仕入れする小麦を検討する上でまずは、お店おこだわりと商品ラインナップを見直してみましょう。商品ラインナップを考える際のポイントは下記の3つになります。
どんなお客様に来て欲しいか?
近隣他店との競合優位商品を考える
お店のこだわりポイントを考える
どんなお客様に来てほしいか
どのようなお客様に来てほしいのか、まずはターゲット層を明確にします。
「ファミリー向け」「学生向け」「女性一人でも来店しやすい店」といった具体的なターゲットを定めることで、商品のラインナップも決めやすくなるでしょう。
例えば「ファミリー向け」であれば、幅広く受け入れやすい商品ラインナップやお子様向けの商品が必要ですし、「学生向け」であれば低単価で昔からある定番ラインナップ、「女性一人でも来店しやすい店」であれば高単価でも見た目の彩りや、トレンド、健康志向や美容を意識した商品など、ターゲットによってお店のラインナップは大きく異なります。
また、メインのお客様を考える際に、その土地の特性や近隣他店の商品を見ることでより根拠をもってターゲット設定することができます。
競合店が満たせていないお客様のニーズをカバーするようなお店を出店すれば、自ずと他店との差別化が図られ、その結果として集客につながるでしょう。
近隣他店との競合優位商品を考える
お客様に来店いただく動機として「独自の人気商品」を買いに来ていただくというのは大切なポイントとなります。
ターゲットに沿った「定番ラインナップ」、「世の中のトレンドに沿った商品」の他に、他店にはない個性を持った「独自の人気商品」を店内の目立つ陳列で販売します。
お店の代表する「独自の人気商品」の売上が安定することで商品の生産も効率的に回るようになります。
お店のこたわりポイントを考える
お店のこたわりを統一し、前面に出すことで、お客様に自身のお店を覚えてもらいやすくなります。
例えば昨今人気の「素材にこだわった高級食パン専門店」や「天然酵母パン」「ヴィーガンケーキ専門店」など、数ある競合店の中から「ここの店のパン・ケーキを食べたい」と思ってもらうには、独自の強みが重要な決め手となります。
そうはいっても、すべての食材にこだわって作ろうと思った場合、材料コストが高くなり原価率が高くなってしまいます。
こだわりポイントを明確にし、材料の中でも原価を抑えるものをあらかじめ選定することや生産効率もしっかり検討することで経営を安定させることができるでしょう。
また、より良い商品をお客様に納得して購入いただくには「良い材料を探し続けること」も大切なポイントとなります。
商品のラインナップとこだわりポイントを考えたら、次は仕入れ計画を立てます。
仕入計画は、原材料や販売する仕入品の仕入金額や仕入先が何社あって、どのくらいの数や金額を仕入れるのかといったことを予定するものです。
まずは、お店のストックの広さや販売予測を立てて必要な在庫数を確認しましょう。材料も安いからといって一度に大量に仕入れてしまっては管理や置き場所に困ってしまいます。
開業時は適正な在庫量が把握しにくいため、少量から購入がおすすめです。今は小麦粉も業務用サイズで一般的だった25kgだけではなく1kg、2.5kgサイズなど小さなパン屋さん、ケーキ屋さんでも使いやすい量で販売している仕入先もあります。
小さいサイズの小麦はストックで場所を取らないだけではなく、その分取り扱う小麦の種類を増やすことができる、従業員が女性や高齢でも容易に持ち運べるといったメリットがたくさんあります。
具体的な仕入先を選定します。小麦を含む材料の仕入れの場合、製菓材料店舗に買いに行くのではく店舗まで配送のある「専門卸業者」「ネット通販」を使うのが良いでしょう。それぞれの特徴は下記でまとめています。
1)専門卸業者
専門卸業者(食品総合卸)は一般的な仕入先のうちの一つです。ネット検索や他店の仕入れ先を参考に業者を見つけて、事前に見積もりを発行、価格交渉を経てお取引となります。卸業者を検討する際には、相みつといって複数の業者から見積もりをもらって検討することが一般的ですが、検討時には価格・品質のほかに、供給量が安定しているか、配送条件・支払方法がマッチしているか等も確認、検討するようにしましょう。
特に配送条件や支払い方法は後で変更できない場合もありますので事前にしっかり確認することをお勧めします。
また、卸業者に依頼する場合は担当営業がつくため、営業の提案力が高いというのも確認したいポイントのひとつです。
商品の価格が高騰した際に代替えとなる商品を提案してくれたり、他店で好評な商品を教えてくれたりする仕入れ先会社は信頼度も上がりますよね。
- ・大量に仕入れる場合は小売店より安価になる場合がある。配送・掛売対応も可能。
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・新しい商品を仕入れる際には都度見積が必要な為、急いでいる場合に間に合わない可能性も。
・小ロットでの購入には不向き。
・配送回数・日程が決まっていて在庫管理が難しい場合も。
大量発注の場合安く仕入れられる。業務用食材も豊富な点が魅力の卸業者での仕入れ。
一方で最小販売量が決まっていて小ロットに対応していない、配送日が決まっていて急な仕入れが難しいなど不便な点もあります。
2)ネット通販
通販サイトから購入する手もあります。小売で割高になるのではと思いがちですが、現在は卸専用のネット通販サイトが豊富にあります。
見積不要で豊富な品揃えから選んで購入が可能。予想外の商品を見つける楽しみなどネットショッピング同様の強みがありつつ、掛け払いをはじめとした卸特有の便利な仕組みも利用可能。さらに、小ロットに対応しているところも多く、ロスをカットできるのも魅力です。
住んでいる地域によって配送料や日数が異なるので事前に確認しておきましょう。
また、サイトによっては購入金額に応じてお得な割引が適用されたり、定期的にクーポンを配信しているところもあるので、こまめにチェックしながらお得に使うのがおすすめです。
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・実際に専門店へ足を運ばずに豊富な食材から購入が可能。
・小ロットから24時間いつでも購入でき、小売価格よりも割安。
・掛売に対応している場合も多く、月末締め翌月払いが可能。 -
・商品を直接手に取って確認できない。
・配送料が別途かかる場合もある。
ネットで気軽に注文できる通販。営業担当を通じて見積もりを取る手間も省け、利便性は最も高いといえます。
また、地域によっては翌日配送や、一定価格以上で送料無料のサービスなどもありがたいサービスの一つです。
お店のコンセプト、規模にあった
仕入れ先を検討する
材料のことを考えたとき、「オーガニック品のみを使いたい」「産地にこだわりたい」といったように、材料に関してこだわりたい部分が出てくる場合もあるはず。
これらを改めて振り返り、どんな材料を仕入れたいのか具体的なイメージを浮かべてみましょう。
こだわりはあるが具体的にどう仕入れたらよいかわからない場合は、仕入れたいジャンルや食材を扱っている専門業者に相談してみるのもおすすめです。
実際に提供するメニューから、必要な材料をピックアップしてみましょう。そして、業者から仕入れたい材料を書き出します。
使う頻度が少ないものや、調味料などの近くで手に入れられるものはリストから除外しておくと、よりわかりやすくなります。
仕入れ先は1つに絞らなくてもOK
仕入れ先によってメリットデメリットがあります。欠品などのリスク会費や利便性、価格からいくつかの仕入れ先を併用することをお勧めします。
開業時などは特に仕入れ先を絞らず、大体の仕入れ量の把握ができてから具体的に検討していくという方法もあります。