開発秘話!gemomogeさん&
タイガークラウンさんに聞きました
SECRET STORY
gemomogeさんと一緒に、パウンド型の工場を視察してきました!
パウンド型作りの体験レポもご紹介しているコラムはこちら
パウンドケーキは大きい方がおいしく焼けるって持論なんです。
---- パンも焼ける大きめパウンド型、ついに完成しました。今回の開発はいかがでしたか?
gemomogeさん:まず、「パウンドケーキは絶対大きい型の方がおいしく焼ける」というのが私の持論なんです。しっとりするし、具材もたっぷり入れられるし。小さい型は手軽だけど焼き上がりをちゃんと見極めないと、ちょっとパサつきやすいと思っていて。
---- 何度か試作品のパウンドを送っていただきましたが、びっくりするほどしっとりしていておいしかったです!
gemomogeさん:そう、シンプルなカトルカールとかフルーツパウンドとか、何度か味見していただきました!同じ大きさの材質の違う金属型で焼き比べてみて、板厚のしっかりしたブリキ型でも試したんですが、アルスターの方がしっとり焼き上がって。今回の開発でいろんなメーカーさんの型を試させてもらったのはすごく参考になりました。紙型とか人気の千代田金属さんの型、ステンレス型とか、私がもともと愛用していた型も持ち出して、インスタライブで公開焼き比べをやったとき、すごく盛り上がったんですよね。
---- 富澤商店で人気の高いパウンド型を全部送らせていただいて。私たちもライブ拝見していました!10種類くらいありましたか?
gemomogeさん:はい、スタンドミキサーで一気に生地を仕込んで、ぼんぼんって全部の型に入れていっぺんに焼いてみたんですよね。手軽さだったり、パリッとした表面の食感と中のしっとり感とのコントラストだったり、それぞれいいところがあったんですけど、一番コスパがよくておいしくできるのがアルスターだった。アルスターってプロの方がよく使ってる素材ですよね?
タイガークラウンさん(以下、タイガー):そうです、一番みなさんに馴染みがあるのは食パン型じゃないでしょうか。高級で希少な素材というのではなく、厨房でガンガン使っていただける、まさにコスパのいい素材かなと思います。使い込むほどに油が馴染んできて、使い勝手がよくなりますし。
「型を育てる」っていい言葉だなと思いました。
使うほどになじんで、使いやすくなっていく。
gemomogeさん:まさに開発段階でタイガークラウンさんとお話できて印象的だったことがあったんです。メーカーさんのご意見聞きたくて「いい型」の定義ってなんだと思いますか?ってお伺いしたことがあって。「型を育てながら、長く使えることじゃないでしょうか」と仰って、すごくいい言葉だなって思ったんです。
---- パン屋さんやお菓子屋さんでは、通常こういった型は洗わずに拭き取って、また油脂を塗って、繰り返し使いますよね。毎日使うからこそできるお手入れではありますが(富澤商店では毎回洗って、熱の残っているオーブンに入れてしっかり乾かす方法をおすすめしています)。
gemomogeさん:私もまさに型を洗わずに拭き取ってオイルスプレーをかけて使う派なので、すごく納得できて。使い込むとスルッと型から離れるようになって、どんどん使いやすくお気に入りになっていく感覚ありますよね。できたらそういうのもみんなに味わってもらいたいなと思いました。家庭用の型ってシリコン加工がかかっているものが多くて、確かにサビないしお手入れも楽なんだけど、加工が剥げるからあんまり雑に使えないって言うか。
タイガー:加工は剥がれるものですからね。ご家庭の樹脂加工のフライパンなどもそうだと思うんですけど、何年も使ってるうちにだんだん剥がれて、いつの間にか加工なしのフライパンになってた、なんてよくあることですよね。厨房では特に毎日ガンガン使うので、型類も消耗品としてある程度で入れ替えるものですが、加工があるとどうしてもお値段が上がるのに、寿命は短くなる。だから加工のないものの方がやはり主流ですね。
みんながそんなにいくつも型を買えるわけじゃない。買いやすいお値段で、これさえあればずっと楽しめるんだよって言えるといいなと思って。
gemomogeさん:インスタライブで焼き比べ公開しながらコメントを見ていて、買い替えとか、買い足しとか、みんな結構躊躇するというのはよくわかって。安いものじゃないし、ちょっと試してみるっていうわけにも行かないし。だから買いやすいお値段で、これさえあればずっと楽しめるから大丈夫だよ!って言えるものにしたかったんです。
---- 加工なし、刻印なしで!って、バシッて決めていただきましたよね。どうしても名前入れたかったらgemomogeってマジックで書くからいいって(笑)。
gemomogeさん:それは私じゃなくてフォロワーさんたちが言ってくださったんです。ありがたい(笑)。この大きさ、いいですよね。パンも焼けるパウンド型。まさに。
---- 実は最初もう一回り小さいサイズで進行していたんですけど、もう決定、というタイミングでやっぱり200gのバターを使い切れるレシピにしたい!とgemomogeさんからご連絡いただいて。急遽サイズ変更したサンプルの再提出をタイガークラウンさんに依頼したことがありましたね。
gemomogeさん:すみません!気になり始めたら頭から離れなくなって。これまでライブでいろんな悩みをコメントでいただいて来ましたし、なかなかこんな開発の機会なんてないから、こうだったらいいな、というアイデアは全部入れたいと思いまして・・・。こんなのあったら・・・を詰め込みました!
タイガー:せっかくだから可能な限りお応えしよう、って社内で協議しまして、急ぎサンプル再提出しました。私たちも一般の方のご意見をこうやって直接伺える機会はないですし、アイデアは全部形にさせていただきたかったので。
---- 結果、どっしりストレートなラインのかっこいい大きめパウンドと、ちょっと小ぶりなかわいいパンが焼けるという素敵な型になりました!gemomogeさん、タイガークラウンさん、ありがとうございます。型に合わせて推奨レシピもたくさんいただきました。
gemomogeさん:型を購入するとついてくるレシピカードだけに載せてもらった「フランス食パン」はインスタライブでもすごく反響のあったレシピなんです。買ってくださる方への感謝!のつもりで、購入いただいた方だけのシークレットレシピということにしてみましたが、ぜひ試してみてもらえるといいなと思います!まずこの型さえあれば長くいろいろ楽しめる、というものにできたかなと思うので、これまで型の購入に悩んでいた方の背中を少し押せたら嬉しいです。
gemomogeさん監修
パンも焼ける
大きめパウンド型は
こうして作られています
ひとつひとつ、
職人さんの手作業で
作られているパウンド型
切り抜いたアルスター材を折り紙のように折りながら成形していきます。
気になる方は天板にオーブンシートを敷いてご使用ください。
高温で
金属板を溶かして、
接着させています。
折り返したフチを止めている小さな丸い部分はスポット溶接というもの。
gemomogeさんご本人も
パウンド型作りを
体験してきました!
アルスター材を成形する機械はなんと足踏み式。ぐっ!と踏み込んで金属板を折り曲げていきます。
職人さんに教えていただきながら、パウンド型作りを体験。
その様子をご紹介しているコラムはこちら