デンマークの食卓に欠かせない主食
デンマークでは、「パン」といえばロブロを指すといわれるほど、日常の食卓に欠かせない存在です。
日本でいうお米のように、日常からお祝いの席まで、暮らしに寄り添い、人と人をつなぐ役割も担ってきました。
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ゲストさま
北欧デンマークで1000年以上、人々の健康を支え、
暮らしに根付いてきたライ麦パン「ロブロ(rugbrød)」。
日常の食卓からお祝いの席まで親しまれる、デンマークに欠かせない主食です。
このページでは、『北欧デンマークのライ麦パン ロブロの教科書』著者・くらもとさちこさん監修のもと、
家庭で手軽に作れるロブロの基本レシピや食べ方をわかりやすくご紹介します。
さらに、本格的なロブロ作りに欠かせないライ麦アイテムの特徴についても解説します。
ロブロ(rugbrød)とは、
北欧デンマークで1000年以上食べ継がれてきた、伝統的なライ麦パンです。
ライ麦全粒粉を主原料に、ライサワー種で発酵させて作るのが特徴で、
ライ麦をしっかり感じる粗めのクラム、まろやかな酸味、しっとりとした質感を持ちます。
素朴でありながら滋味深く、食べるほどに魅力が広がるパンです。
デンマークの食卓に欠かせない主食
デンマークでは、「パン」といえばロブロを指すといわれるほど、日常の食卓に欠かせない存在です。
日本でいうお米のように、日常からお祝いの席まで、暮らしに寄り添い、人と人をつなぐ役割も担ってきました。
栄養価が高く、満足感が続くパン
ロブロは一見素朴ですが、噛むほどにライ麦の旨味が広がります。
食物繊維やミネラルを豊富に含んでいるためゆっくり消化され、満足感が長続きします。
まろやかな酸味と広がるおいしさ
ロブロの酸味はドイツやフィンランドのライ麦パンと比べるとおだやかで、バターなどをのせるだけで旨味に一変します。
さまざまな食材と相性がよく、スモーブロ(オープンサンド/smørrebrød)の土台としても欠かせません。
単体で味わうというより、食材と組み合わせて楽しむパンなので、サンドイッチ・サラダ・スープ・スイーツなど、楽しみ方が広がるのも大きな魅力です。
ロブロを通して、デンマークの食文化の奥深さと、新しいパンの楽しみ方を感じていただけたら嬉しいです。
ロブロの作り方にはいくつかの方法がありますが、ここでは、くらもとさちこさんが実践している「型詰めオーバーナイト法」について解説します。
初心者の方にも作りやすい方法です。
1材料を計る
※ぬるま湯以外は室温で用意
2混ぜる
ロブロはグルテン網を利用して膨らませるパンではないので、全体が均一に混ざればOK。
こね上げ温度28℃、ぼってりとしたお粥状に仕上げる。
※季節に応じて水温・水量を調整
↓180gを次回分のライサワー種として取り分ける
4焼く
中心温度が98℃になったら焼き上がり。
※1時間30分かけて、中心温度が98℃になる状態を目指す
途中まで蓋をして焼くと、カットしやすい仕上がりになる。
5完成
中心温度98℃を確認後、取り出す。
キッチンクロスで包み、クーラーで粗熱を取る。
ライサワー種は、ライ麦全粒粉と水から作ります。
糠漬けと同じで、空気を含ませながら育てることで、乳酸と酢酸のバランスが整った安定した種になります。
本格的な作り方は完成まで10日程度かかるため、ここではもっと簡単に、3日で完成する方法をご紹介します。
3日後から使える簡単・時短レシピです。ヨーグルトの乳酸菌を利用するのでやや味に深みが欠けますが、ロブロを焼きながら繰り返し使うことで徐々に風味が深まります。
■ 材料
<1回目>
<2回目>
ぬるま湯にはちみつを溶かし、ライ麦全粒粉を加えて混ぜる。
軽く蓋をして、23〜26℃で一晩発酵させる。
↓ 24時間
小さな気泡が出てきたら、ぬるま湯とライ麦全粒粉を加えて混ぜる。
同様に、23〜26℃で一晩発酵させる。
↓ 24時間
大きな気泡が生まれていたら完成。
ロブロは焼き上がりから日ごとに味わいが変化し、時間とともにおいしさが深まっていくパンです。香り・食感・風味の移ろいを楽しみながら、日々異なる魅力が感じられます。
焼きたての香りを楽しむ
バージン・スライスを楽しむ
熟成したおいしさを楽しむ
トーストで香りを楽しむ
5日目以降のロブロはパサつきが気になってきます。おいしく食べ切る方法は、以下をご覧ください。
スモーブロ(smørrebrød)とは、「何かが塗ってあるロブロ」を意味します。「スモー」はパンに塗るスプレッド、「ブロ」はロブロを指し、バターを塗っただけのシンプルなものから、お祝いの席を彩る華やかな一皿まで、幅広いスタイルがあります。
| 重ね順 | 食材 | 役割 |
| 4 | ハーブ | 香りを添える |
| カリカリ素材 | 食感を加える | |
| 野菜 | 味わいに 変化をもたらす |
|
| 3 | 肉、魚など | メインの具材 |
| 2 | スプレッド | まろやかさを加える |
| 1 | ロブロ | スモーブロの土台 |
基本のスモーブロ
パーツはすべて揃える必要はありません。
ロブロにスプレッドを塗るだけの「基本のスモーブロ」でも、朝食として十分な満足感があります。
シンプルスモーブロ
おもてなしスモーブロ
メインの具材と野菜を重ねた「シンプルスモーブロ」は栄養バランスがよく、日常の食事として取り入れやすいのが特長です。
多くのパーツを組み合わせて、彩りよく仕上げる「おもてなしスモーブロ」では美しく盛りつけること自体も、楽しみ方のひとつになっています。
置き換えることはできますが、味や食感、生地のまとまりに影響が出ます。
ライ麦が発酵したロブロ特有の深い旨味を引き出すためには、砕きライ麦の使用がおすすめです。
ロブロの風味や香り、食感は、ライサワー種による発酵で作られるため、イーストではロブロ独特の深みのある味や食感にはなりません。ロブロ作りには、ライサワー種の使用をおすすめします。
はじめてロブロを焼く方にとって、ライサワー種を分けてもらうのはおすすめの方法です。
量が少ない場合は、「リフレッシュ」という作業で増やすことができます。
はい、小麦サワー種をライ麦サワー種に変換できます。
小麦サワー種40gにライ麦全粒粉80g、水80gを加え、28℃で約10時間、もしくは温かいところに置きます。気泡が大きくなれば使用可能です。
以下の手順で発酵・保存をしてください。
基本のロブロの作り方②の工程の後、180gを取り分ける。
キッチンペーパーやさらしをふた代わりにする。
↓
生地に大き目の気泡ができるまで3~4時間を目安に常温に置いて発酵させる。
軽くふたをするか、キッチンペーパーやさらしを挟んでからふたをし、冷蔵庫で保管する。
保管状態や活性の具合にもよりますが、2週間くらいまではそのまま問題なく使えるでしょう。
毎週もしくは隔週で定期的にロブロを作り、ライサワー種の活性を保つのがおすすめですが、もし2~3週間経ってしまったら「リフレッシュ」という作業で活性化を図ることができます。
前回の仕込みから2~3週間が経ってしまった時、冷凍保存をしていた時、ライサワー種の量を増やしたい時には、以下のリフレッシュを行いましょう。お友達にライサワー種を分けてあげるときにも便利です。
既存のライサワー種に、同じ割合のライ麦全粒粉と水を加え、全体をよく混ぜる。
※ライサワー種の3倍量まで加えることができる。
目安にマスキングテープを貼ると分かりやすい。
活性化を図るため、ときどき混ぜてもよい。
↓
大きな気泡が生まれ、かさが増えるとリフレッシュ完了。
以下のいずれかが確認できれば、発酵が問題なくできています。
生地がふっくらしていて、表面を指先でそっと押して、生地が少し跳ね返るような感触がある。
生地の表面に、とても小さな穴がいくつか確認できるようになる。
元の生地の高さよりも2cmくらい高くなっている。(食パン1斤型の場合)
気温が高いと、旨味が形成される前に発酵が進んでしまいます。生地を型に入れた後、野菜室か冷蔵庫で発酵させましょう。初心者の方だけでなく、暑い時期にも「型詰めオーバーナイト法」が便利です。
はい、生地を仕込んだ当日に焼く「ストレート法」という方法があります。
室温によって発酵時間が変わるため、発酵の見極めはやや難しくなりますが、焼き上がりまでの時間を短くできるのが特長です。
「型詰めオーバーナイト法」とはいくつか違いがありますので、ご自身のライフスタイルに合った方法を選んでください。
<共通の特徴>
<ストレート法> 常温で約3時間半 発酵
<型詰めオーバーナイト法> 生地を型に入れ、冷蔵庫(野菜室)で約20時間(一晩) 発酵
型詰めオーバーナイト法は四季を通じて発酵時間に変化が少ない(発酵の見極めを要しない)ため、初心者でも安定した仕上がりになりやすい。
18℃以下になると発酵が遅くなり、膨らまない原因になります。20~26℃の場所を探すか、オーブンの発酵機能の30℃(できれば28~29℃)設定で約1時間、発酵させてください。
風が通り抜けるところも生地が膨らみにくいため、温度が安定しているオーブン庫内は便利です。
過発酵が原因の可能性があります。特に気温が高い時期は発酵が進みやすいため、発酵の見極めを意識してみてください。
焼成時に中心温度が98℃に達していれば問題ありません。
ロブロは生地が安定するまで時間がかかるため、ライ麦100%で作る基本のロブロは、翌々日にはきれいにスライスできるようになります。この段階でも多少ナイフに生地が付くことがありますが、問題ありません。
一方、シードを加えたロブロは、焼いた翌日でもきれいにスライスでき、生地がやわらかく、食感も軽く仕上がります。
シード入りロブロはデンマークでも広く親しまれているスタイルです。ライ麦特有の風味や旨味は薄くなりますが、お好みに合わせて取り入れてみてください。
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ロブロを上手に作る第一歩は、仕込み環境やその時の生地の状態をよく知ることです。
その日の仕込み状況や出来上がりを記録しておくと、次に活かすことができます。
さらに、天気や気温、湿度もあわせて記録すると、季節による違いに気づきやすくなります。
日本は四季による温度や湿度の変化が大きいため、冬と夏では仕込み条件も変わります。
こうした違いに対応できるようになると、仕上がりが安定してきます。
また、季節による発酵状態のばらつきを抑えたい場合は、「ストレート法」よりも「型詰めオーバーナイト法」がおすすめです。
ロブロの最適な保存方法は、キッチンクロスやさらしに包んだ状態での常温保存です。
シリコン加工されていない通気性のよいクッキングペーパーでも代用できます。
ビニール袋で保存すると、ロブロが汗をかき、袋の中で結露し、カビの発生につながります。
特におすすめではないのですが、冷蔵庫でも保存できます。
その場合は、ビニール袋に入れる前に、必ず、キッチンクロスかさらしに包みましょう。結露を防ぐことができます。
できるだけ、ロブロを布や紙で包んだままで、さわらないようにカットするのもカビを防ぐ重要なポイントです。
ロブロはスライスで冷凍するとポロポロする傾向にあり、おすすめできません。
キッチンクロスに包んで涼しいところで保存すると、一週間以上、風味や食感を損ねることなく常温保存ができ、日ごとに変化するおいしさが楽しめます。
また、冷凍よりも「冷蔵」をおすすめしています。その場合、ビニール袋に入れる前に、必ず、キッチンクロスかさらしに包みましょう。結露を防ぐことができます。
ロブロを冷凍するときは、「まるごと」のブロック冷凍が食感の劣化を最も避けることができます。
お使いになりたい時に常温で解凍してください。
パサつきが出はじめたロブロは、形を変えて活用することで最後までおいしく楽しめます。
完全に硬くなる前に、乾かして使い切るのがおすすめです。
基本的な手法は、角切り(ロブロ生クルトン)か、そぼろ状(ロブロ生そぼろ)にすること。
包丁やミキサーで簡単に作れます。冷凍保存も可能です。
ロブロ生クルトンはスープに加えて、ボリュームとコク出しに。
ロブロ生そぼろはケーキに使うと、独特の食感が楽しめます。
生クルトンや生そぼろは、お好みの味付けでローストするのもおすすめです。
塩味やスパイスを効かせたクルトンは、ポタージュやサラダの仕上げに加えると、調味料のように味を引き立ててくれます。
ロブロはパン切り包丁で切れないほど硬くなりますが、そうなった後でもおいしく食べる方法があります。
蒸す、または水に浸すことで、ロブロはやわらかさを取り戻します。やわらかくなれば、生クルトンや生そぼろに加工して使い切ることができます。
また、水に一晩浸してから加熱し、ロブロ粥にする昔ながらの方法もあります。
最近ではロブロ粥をさらに加工し、クネッケ(薄焼きせんべいのようなもの)に仕上げる楽しみ方も広がっています。
デンマークでは今も、ロブロをおいしく食べ切るための工夫が受け継がれています。
一般家庭でも楽しめるスモーブロの具材をご紹介します。
すべてのパーツを揃える必要はありません。手に入りやすい食材で、自由に楽しんでください。
食感・色・味に変化をつけることを意識すると、バランスよく組み立てやすくなります。
スプレッド:バター・ラード・はちみつ・グリーンペースト・練りごま
メインの具材:にしんのマリネ・スモークサーモン・鱈のフリカデラ・ハム・フムス・サラダチキン
野菜:きゅうり・トマト・パプリカ
ハーブ:ディル・パセリ・西洋ワサビ・ケッパー・大葉・茗荷
カリカリ食感:ごま・ナッツ・ロブロそぼろ・野菜チップス
広島県出身。コペンハーゲン在住。30年以上にわたりデンマークで暮らし、子育てをしながら、現地の高等教育機関で健康・栄養学を学ぶ。生活者としての経験と専門知識の両面から、食と食文化を中心に、デンマークの文化や暮らしを独自の視点で紹介する企画・執筆活動を行っている。
著書に『北欧デンマークのライ麦パン ロブロの教科書』。ライ麦パン「ロブロ」の魅力を日本に伝えている。
訳書に『北欧料理大全』『スモーブロ・ザ・マニュアル』があり、日本の読者向けの解説・編集も手がける。
また、シュタイナー教育機関におけるオーガニック菜食給食の献立指導や導入支援にも携わり、心とからだ、環境にやさしい食のあり方を提唱している。
© Jan Oster(ヤン・オースター)
『北欧デンマークのライ麦パン ロブロの教科書』
(誠文堂新光社刊)
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シリコン加工が施されているため型離れがよく、初心者の方にもおすすめです。「基本のロブロ」の分量そのままでお使いいただけます。
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耐久性に優れたアルスター素材の型です。食パン型よりも小さいため、分量を調整してお使いください。詳しくはレシピページをご確認ください。
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