こんにちは。自宅教室Nina kitchenを運営している三谷です。
今回は、今の季節にピッタリなイタリアの冷たいドルチェ「カッサータ」をご紹介します!まるで宝石箱をそのままカットしたようなカラフルな見た目にも惹かれますよね。
本場のカッサータにも触れながら、その魅力を探っていきましょう。
カッサータとは?
カッサータはイタリアのシチリア島発祥の冷たいデザートです。
日本で一般的に知られているカッサータは、リコッタチーズや生クリームなどを混ぜ、そこにドライフルーツやナッツなどを加えて、四角い型に流し入れ、冷凍庫で冷やし固め、半解凍でカットし、アイスケーキのようにいただくものとされています。暑い夏にピッタリのドルチェです!
数年前から、イタリアンレストランやカフェなどでもデザートとして出されるようになってきましたね。
リコッタチーズの優しい酸味と、コクのある生クリームの組み合わせは、どんな具材とも相性が良く、カラフルなドライフルーツや、香ばしいナッツ、ビスケットやスポンジなど、口に入れるたびに様々な味と香りが合わさって、食べている人を飽きさせません。
ただ、本場イタリアシチリア島のカッサータは、見た目や製法も少し違うようです。外国から伝わったものは、必ずしも本国のままの形を残していないことが往々にしてありますよね。例えばナポリタンのようにイタリアにはないパスタが日本で広まったりすることも。
さてさて、本場のカッサータは次の項で見ていきましょう。
本場イタリア、シチリアのカッサータ
型に色付けしたマジパンを貼り付け、チョコレートチップを混ぜたリコッタクリームを流し込み、スポンジで蓋をして冷やし固めたケーキ。表面に砂糖漬けフルーツを飾る。
参考書籍:完全版イタリア料理手帖(世界文化社)発行日2016年7月20日 著者 池田愛美 池田匡克
正式には「カッサータ·シチリアーナ」とも言われ、かつては、復活祭のお菓子として作られていたのこと。日本では凍らせて作っていますが、本場の伝統的なカッサータは凍らせず、冷蔵庫で冷やし固めるそうです。
とても色鮮やかで美しいケーキですよね。外側の緑色のマジパンにはピスタチオが使われています。通常、マジパンというと、アーモンドを使用しますが、さすがはシチリアの名産、ピスタチオ!ケーキの中のクリームはリコッタチーズのみを使ったリコッタクリームでできているのも特徴的です。リコッタは「再び煮る」の意で、ホエイからできるチーズなので低脂肪で、環境にも優しいのです。
また、仕上げの飾りに使われているカラフルなフルーツの砂糖漬けにも目を惹かれます。これは南イタリアのシチリア島ならでは!その昔、アラブがもたらしたと言われるオレンジやシトロンの柑橘系を使用していること、また色彩感覚の面でもその地の影響を受けていると言えるでしょう。大きさやデザインはお店によっても様々ですが、小さいものでも緑のマジパンに赤いドレンチェリーが乗っているようです。
日本のカッサータはいいとこどり?~カッサータ、セミフレッド、パルフェの特徴~
日本でのカッサータ、本場のカッサータ、見た目も作り方も少し違うようですが、似たお菓子の中で
セミフレッド、パルフェなどがあります。それぞれの特徴をみてみましょう。
カッサータ
スポンジ、マジパンなど使用し丸型に敷き詰め、ドライフルーツ、ナッツ、チョコなどと一緒にリコッタクリームを詰めて冷蔵庫で固めたもの。
また、リコッタクリームやスポンジをクッキー生地にくるんで焼く「カッサータ·アル·フォルノ」というのもある。
セミフレッド
イタリア語で「半分」「冷たい」という意味。甘いホイップクリーム、メレンゲで作るもの、卵黄を加えるものがあり、冷凍庫で固めたアイスケーキで半解凍の状態でいたたくデザート。コーヒーやチョコソースをかけたもの、またチョコやナッツ、フルーツなどを混ぜたものもある。
(ジェラートやアイスクリームは、空気を入れて練りながら固めるもの。セミフレッドはそのまま凍らせるので、密なテクスチャーとなる。)
パルフェ
フランス語で「完璧な」の意。パフェのこと。卵黄に砂糖やホイップクリームを混ぜて型に詰めて冷凍庫で固めたデザート。皿にのせてソースやフルーツなどを添えて、半解凍の状態で食べる。イタリアでは、パルフェもセミフレッドと言われることもあるらしい。
日本のパフェは、高さのあるガラスの器に入ったものだが、フランスのパルフェを参考に日本独自の進化を遂げたと言われている。
こうして見てくると、日本のカッサータは「セミフレッド」に近いとも言えますが、セミフレッド=「半分·冷たい」は、欧米では「ハーフコールド」、スペインでは「セミフリオ」などと言われ、それぞれの国でいろいろなデザートがあるように、日本でも独自の発展をしたようです。
日本人は『模倣するのが上手』と昔から言われていますが、模倣しながら同時に『いいとこどり』をして、海外の文化を自国で発展させる傾向があるように思います。
日本のカッサータは、リコッタチーズが手に入りにくいこともあり、カッテージチーズやクリームチーズを使用していることが多いです。そこにセミフレッドの要素も加え、お好みのドライフルーツやナッツ、ビスケットなどを混ぜて凍らせ、色とりどりの断面も楽しむ華やかなデザートとして定着してきました。味覚だけでなく美的感覚をも取り入れるところが日本人らしい、と思うのは私だけではないはず。
おすすめのレシピ
富澤商店レシピ「基本のカッサータ」を作ってみました!
材料を混ぜて固めるだけなので、簡単に作れますよ!リコッタチーズは手に入りにくいので脂肪分の少ないカッテージチーズ(裏ごしタイプ)を使用しています。具材たっぷり贅沢なカッサータを作ってみましょう!
カッテージチーズをクリーム状に練ったら、グラニュー糖を加えた生クリームを6分立てにして、少しずつ加えていきます。
具材を加えて、ムラなく混ぜたら、紙を敷いたパウンドケーキ型に流し込み、平らにして冷凍庫で冷やし固めます。
しっかり固まったら、包丁で切り分け、半解凍状態でいただきます。食べきれない分は、カットしてラップをし、冷凍庫で保存できるので、ストックしておくと良いですよ。
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まとめ
いかがでしたか?暑い夏にぴったりのカッサータ。
日本ではここ数年イタリアのドルチェが大人気ですが、マリトッツォのように抹茶生地のパンに餡子と生クリームを入れたものなど、日本人好みにアレンジにして広まることが多いですよね。また、手に入りやすい材料をうまく取り入れて日本独自のカラーを出しているとも言えます。
日本のカッサータは、伝統的なカッサータとは少し違いますがセミフレッドの要素もプラスして、ご家庭でも手軽に作れるデザートに変貌し、親しまれています。
富澤商店のサイトには、今回作ったレシピの他にも様々なフレーバーのカッサータレシピがあります。
具材の組み合わせを変えることで、また違った味わいを楽しむことができますので、ぜひお好みの具材で作ってみてくださいね!
おすすめのカッサータレシピはこちら
コラム執筆:Nina kitchen三谷さん
「おうちのキッチンで作るおいしいパン&スイーツ」自宅教室Nina kitchen主宰。
ロースイーツクリエイター認定校。自宅教室にて基本のパン、オリジナル創作パンのレッスン開講中。