こんにちは。自宅教室Nina kitchen を運営している三谷です。
今回は、洋酒の香り高い「漬け込みフルーツ」を深掘りしたいと思います。漬け込みフルーツといえば、シュトレンが真っ先に思い浮かびますよね。近年、シュトレンを手作りする方が増えていますが、具材に使う漬け込みフルーツを手作りするなら、涼しくなった秋口がピッタリです♪ ドライフルーツや洋酒の種類にも触れながら、漬け込みフルーツを使ったレシピもご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
漬け込みフルーツとは?

漬け込みフルーツとは、 ドライフルーツをラム酒やブランデーなどの洋酒に数日~数ヶ月漬け込んだもの。主にクリスマスの発酵菓子、パウンドケーキ、チョコレート菓子などに使われています。
もともと、ドライフルーツは古くから保存食として利用されてきました。しっかり水分を抜くことで糖度が上がり保存性も高まり、果物が採れない冬の間の保存食、栄養源として貴重なものだったのでしょう。さらにアルコール度数の高い洋酒に漬け込むことによって、より保存性が高まり、ドライフルーツにも洋酒の香りが移り、深みのある味わいとなります。
漬け込みフルーツを入れて作った焼き菓子は、数日~1週間おくことで、ドライフルーツにしみ込んだ洋酒の香りと水分が生地に馴染み、味わい深い豊かな風味が生まれます。寝かせた方がおいしいと言われる所以ですね。
漬け込むドライフルーツや洋酒をブレンドすることで味や香りにも奥行きが出るので、自分好みの漬け込みフルーツを作ることもできます。
自分好みのドライフルーツを見つけよう♪
レーズン
手に入りやすく、クセのないドライフルーツと言えば、レーズンですね。
よく見かける甘みの強いカリフォルニアレーズンの他、甘みと酸味バランスが良いサルタナレーズン、爽やかな風味のグリーンレーズンを合わせても、より味の幅が広がって、また視覚でも楽しめますね。
3種類の色鮮やかなレーズンをミックスしました。そのままおやつに、また製菓製パンなどに。
イチジク
イチジクは旨味と深みのある味わいが特徴で、少し入れることで味に奥行きが出ます。洋酒と合わさることでより豊かな味わいになります。
ねっとり濃厚な甘みのトルコ産、小粒であっさりした甘みの少し固めのイラン産などがありますが、焼き菓子に入れるとしたら前者のトルコ産がおすすめです。
白いちじくの実を収穫後すぐに皮ごと天日乾燥させました。ナチュラルな甘さが凝縮。
干あんず
爽やかな酸味、様々な焼き菓子と相性の良い味と香りを持つあんずは、少量入れることでアクセントにもなり、おすすめです。通常の干あんずの他、無漂泊のものもあり、色は茶色みがかっていますが味が濃厚で美味です。
肉厚なオレンジ色の干あんずです。
オレンジ
(オレンジピール、カットネーブルオレンジ)
代表的なものは、オレンジの皮のみを砂糖で煮詰めたオレンジピールで、ねっとりした食感と程よい苦み、オレンジの香りが、焼き菓子に爽やかなアクセントを加えてくれます。
また、最近では果肉が付いたままカットして乾燥させ、砂糖をコーティングしたカットネーブルオレンジという商品もあり、フレッシュな香りが特徴的です。好みに応じて使い分けてみるのも楽しいでしょう。
輪切りオレンジを食べやすくカットしました。ケーキやお菓子、パン作りに。
ドライクランベリー
爽やかな酸味と可愛らしい色が華やかですよね!
でも、知っていましたか?!生のクランベリーは酸味がかなり強く、全く甘みがないんです!なので、砂糖を加えてジャムやソースにすることがほとんど。今、出回っているドライクランベリーのほとんどは糖漬け後、乾燥させ植物性油脂をコーティングしたものです。油脂のコーティングはフルーツ同士がくっつかないようにするため、フルーツが乾燥し過ぎないようにするために施されていますが、漬け込みフルーツにする場合は、洋酒をしみ込ませる際に油脂が邪魔をしてしまうので、お湯でさっと流した方がベターです。
ドライブルーベリー
ドライブルーベリーも糖度がもともと低いので、ドライクランベリー同様、糖漬け後、乾燥させ油脂コーティングされたものが多く出回っています。
酸味はクランベリーほど強くありませんが、皮の心地よい渋みと独特の爽やかな香りがあり、アントシアニン、カルシウムなどのミネラルが豊富なことでも注目されていますね!ベリー類をそろえるのが大変と思われた方、こちらの商品がおすすめです。
4種類のドライフルーツ(クランベリー、カシス、チェリー、ブルーベリー)をミックスしました。そのままおやつに、また製菓製パンなどに。
洋酒について
漬け込みフルーツに使用する洋酒は、保存性を高めるためにも、アルコール度数が40度以上の高いものを使うと良いでしょう。代表的なものをいつくかあげてみますね。
ラム酒
サトウキビを原料に作られているので、濃厚な甘い香りで、どんなケーキとも相性ピッタリです。
サトウキビを発酵熟成した蒸留酒。長期樽貯蔵による自然な琥珀色と深い香りを特徴とする都会派ラム。
ブランデー
ブドウなどの果実の蒸留酒で、まろやかな甘みと華やかな香りが楽しめます。
長年の樽貯蔵での熟成によるフルーティーな香りのブランデーV.S.Oです。
グランマルニエ
ブランデーをベースにビターオレンジの皮をブレンドして熟成させたもので、琥珀色をしており柑橘の香りとコクが感じられます。
マルニエ・ラポストール社のオレンジキュラソー。3~6年熟成させたコニャックとカリブ海のオレンジを使用。ブレンド後6ヶ月以上熟成させています。
コアントロー
サトウキビ由来の無味無臭の蒸留酒にオレンジの皮を漬け込んで作られたもので、すっきり爽やかなオレンジの風味を感じられます。
ビターオレンジとスウィートオレンジの果皮をアルコールで蒸留し作られた、ホワイトキュラソーの逸品です。落としても割れないペットボトル入り。
キルシュ酒
さくらんぼの果実を発酵させて作った蒸留酒で、チェリーの華やかな香りとキレのある味わいが特徴です。
キルシュ(桜桃)を発酵、蒸留、熟成させてできたドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)生まれのチェリーのブランデーです。
初めて作られる方は、ラム酒やブランデーなど、どんなドライフルーツでも相性の良いがおすすめです。オレンジピールなど柑橘系のドライフルーツが入る場合は、グランマルニエやコアントローをラム酒などにブレンドするのも良いでしょう。ベリー系のドライフルーツが多い場合は、キルシュ酒をブレンドしてもよいですね。ブレンドすることで、味や香りに深みが出ます。
使用するドライフルーツやご自分の好みに合わせて洋酒を選ぶのも楽しいものです。ぜひ、参考にしてみてくださいね!
容器について
密閉できる蓋付きガラス容器、またはジップロックなどの密閉できる丈夫なビニール袋でも手軽に作ることができます。漬け込み中に雑菌が繁殖しないように以下を参考にして消毒してから使いましょう。
小さめの瓶などは、煮沸消毒をして瓶の中を自然乾燥させてから使います。煮沸する際は、大きめの鍋にたっぷりの水を入れ、水の状態から瓶を入れて加熱しましょう。熱湯に瓶を入れると割れてしまうことがあるので注意しましょう。
煮沸できない大きな瓶は、よく洗い乾燥させて食品用の消毒液をスプレーし乾かしてから使用します。

「10種の漬け込みフルーツ」を作ってみよう!
材料さえ揃えてしまえば、意外と簡単につくれますよ。

フルーツ
- 3種レーズンミックス 100g
- 4種のベリーミックス 100g
- 干あんず 40g
- 干イチジク 100g
- カットネーブルオレンジ 100g
洋酒
- ラム酒 100g
- ブランデーV.S.O 100g
- フィド ジャー(0.75l)
下準備
- 瓶などの容器は、お湯と洗剤で洗いペーパーで水気を取っておく。
- 容器が乾燥したらアルコールなどで消毒しておく。
作り方
・ベリーミックスを熱湯でさっと湯通しして、湯を切った後ペーパーで水気を取っておく。

・アプリコットとイチジクは4 等分の大きさに切っておく。
作るものによっては、カットネーブルオレンジも半分にカットしておく。


・清潔な容器に全てのドライフルーツを入れる。

・ラム酒とブランデーを加えて、全体を軽く混ぜる。

・お酒が沈むので2~3日間は1 日1 回混ぜると良い。ジップロックの場合はお酒が全体になじむように優しくもむとよい。
3日ほど漬け込んで完成!冷蔵庫で1 か月を目安にお召し上がりください。



〈ワンポイントメモ〉
3日~数日程の短い漬け込みの場合は、ドライフルーツ自体のフレッシュな風味と洋酒の軽やかな香りが楽しめます。また、1~2週間ほど経つと、フルーツの中心部分にも洋酒が浸透してしっとりとして豊かな香りと味わいに、さらに日が経つほど洋酒がフルーツに染み込み、味わい深くなります。
さらに長期保存する場合は、フルーツがひたひたになるくらい洋酒を入れて冷蔵庫で保管すると数ヶ月楽しめます。ただし、ご家庭の保存状況により、まれに雑菌が繁殖することもありますので、衛生面には注意しましょう。
冷涼な気候のドイツなどでは、半年から1 年くらい漬け込んだり、継ぎ足したりしてシュトレンの具材のフルーツを準備するベーカリーもあります。
漬け込みフルーツで「シュトレン」を作ってみた!
ドイツを代表するクリスマスの伝統菓子・シュトーレン。
ドイツではじっくり熟成させて少しずつスライスして食べるのがクリスマスまでの習慣です。
難しそうに思えますが、初めてさんでも安心の簡単レシピです。
・中種を作り発酵させる。


・本捏ねをする。バターを泡立て、グラニュー糖、塩を加え混ぜる。
卵を少しずつ入れ混ぜて、アーモンドプードルと粉を加える。



・中種を加え捏ねる。

・水気をふき取った漬け込みフルーツを加え、まんべんなく混ぜる。

・発酵させる。

・2分割して、生地を休ませる。

・成形し、最終発酵させる。



・180 度のオーブンで約30分焼く。
焼成後、バターを全体に塗り、グラニュー糖をまぶし粉糖をまぶす。


・数日おいて味をなじませてからいただく。

その他おすすめレシピ
バターと卵がたっぷり入ったブリオッシュ生地に白ワインに漬け込んだドライフルーツをたっぷり練りこみました。
隠し味にカルピスを入れてパネトーネ特有の乳酸発酵の香りを簡易的に表現しています。
今回は、10 種の漬け込みフルーツを使用しました。イチジクやあんず、オレンジなど大きいフルーツは、グルテン形成の邪魔にならないよう、7~8㎜にカットして加えています。
・中種を作り発酵させる。

・本捏ねをする。
粉類をボウルに入れて混ぜ、卵黄、卵、中種を入れて混ぜ、台の上でよく捏ねる。

・滑らかな状態になったらバターを入れてさらに捏ねる。

・生地の伸びがよくなってきたら、漬け込みフルーツを加え、まんべんなく混ぜる。
発酵、パンチを行う。


・2分割後、ベンチタイムを取り、成形し、約60分最終発酵させる。



・表面に十字の切り込みを入れバターをのせ、180℃のオーブンで約25 分焼く。



抹茶・ココア・紅茶パウダーを加えて生地の味を変えてみたり、ナッツやチョコチップ・ドライフルーツなどを組み合わせると初心者さんでもオリジナルの味のパウンドケーキを作ることができます。
今回は、市販のミックスフルーツの代わりに「10 種の漬け込みフルーツ」を使って作ってみました!
フルーツは小さめにカットしています。また沈みやすいので、あらかじめ分量の粉の一部をまぶしておくとよいです。
・常温に戻したバターに粉糖を加え、白っぽくなるまで混ぜる。
・卵を数回に分けて加えその都度よく混ぜる。
・粉の一部をフルーツにふりかけ、まぶす。生地に粉類をふるい入れ、さっくり混ぜる。
粉をまぶした漬け込みフルーツを加え、全体にいきわたらせる。


・紙を敷いたパウンドケーキ型に流し入れ、軽く空気抜きをして170℃のオーブンで45分ほど焼く。
途中15分のところで取り出し中央に切り込みを入れるときれいに焼けます。



冬の訪れを待つお楽しみ手仕事

いかがでしたでしょうか。
今年の秋は、好みの漬け込みフルーツを作って、冬の訪れを楽しみに待つのもよいですね。ご紹介したシュトレン、パネトーネ、パウンドケーキの他、アイスクリームやヨーグルトに沿えたりして、大人デザートを楽しむのもおすすめです!色々と使えるので、作ってストックしておくと便利ですよ。
自分で漬けたフルーツを入れた焼き菓子やデザートを味わえるのは手作りの醍醐味ですよね。
ぜひ、漬け込みフルーツ楽しんでみてくださいね♪
コラム執筆:Nina kitchen三谷さん

「おうちのキッチンで作るおいしいパン&スイーツ」自宅教室Nina kitchen主宰。
ロースイーツクリエイター認定校。自宅教室にて基本のパン、オリジナル創作パンのレッスン開講中。















