の生地を指します。

一方で、
クロワッサン生地は外はさくっと軽く、中は層がほどけるように崩れ、噛むほどに空気を含んだ軽さを感じるのがクロワッサン生地です。
パンとは違うクロワッサンの作り方

クロワッサンはパン屋さんに並んでいますが、作り方の考え方は、一般的なパンとは少し違います。
クロワッサンは発酵でふくらませるパンではなく、バターの層が蒸気で押し上がって形を作るパンです。どちらかといえばパイ生地に近い存在。
そのため、「ふんわりさせよう」「しっかり発酵させよう」と思えば思うほど、仕上がりは“パンっぽく”なっていきます。
見た目のよいクロワッサンは、膨らみよりも、層の立体感が主役です。
見た目がパンっぽくなる原因

クロワッサンがパンのような仕上がりになるとき、多くの場合、次のような原因があります。
- 生地を捏ねすぎて、なめらかにしすぎている
- 生地温度が高く、発酵が進みすぎている
- 二次発酵で「最大まで」膨らませている
こうなると生地が軽くなりすぎ、バターの層が生地に溶け込んで境目がぼやけてしまいます。
その結果、パンに似た内層のクロワッサンが焼き上がります。
見た目の良さは「層が立つかどうか」で決まります。
本格的なクロワッサンの見た目には、共通点があります。
・横に広がらず、高さがある
・表面に自然な段差や割れがある
・断面の空洞が不揃い
これは、発酵で作られた形ではなく、折り込みの層が押し上げてできた形です。
「軽くなるよう発酵させる」のではなく、「層を立ち上げて立体に仕上げる」ことが大切です。
クロワッサンの層を立ち上げるポイント
① 捏ねすぎない

クロワッサン生地は、パンのようにつるっと仕上げる必要はありません。
グルテンを出しすぎず、膜を張らせず引っ張ると少し切れそうなくらいで止めるのがポイントです。
このくらいの生地感の方が、層が残りやすく、焼成時にしっかり立ち上がります。
「パン生地のように作らない」これがクロワッサン生地の第一歩です。
②発酵の時点でふくらませすぎない
発酵は、見た目を左右するポイントです。
クロワッサンは発酵で大きくふくらませるパンではありません。
常温で一次発酵を進めると、酵母の働きが活発になり、生地が短時間で大きく膨らんでしまいます。
冷蔵庫でゆっくり発酵させることで、生地の膨らみを最小限に抑え必要な発酵だけを穏やかに進めることができます。


写真で比較するとあまり変わっていないように見えますが、これでしっかりと発酵させています。
この長時間発酵の結果として、パンっぽさを抑えた、クロワッサン向きの生地になります。
二次発酵も、最大まで膨らませてしまうと、層が発酵に負けて溶け、バターも溶けて馴染んでしまいます。焼いたときにはパンのような内層になりいわゆるクロワッサンとは異なった食感になってしまいます。
クロワッサンは、発酵の見極めが大切です。
よくある失敗と、その理由、解決アドバイス
① 内層がふっくらしてパンみたいになる
失敗の理由:捏ねすぎ・発酵過多が考えられます。層になっているはずのバターが溶けています。
解決アドバイス:発酵温度を低め(28度)にし、ゆっくり時間をかけてみましょう。
②横に広がって焼ける
失敗の理由:二次発酵の取りすぎ、または発酵温度が高すぎてダレている状態です。
解決アドバイス:発酵温度を低めに、発酵時間も長くならないよう、見た目に大きくなってもシャープさが残るくらいに留めるのがおすすめです。
③内層が生焼けっぽい
失敗の理由:層が立たないまま焼成されたサインです。発酵が浅く、蒸気が逃げず火が入りにくい状態です。
解決アドバイス:もう少し発酵時間を増やすと改善します。
⑤ ういろうのような食感になる

失敗の理由:発酵不足 です。層に動く隙間がなく、蒸し菓子のように焼き上がります。
解決アドバイス:発酵時間を増やしましょう。
パンはパン、クロワッサンは別物として極めよう

クロワッサンを極めたいなら、一般的なパンとしての正解を追わずにクロワッサンの正解を知ることがポイントです。
・捏ねすぎない
・発酵させすぎない
・ふくらませすぎない
この3点を意識し、折り込むバターの層がクロワッサンらしい内層のポイントになるので溶けないように生地を冷やしながら手早く丁寧に作業を行うように心がけましょう。
コラム執筆:けいちょんさん

イーストだけでなく数種類の自家製酵母を使い、完全独学ながらお家で作れる「簡単だけど本当に美味しい家族が喜ぶパン」を日々研究中です。




