こんにちは。
自宅教室Nina kitchenを運営している三谷です。
今回は、スーパーフードとしても話題のカカオニブについて深掘りしてみようと思います!
カカオニブって何からできているの?チョコレートの原料なの?
カカオやチョコレートのことにも触れながら、その魅力を探っていきたいと思います。
カカオニブとは?
カカオニブは、カカオの種子(カカオ豆)を発酵、乾燥、焙煎した後に、胚乳部分を細かく砕いたもので、チョコレートの原料でもあります。 濃い茶色をしており、噛むとカリカリとして、苦みと芳ばしさ、ココアの芳醇な香りが鼻から抜けていきます。主に焼き菓子の飾りなどに使われていますね。
カカオの学名は『テオブロマ・カカオ』。テオブロマとは、ギリシャ語で『神々の食べ物』という意味で、その名の通り、その昔カカオ豆は神々の捧げものや宗教儀式にも使用される神聖な作物でした。
チョコレートの手引き「雷鳥社」
カカオというと、洋菓子チョコレートの原材料という印象ですが、古くから神聖な食べ物として親しまれていたのですね。
カカオニブの栄養
カカオニブは最近スーパーフードとしても注目を集めていますが、そもそもスーパーフードの定義とは?
栄養バランスに優れ一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
日本スーパーフード協会
カカオニブの場合はポリフェノールが多く含まれているのが特徴的です。ポリフェノールにはカテキンなども含まれており、抗酸化力が強いと言われています。
他にもミネラル(カルシウム、鉄、マグネシウム、銅など)や、脂質、中でもオリーブオイルなどに含まれるオレイン酸が豊富に含まれています。
また、食物繊維やリラックス効果を期待できるテオブロミンなども含まれています。※2
カカオパウダーとの違いは、カカオパウダーはカカオニブをさらに細かく粉砕し、圧搾して油脂分を取り除いているのでカカオニブの方が脂質の量が多いという点ですね。また、チョコレートは、カカオニブからできたカカオマスに砂糖、乳などを加えるので、炭水化物(糖質)が多くなります。
カカオニブは、カカオ豆が加工される前の栄養がほぼそのまま保持されているので、栄養価が高いと言われているのですね。
※2参照:日本チョコレート・ココア協会
カカオからカカオニブになるまで~カカオは発酵食品?~
カカオは赤道付近に原産国が集中しているので、日本ではなかなかカカオを目にする機会は少ないですよね。
カカオの実(カカオポッド)は、ラグビーボウル型をしており、木の幹に直に実るので、直幹木と言われています。
さて、幹から収穫されたカカオはどのような工程を経て出荷されるのでしょうか?
収穫されたカカオの工程
収穫後は、硬い殻を割り、はがし、中身を取り出す作業をします。
…中略…
果肉がついたままのカカオ豆を山積みにし、1週間前後、定期的に攪拌しながら静置させます。
果肉には10~15%の糖分が含まれていて、これらが微生物の栄養となり発酵がおこるのです。
…中略…
発酵はチョコレートの香りのもとになる成分を作り出し、チョコレートの味づくりに欠かせない非常に重要な工程なのです。適正な時期に発酵場から取り出し、じっくりと乾燥させながら発酵を少しずつ収束に向かわせます。……乾燥を終えたカカオ豆は厳しいチェックを経て、消費国へと送り届けられます。
チョコレートの手引き「雷鳥社」
日本では、コンビニでもスーパーでも手軽に手に入り、食べることのできるチョコレートですが、その原料のカカオ豆はこんなにも多くの工程の中で、人の手で丁寧に作業されているのかと思うと、気が遠くなるのと同時に、感謝していただかなくては、と思います。
今、色々な発酵食品が話題となっていますが、カカオ豆も発酵食品だったのですね。しかも、発酵がチョコレートの香りとも関わっていたとは驚きです。
次に消費国に送られたカカオ豆がカカオニブになるまではどうでしょうか。参考までに「チョコレートができるまでの流れ」で見ていきましょう。
チョコレートができるまでの流れ
参照:チョコレートの手引き「雷鳥社」
この流れを見ると、カカオニブは焙煎された後のカカオ豆の胚乳を砕いたものということが分かります。
2の栄養の項目でも触れましたが、カカオバターを取り除く前の段階なので、良質な脂肪分が多いのも納得です。栄養価も高く、スーパーフードと呼ばれる所以ですね。
焙煎の仕方、原産国の発酵の菌種によっても香りや味わいが変わると言われているチョコレート、有名パティシエが産地にこだわる理由もここにあるのかもしれませんね。
おすすめの商品
おすすめのレシピ
今回は、富澤商店さんのレシピ「ヴィジタンディーヌショコラ」「材料2つで簡単!基本のチョコレートムース」ミルクチョコレートを作ってみました。
ヴィジタンディーヌショコラ
ハンドミキサーを使わず、混ぜるだけでできるので、おすすめです!シリコンの型にあらかじめ分量のカカオニブを入れてから、生地を流し込んでオーブンで焼きます。
冷めたらガナッシュを中央に絞り入れ、仕上げます。
しっとりしたココア生地と、カリカリ食感のカカオニブ、コクのあるガナッシュと一緒にいただくとチョコレートの香りに包まれます。
見た目もお洒落なのでプレゼントにも喜ばれますね。
材料2つで簡単!基本のチョコレートムース」ミルクチョコレート
2つの材料でできるのが魅力!ゼラチンも使わない簡単ムースです。
今回は、ミルクチョコレート版ですが、スイートチョコレート、ホワイトチョコレートも同様に作れますよ。
ミルクチョコレートと生クリームを湯せんにかけ、少しずつ混ぜ合わせます。
生クリームをゆるめに泡立て、ゴムベラでチョコレート生地とあわせていきます。
もうそれだけです!
あとは、ココット皿に流して固め、生クリームを絞り、コポー、カカオニブを飾ります。
優しい甘さのチョコムースにほろ苦いカカオニブ、カリカリした食感がアクセントで、カカオの風味を存分に楽しめるスイーツです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?カカオを収穫してからの発酵や焙煎が香りや味の決め手となることが分かり、これからチョコレートの見方も変わってきますね。
手をかけて作られた「カカオニブ」、私たちが日常的に摂りたい栄養分を豊富に含んでいるので、普段の生活の中でも、一食材として取り入れてみてはいかがでしょうか。ただし、脂肪分も50%以上あり、カフェインなども含まれるため一度に大量摂るのは禁物です。味も苦いので、飾りやアクセントとして少しずつ取り入れていくのが理想ですね。
今回ご紹介したレシピは、焼き菓子とムースでしたが、他にクッキー生地に入れたり、グラノーラやヨーグルトに混ぜたりするのも、手軽に摂取できておすすめです。
また、お料理でも、カレーやサラダなどに隠し味として入れると味や香りのアクセントになってくれます。私の教室でもロースイーツの揚げないドーナツ、焼かないパウンドケーキなどに入れて、香りや食感のアクセントに使うことも多いです。
それでいて、ポリフェノールやミネラルなどの栄養分も摂れるのは嬉しいですね。
皆さんもぜひ、スーパーフード「カカオニブ」を味わってみて下さいね。
コラム執筆:Nina kitchen三谷さん
「おうちのキッチンで作るおいしいパン&スイーツ」自宅教室Nina kitchen主宰。
ロースイーツクリエイター認定校。自宅教室にて基本のパン、オリジナル創作パンのレッスン開講中。